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原子力機構の研究開発成果2023-24
はじめに
目次
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
高温ガス炉水素・熱利用研究
1-1 耐熱性能を向上した中性子検出器の開発
−高温ガス炉特有の熱サイクル負荷に対する考慮−
1-2 高温ガス炉を利用した水素製造技術の確証に向けて
−HTTR−熱利用試験施設の安全設計方針を策定−
1-3 高温ガス炉の燃料健全性を合理的に評価するには?
−高温ガス炉用TRISO燃料の損傷評価法の合理化−
1-4 高温ガス炉使用済燃料の再処理技術の成立性検討
−既存のPUREX技術を用いた再処理の経済性向上−
1-5 IS法による水素製造の安定性向上に向けて
−ヨウ素析出による配管閉塞を防止する溶液組成制御法の開発−
1-6 IS水素製造法の消費エネルギーを低減
−架橋により膨潤を抑制したヨウ化水素濃縮用カチオン交換膜を開発−
1-7 IS法で用いる金属部材の耐食性向上を目指して
−沸騰硫酸環境下に耐えられるコーティング材を発見−
2
高速炉研究開発
2-1 炉心損傷事故対策による発生頻度低減効果の評価
−高速炉の出力運転時における確率論的リスク評価の適用−
2-2 溶融炉心物質を原子炉容器内で冷やし閉じ込める
−ナトリウム中を落下する溶融炉心物質の振る舞いを可視化する試験−
2-3 高速炉プラント全体の熱流動挙動を精度良く予測する
−1次元プラント挙動解析と3次元詳細解析の連成−
2-4 高速炉用ラッパ管への異材溶接の適用を目指して
−運転中に想定される高温での適用性を微細構造解析から解明する−
2-5 高速炉の遮蔽設計の合理化に向けて
−最新の知見に基づいた「もんじゅ」ナトリウム放射化量の評価−
3
先端原子力科学研究
3-1 アクチノイド原子核のγ線核分光技術を確立
−超重元素の原子核構造研究に前進−
3-2 クォークが生み出す核力の斥力芯の起源に迫る
−J-PARCにおけるΣ
+
粒子と陽子の散乱実験−
3-3 ウラン化合物超伝導体の純良化に成功
−ウラン系超伝導の機構解明に寄与する−
3-4 音波の高感度な測定を目指して
−音波が結晶の電流−電圧特性を変える−
3-5 なぜ1原子層のグラフェンで水素と重水素を分離できるのか?
−量子トンネル効果で重水素を大量生産−
3-6 高性能・高機能トンネル磁気抵抗素子を実現する積層電極構造の開発に成功
−新磁性材料を用いたトンネル磁気抵抗素子の産業応用へ大きく前進−
3-7 薄型磁石に潜む不思議なエネルギー
−極小の空間で初めて起こるエネルギー生成機構の理論的解明−
4
原子力基礎工学研究
4-1 アクティブ法による核物質非破壊測定装置の開発
−3つの非破壊分析測定を実施できる世界初の装置Active-N−
4-2 多様化するニーズに応える基盤データベースを提供
−最新の核データライブラリ「JENDL-5」を開発−
4-3 MA核変換用窒化物燃料再処理におけるMA回収率の向上に向けて
−腐食性ガスを使わずに白金族化合物中のネプツニウムを塩化物にすることに成功−
4-4 キレート法を応用した新規腐食抑制手法を開発
−EDTAを利用した金属イオン導入によりすき間腐食を抑制−
4-5 計算科学を用いて合金の強度を評価する
−元素戦略による電子状態計算に基づく合金設計−
4-6 アクチノイド重元素が水と油の間を移動するメカニズム
−振動和周波発生分光法による溶媒抽出界面の分子構造研究−
4-7 重粒子線治療の全身被ばく線量評価システムが完成
−過去の重粒子線治療の症例から学び、未来の放射線治療に活かす−
4-8 核破砕反応で放出する中性子を測る
−核反応モデルによる予測精度向上に向けて−
5
中性子及び放射光利用研究
5-1 大強度負水素イオンビームの損失原因を探る
−残留ガスとの衝突で電荷を失った中性ビームを観測−
5-2 世界最高圧力下での中性子非弾性散乱実験に成功
−21万気圧での金属水素化物の水素振動励起を観測−
5-3 パルス超強磁場下での中性子回折実験の実現
−30テスラ以上の強磁場パルスマグネットシステムの開発−
5-4 原子の磁気を原子核の磁気と比べて測る
−強い磁石の開発や磁気構造の解明に役立つ新中性子散乱法−
5-5 全固体電池内のリチウムイオンの動きを捉えることに成功
−中性子深さ分析によりイオンのリアルタイム計測を実現−
5-6 アクチノイドのレーザーアシスト分離法の原理実証
−f電子を光で操作し、抽出剤で分離・回収する−
5-7 高輝度放射光で解き明かすシリコン酸化膜の成長過程
−ナノデバイスの世界を支配する界面欠陥とキャリア捕獲−
6
システム計算科学研究
6-1 機械学習なら核燃料物質内の原子の動きを予測できるかも?
−機械学習分子動力学法の核燃料物質への適用に向けて−
6-2 液体金属脆化の元素選択性の解明
−脆化発生のエネルギー基準:原子論的弱い相互作用−
6-3 水に溶けたラジウムの姿を世界で初めて分子レベルで究明
−キュリー夫妻による発見から125年、ラジウムの分子レベル研究の幕開け−
6-4 仮想空間で大規模なシミュレーション結果を探索
−対話的な遠隔VR可視化を可能に−
6-5 原子力シミュレーションを加速するデータ変換手法の開発
−16bit演算を用いた行列解法で64bit演算と同等の収束特性を達成−
7
核不拡散・核セキュリティ技術開発
7-1 大規模イベントを核・放射線テロから守る
−高速中性子線がどの方向から飛来しているかを特定する検出装置の開発−
8
福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発
8-1 チョルノービリ原子力発電所から学ぶ
−1Fの燃料デブリの経年変化を抑える条件とは−
8-2 燃料デブリから放出される放射線を明らかにする
−多様な燃料デブリの制動放射X線の特性と線量率影響の解明−
8-3 チェレンコフ放射の指向性を利用して
90
Sr/
90
Yと
137
Csの弁別を実現
−
90
Sr/
90
Yと
137
Csの線源位置を同時検出−
8-4 作業空間内構造物種別の自動識別
−深層学習による点群データからの構造物識別手法の開発−
8-5 1F原子炉内のセシウム分布予測に向けて
−事故時におけるセシウムの原子炉内ふるまい解析コードを改良−
8-6 1F原子炉建屋内に残存するセシウムの性状予測に向けて
−セシウムの非鉄構造材料への吸着挙動を解明−
8-7 燃料デブリ等の安全な保管管理を目指して
−水素漏えい・拡散挙動解析に関する研究開発−
8-8 水素の燃焼挙動を数値解析により解明する
−火炎の不安定性に及ぼす温度や圧力の影響−
8-9 冷却水を止めた場合の2号機の温度分布を推測する
−空冷状態での燃料デブリ熱伝達数値シミュレーション−
8-10 河川水系での放射性セシウムの動きに森林が影響
−森林内移行と流域規模の動態を結び付けたモデル開発−
8-11 陸域に沈着した放射性セシウムは将来どう動くのか?
−陸域における放射性セシウムの1F事故後30年間の挙動予測−
8-12 貯水池底質からの放射性物質の再溶出メカニズム
−底質中の水の水質分析結果から得られた知見−
8-13 河口域での放射性セシウムの挙動を観測
−海底付近の濁った層を形成する粒子の起源推定−
8-14 地衣類は放射性セシウムのレコーダーだった
−分析装置を組み合わせ生体組織中のセシウム分布を明らかに−
8-15 プルトニウム同位体の迅速分析を目指して
−前処理操作を必要としない分析技術へ−
8-16 事故後の住民の被ばく管理手法をレビュー
−住民が安心できる帰還困難区域の解除に向けて−
9
地層処分技術に関する研究開発
9-1 割れ目を直接観察して将来の透水性を予測
−樹脂注入による割れ目可視化技術の応用−
9-2 地下でのアクチニド核種移行への影響物質の把握
−花崗岩及び泥岩中地下水への微量元素添加試験−
9-3 地層処分深度の侵食履歴を推定
−光ルミネッセンス熱年代法をボーリングコアに適用し熱履歴を復元−
9-4 加速器質量分析装置 超小型化への挑戦
−結晶表面を用いて原子・分子をふるい分ける−
9-5 緩衝材の膨潤と層間陽イオンの振る舞い
−緩衝材に含まれるモンモリロナイトの膨潤性はK
+
とNH
4
+
でどうして変わるのか−
9-6 拡散モデルによる核種移行予測の精度向上を目指して
−圧縮Ca型ベントナイトを対象とした拡散実験及びモデル開発−
10
安全を最優先としたバックエンド対策の着実な推進
10-1 研究施設等廃棄物の埋設処分に係る効率的な設計に向けて
−埋設施設から発生するスカイシャイン線量の評価−
10-2 難燃性廃棄物処理試験装置の実用化に向けて
−主反応器耐火材の補修材の選定−
10-3 ジオポリマーを放射性廃棄物固化に用いるために
−ジオポリマー内に生成するゼオライトの生成経路の解明−
10-4 プルトニウムの安全な長期保管に向けて
−プルトニウムの集約とPVCフリー貯蔵への転換−
11
安全研究・防災支援
11-1 原子力災害時の汚染検査迅速化を目指せ
−避難車両の汚染検査に用いる車両用ゲート型測定器の性能調査−
11-2 飛翔体衝突を受ける構造物の損傷を明らかにする
−建屋外壁を模擬した鉄筋コンクリート板構造の損傷状態の分析−
11-3 事故時の原子炉圧力容器の健全性評価手法の精度向上に向けて
−破損挙動に及ぼすステンレスオーバーレイクラッドの効果−
11-4 軽水炉燃料の設計や安全評価をより合理的に
−ジルコニウム基合金被覆管の照射成長挙動予測手法の構築−
11-5 火災時における施設内の閉じ込め性能を維持する
−グローブボックス材料火災時のHEPAフィルタの目詰まり特性の評価−
11-6 地下に広がる汚染分布を3次元で高精度に評価
−廃炉に向けた地下の汚染状況把握への貢献に期待−
11-7 重大事故時の放射性物質をプールで濾し取るには?
−プールスクラビングにおける二相流挙動を数値流体力学解析で評価−
11-8 最新の核データライブラリの妥当性を確認
−JENDL-5を用いたPWR燃料照射後試験データの解析−
奥付
原子力機構の研究開発成果2022-23
はじめに
目次
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発
1-1 放射線存在下の水中での燃料デブリの劣化過程
−UO
2
・ジルコニウム・ステンレス鋼から生成する固溶体は放射線存在下でも安定−
1-2 物質組成が不明瞭な燃料デブリの臨界性を評価する
−希ガスモニタリングのための新しい未臨界燃焼計算コードシステムを開発−
1-3 原子炉圧力容器下部の破損メカニズムを明らかにする
−BWRの複雑な下部構造における材料間反応を想定した溶融試験−
1-4 ヨウ素酸イオンを効果的に取り除くにはどうする ?
−バライト(BaSO
4
)へのヨウ素酸の共沈を分子レベルで評価−
1-5 放射性廃棄物の安全な保管のための特性把握
−炭酸塩スラリーの化学組成による影響−
1-6 過酷な放射線場でガンマ線核種分析を実現する
−簡易非破壊測定に向けた高線量特化型ガンマ線スペクトル測定システムの構築−
1-7 廃炉作業環境中の放射性物質を「その場」で測定 !
−空気中のα粒子のリアルタイム監視で燃料デブリ取出し作業の安全性向上へ−
1-8 α/β/γ線のエネルギースペクトルを弁別して同時に測定
−Phoswich型α/β/γ線検出器を用いた連続モニタリング装置の開発−
1-9 光ファイバを用いた片側読み出し型放射線位置検出器の開発
−新分光システムによる光の波長分析により高感度位置検出を実現−
1-10 廃炉現場の汚染分布を 3次元マップで“見える化”
−見えない汚染を仮想空間で把握し、作業員の被ばくを低減−
1-11 河川からの放射性セシウム流出にかかる大型台風の影響
−平成27年9月関東・東北豪雨と令和元年東日本台風の比較から−
1-12 セシウムを長期にわたり保持する地衣類の謎に迫る
−計算化学が解き明かす代謝物とセシウムの錯体形成力−
1-13 長半減期放射性核種テクネチウム99を迅速に測定する
−固相抽出とガス反応を組み合わせ、ICP-MSでの迅速分析を実現−
1-14 レーザーを用いて微量 Sr同位体を選択的に検出
−同重体及び安定同位体を多く含む試料の前処理簡略化に貢献−
1-15 無人ヘリによるホットスポット可視化の信頼性向上を目指して
−飛行条件を考慮したデータ選択によって検出精度を改善−
1-16 事故後の空気中セシウム濃度の減少傾向を調査する
−国のモニタリング結果から減少速度を評価−
1-17 町では空間線量率が早く下がる理由とは?
−放射性セシウムの挙動から見えてくる低減効果−
2
安全研究・防災支援
2-1 外的事象による原子炉リスクの特性を把握する
−動的アプローチによる溢水起因リスクの確率論的評価−
2-2 軽水炉事故時の格納容器内の流れを把握する
−外面冷却と初期密度成層の位置関係による物質輸送挙動の変化−
2-3 原子炉過酷事故における燃料デブリの堆積形態の予測
−格納容器の床面に堆積する塊状デブリの質量割合の測定−
2-4 日本家屋での屋内退避効果の評価に必要なパラメータ値を明らかにする
−粒子状及び気体の元素状ヨウ素の浸透率と沈着率を実家屋とチャンバー実験で取得−
2-5 原子炉の配管は巨大地震にどれだけ耐えられるのか
−長期間使用された原子炉配管の地震フラジリティ評価手法の開発−
2-6 廃炉で発生するアスベスト廃棄物の処理処分へ道筋
−クリアランスレベル算出のための被ばく線量評価手法の開発−
3
先端原子力科学研究
3-1 周期表の重い極限領域で何が起こるか?
−105番元素ドブニウム分子で見えた周期律のほころび−
3-2 超伝導検出器でK
-
中間子の強い相互作用を測る
−K中間子原子のX線分光精度を飛躍的に向上−
3-3 ウラン化合物で見つかった電子の遅い揺らぎ
−次世代量子コンピュータにつながる超伝導の謎に迫る−
3-4 電子状態のトポロジーが磁気制御に貢献
−磁気メモリの大幅な省電力化につながる新原理を発見−
3-5 高効率オルト-パラ転換触媒設計への知見
−ステップ表面に吸着した水素分子の高速オルト-パラ転換の実証−
3-6 母岩への収着におけるウラン保持過程を紐解く
−表面吸着は2種類の化学形態が関与して起こる−
3-7 ボース粒子のコヒーレントな性質の解明に迫る
−ボース・アインシュタイン凝縮体におけるジョセフソン流の振る舞いを決定−
4
原子力基礎工学研究
4-1 低コスト可搬型核物質検知装置の開発
−新しい非破壊核物質検知技術の原理実証実験に成功−
4-2 核データと粒子輸送計算を繋げる
−多群定数作成機能等を実装したFRENDY第2版の開発−
4-3 照射損傷の従来の理論予測が通用しない理由を探る
−耐照射性セラミックスにおける照射損傷メカニズム−
4-4 建物影響を考慮した詳細な大気拡散・線量評価を初めて実現
−局所域高分解能大気拡散・線量評価システム「LHADDAS」の開発−
4-5 核燃料サイクルシミュレーターを一般公開
−高速・汎用・柔軟なNMB4.0を開発し、将来の原子力利用戦略立案に貢献−
4-6 ADSのための信頼性指向加速器の実現に向けて
−核変換用30 MWリニアックの堅牢なビーム光学設計−
4-7 医用ラジオアイソトープ用吸着材の性能向上に向けて
−アルミナのモリブデン酸イオン吸着メカニズムの解明−
5
中性子及び放射光利用研究
5-1 ガスとビームの衝突の際に出た光でビームの状態を判断
−ガスシートビームプロファイルモニタの開発−
5-2 ディープラーニングによって中性子測定の速度を大幅に向上
−高精度のノイズ除去技術の開発によって中性子反射率測定を10倍以上高速化−
5-3 中性子ビームの偏極可能波長領域を大幅に拡大
−“超” 高臨界角中性子偏極スーパーミラーへのブレイクスルー−
5-4 蛋白質のドメイン構造と活性部位が連動した揺らぎの発見
−中性子散乱と分子シミュレーションによる蛋白質ダイナミクスの解析−
5-5 中性子散乱が拓くガラス固化技術の高度化研究
−添加剤に誘起されるホウケイ酸ガラスのナノ構造変化を解明−
5-6 放射光で環境にやさしい圧電材料を創る
−チタン酸ビスマスナトリウムの高温相における局所構造解析−
5-7 Eu化合物に現れる「重い電子」はどのように形成されるのか?
−局在・磁気的な Eu 4
f
軌道がつくるバンド構造の放射光による直接観測−
6
高温ガス炉水素・熱利用研究
6-1 HTTRの新たな耐震重要度分類を策定する
−運転・試験で得られた知見を活用した合理的な耐震重要度分類−
6-2 超高温炉内環境の出力分布測定に挑戦
−高温ガス炉の炉外漏えい中性子による出力分布測定法の開発−
6-3 高温ガス炉の建設コスト削減を目指して
−高温ガス炉の被覆燃料粒子のためのセシウム捕獲物質の開発−
6-4 ISプロセスにおける水素生産効率の向上
−ヨウ化水素分解工程用水素分離膜の耐食性を改善−
6-5 IS法による水素製造運転の長時間化を達成
−閉サイクルループを用いた新規の起動手順を導入−
6-6 高温ガス炉の革新的なRPV冷却設備の開発
−冷却方式の構造の違いと冷却に及ぼす外部パラメータの影響の比較−
6-7 高温ガス炉のより高精度な炉心解析を目指して
−疑似物質法により黒鉛の空孔率を自由に指定できる炉心解析手法の開発−
7
高速炉研究開発
7-1 化学反応を伴う流れ場を高速に解析する新しい手法を開発
−数値シミュレーションによる次世代革新炉開発に向けた取組み−
7-2 高速炉事故時に生じるエアロゾルの挙動を把握する
−多セル区画実験装置を用いたエアロゾル移行挙動実験−
7-3 高速炉機器の破損を予測する
−多孔板試験体の繰返し負荷試験と寿命予測−
7-4 核燃料中の酸素拡散現象を正確に捉える
−MOX燃料の酸素自己拡散係数の測定とその評価−
7-5 放射性廃棄物の低減を目指した高速炉燃料の開発
−高濃度アメリシウム含有MOX燃料の化学量論に基づく熱伝導率の評価−
7-6 「もんじゅ」性能試験データの活用に向けて
−解析値と測定値の不一致を解明−
7-7 高度化MOX燃料の実用化に向けて
−燃料中の酸素含有量の微量変化を測定−
8
バックエンド対策及び再処理技術に係る研究開発
8-1 環境基準にも配慮した埋設施設の設計に向けて
−埋設施設の配置や構造が変わることで浸出するウラン濃度は変わるのか−
8-2 安全な保管に向けた核燃料物質の処理方法の確立
−有機物含有核燃料物質の安定化処理−
8-3 有害物質を含む放射性廃棄物の安定固化に向けて
−アルカリ活性材料で固化処理された鉛の保持機構の解明−
8-4 鋼材表面塗装膜の除去技術
−レーザークリーニング技術の表面物質分離性能評価−
8-5 管理区域内火災等による汚染履歴のある施設の廃止措置
−大型グリーンハウスによるウラン濃縮研究棟の一括解体−
8-6 α線放出核種を含む廃液を貯留していた大型槽の解体
−被ばく低減措置とこれからの廃止措置へ向けた作業データの取得−
8-7 汎用装置で地下の岩石の割れ目をずらすことに初成功
−様々な地下利用に向けて大きく進展−
8-8 軟らかい岩盤内で水が流れにくい場所を予測する
−立坑掘削に伴う水理力学連成応答解析による透水性評価−
8-9 よく似た化学組成を持つ火山砕屑物を判別する
−局所法による火山ガラスの化学組成分析手法の構築−
8-10 熱力学的収着モデルで放射性核種の挙動を予測する
−処分場の環境変遷が緩衝材中の核種移行に与える影響を評価−
8-11 緩衝材中の放射性炭素の移行挙動を把握する
−圧縮ベントナイト中のカルボン酸、アルコールの拡散試験−
9
システム計算科学研究
9-1 機械学習により高解像度の流れ場を効率的に予測
−多重階層度の定常流を予測する畳み込みニューラルネットワークを開発−
9-2 GPUスーパーコンピュータにおけるマルチスケール流体解析の高速化
−局所細分化格子において通信を削減する領域分割手法を開発−
9-3 水分子の量子ゆらぎをとらえる
−汎用分子シミュレーションコードPIMDを用いた水の高精度計算−
9-4 環境中ラジウムの基本特性解明に向けた研究
−実験とシミュレーションによる水溶液中バリウムイオンの構造解明−
10
核不拡散・核セキュリティ技術開発
10-1 核物質計量管理のための非破壊分析装置の小型化を目指して
−レーザー駆動中性子源を用いた中性子共鳴透過分析システムの実証−
奥付
原子力機構の研究開発成果2021-22
はじめに
目次
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発
1-1 燃料デブリの正体を明らかにする
ー制御棒由来の金属系燃料デブリの形成メカニズム解明ー
1-2 燃料デブリの非破壊測定に向けた検出器開発
ーCeBr
3
を用いた高線量率測定用ガンマ線スペクトロメトリシステムー
1-3 燃料デブリ中の放射性核種の存在状態を解明する
ーコンクリートとの高温反応生成物の構造とSr、Baの存在位置を明らかにするー
1-4 より安全な燃料デブリの臨界管理を実現するために
ー燃料デブリ環境を模擬するSTACY更新炉の炉心構成の最適化ー
1-5 土壌に固着したセシウムの除去方法を開発
ー汚染した土壌の処理に備えてー
1-6 圧力容器内部における炉心溶融挙動の解明に向けて
ー原子炉圧力容器の破損メカニズムの評価ー
1-7 超音波で鉄筋コンクリートの腐食劣化を探る
ー廃止措置のための非破壊検査技術の開発に向けてー
1-8 格納容器材料の腐食予測を目指す
ー放射線環境下での腐食データベースの構築ー
1-9 光ファイバを用いて高放射線環境で放射線強度分布を測る
ー光の波長成分に着目した放射線位置検出に関する新しいアプローチー
1-10 大型台風がもたらした河口域の沈降粒子量への影響
ー2019年の河口域での放射性セシウムの観測結果からー
1-11 AIが放射線マップを賢く作成
ー福島での放射線測定のビッグデータを活用ー
1-12 空間線量率減少の予測精度の向上のために
ー環境要因による経時変化を新たなモデル式で再現ー
1-13 河川でのセシウムの環境動態は堆積物の性質が握る
ー河川堆積物と放射性セシウムの吸脱着メカニズムを解明ー
1-14 貯水池底質からの放射性セシウムの再移動
ー流入水と放流水のマスバランス評価から得られた知見ー
1-15 わずかな量の骨の
90
Srをすばやく分析
ー生体内硬組織試料中
90
SrのICP-MS測定に向けたSrレジンの適用性ー
1-16 樹木中でセシウムはどのような状態で存在するのか
ー放射光を使ってセシウムが樹体内を移動しやすい理由を解明ー
1-17 森林内の空間線量率を決めるガンマ線はどこからくるのか?
ーシミュレーションにより明らかにされた放射性物質の存在位置と空間線量率との関係ー
1-18 コンクリートへのセシウム吸着挙動解明に向けて
ー機械学習分子動力学によるセメント水和物の高精度シミュレーションー
2
安全研究・防災支援
2-1 原子力災害時に甲状腺被ばく線量を正確に把握する
ー小型で持ち運びが容易な甲状腺ヨウ素モニタの開発ー
2-2 原子力事故時に汚染したモニタリングポストは正しく測れるのか?を考える
ーモニタリングポストの建屋汚染による線量率測定値への影響推定ー
2-3 飛翔体衝突による構造物の損傷を予測する
ーより現実的条件を考慮した貫入現象の解析的影響評価ー
2-4 高レベル濃縮廃液蒸発乾固事故時の放射性物質の揮発挙動を評価する
ー揮発しやすい放射性ルテニウムについて亜硝酸による抑制効果を確認ー
2-5 統計的機械学習で原子炉圧力容器の脆化を予測する
ー長期運転時の健全性評価のさらなる信頼性向上を目指してー
2-6 炉内等廃棄物から漏出した核種の地下環境での動きを探る
ー地下水中のカルシウムの影響を考慮したニオブ吸着モデルの構築ー
2-7 1個のウラン粒子から隠れたウラン精製活動を検知
ー精製時期を推定するための
230
Th/
234
U原子個数比分析技術ー
2-8 人に代わって事故現場へ入るロボットを操る
ー原子力災害対応用ロボット操作員の養成ー
3
先端原子力科学研究
3-1 多核子移行反応で明らかになる核分裂
ー未開拓領域の核分裂研究に道ー
3-2 ハイパー核「グザイ核」の質量を決定
ー中性子星の構造を理解するための新たな知見ー
3-3 磁石を使った絶対零度近くへの冷却
ー量子的に揺れる微小磁石が実現する極低温冷却材「イッテルビウム磁性体」ー
3-4 放射線に負けない熱電発電の実現に向けて
ースピンを利用した熱電発電素子の耐放射線特性ー
3-5 重水クラスターの低エネルギー振動モードの解明
ーテラヘルツ・赤外吸収分光法と第一原理計算の活用ー
3-6 エキゾチックな
P
c
の正体を探る
ーコンパクトペンタクォークとハドロン分子が混在したハイブリット模型による解析ー
4
原子力基礎工学研究
4-1 高エネルギー中性子利用の促進に向けて
ー基礎科学や医療のための核反応データベースを開発ー
4-2 機械学習を用いた核反応データ評価手法を提案
ー高品質な高エネルギー核反応データベースの開発に貢献ー
4-3 燃料デブリの化学状態を明らかにする
ー顕微ラマン分光法の適用可能性ー
4-4 最新の計算科学を用いて原爆被爆者の線量を再評価
ー日米共同研究の成果によりさらに精度の高い疫学調査が可能にー
4-5 放射性物質の様々な条件の大気拡散計算を高速化
ー大気拡散データベースシステムWSPEEDI-DBを開発ー
4-6 高強度アルミニウム合金の自発的破壊現象の解明
ー水素でアルミニウムがもろくなる原因の解明と、計算科学による高強度合金設計ー
4-7 陽子ビーム照射で材料はどの程度損傷するのか?
ー高エネルギー陽子ビームを用いる加速器駆動システムの安全に貢献ー
5
中性子及び放射光利用研究等
5-1 大強度陽子ビームの安定運転に向けて
ー入射用薄膜の状態監視装置の開発ー
5-2 鋳鉄が強化されるメカニズムを大強度パルス中性子ビームにより解明
ーその場中性子回折実験により鋳鉄の組織挙動を原子配列の観測で調べるー
5-3 幅広いエネルギー領域で高スピン偏極したパルス中性子ビームを実現する
ー偏極ヘリウム3を用いた高性能中性子スピンフィルターの開発と応用ー
5-4 高温で実現する伝導電子スピンの奇妙な「短距離秩序」
ー世界で初めて合成した新物質Mn
3
RhSiで見つかった謎の金属状態ー
5-5 廃棄豚骨を利用した金属吸着剤の開発
ー食品廃材を利用した安価で高性能な金属吸着技術を実現ー
5-6 速い分子は炭素原子の網を通り抜ける
ー酸素分子がグラフェンをすり抜ける現象を発見ー
5-7 強磁性半導体における磁化過程を原子レベルで解明
ー実用スピントロ二クス材料開発への一歩、半導体が磁石になるメカニズムに迫るー
6
高温ガス炉水素・熱利用研究
6-1 高温ガス炉事故時の詳細な熱流動挙動を予測する
ー高温ガス炉の事故時空気侵入挙動評価手法の開発ー
6-2 被覆燃料粒子の健全性を維持するための核設計上の方針を提示
ー燃料核移動速度を低減する理想出力分布条件の導出ー
6-3 プルトニウムを安全に減らす高温ガス炉の実現に向けて
ー模擬燃料核の微細構造の知見の取得ー
6-4 IS法で用いる金属部材の耐食性向上を目指して
ー硫酸分解ガス環境でセラミックスと同等の耐食性を有する鋼材を発見ー
6-5 IS法の水素製造効率向上に向けて
ーシリカ膜反応器を用いてヨウ化水素分解率を改善ー
6-6 IS法の主反応の省エネルギー化に成功
ーブンゼン反応過電圧を低減する膜・電極を開発ー
6-7 臨界制御棒位置計算作業の時間短縮化に向けて
ー臨界制御棒位置を自動で探索するユーティリティツールの開発ー
7
高速炉研究開発
7-1 中性子で分離塔内部の吸着元素を見てみよう
ー共鳴中性子イメージングによる分離塔内部元素の非破壊可視化ー
7-2 大型高速炉の出力分布の計算精度を改善
ー制御棒計算手法の高度化研究ー
7-3 高速炉の炉心崩壊事故時の溶融物質の挙動評価を目指して
ー制御棒溶解材の基礎物性データベース整備ー
7-4 耐照射性に優れる炉心材料の最適な合金を目指して
ー材料劣化因子である照射点欠陥挙動の定量評価技術の開発ー
7-5 3価マイナーアクチノイドを回収するための抽出クロマトグラフィ分離法の改良と実証
ー効率の高いMA(Ⅲ)/Ln(Ⅲ)分離プロセスー
8
バックエンド対策及び再処理技術に係る研究開発
8-1 研究施設等廃棄物の埋設事業を円滑に進めるために
ー重要核種選定に必要な「基準線量相当濃度」の整備ー
8-2 固体吸着材による廃抽出溶媒からの核燃料物質の回収
ー模擬廃抽出溶媒におけるイミノ二酢酸基の錯形成反応の調査ー
8-3 難処理廃棄物を安定な廃棄体にする
ーバイヤー法を用いた放射性アルミニウム廃棄物処理技術の検討ー
8-4 プルトニウム取扱施設の安全性向上に向けて
ーグローブボックス窓板用火災対策シートの開発ー
8-5 坑道掘削で生じた割れ目を直接見る
ー樹脂注入による掘削損傷領域の割れ目の可視化技術ー
8-6 坑道掘削に伴う不飽和領域形成の影響因子
ー溶存ガス量と岩盤の透水性に着目した解析的検討ー
8-7 ミクロからマクロへ:鉱物の年代測定から山地の形成過程に迫る
ー低温領域の熱年代学的手法から見えた奥羽脊梁山地の隆起形態ー
8-8 地質試料の放射性炭素年代測定に必要な試料量を低減
ー従来法の20分の1となる微少量試料の前処理手法の構築ー
8-9 地形や処分場深度の変化を考慮した安全性の評価
ー地層処分の安全評価のための地形・処分場深度変遷解析ツールの開発ー
8-10 電気化学的手法でオーバーパックの腐食挙動を評価する
ー塩水環境における緩衝材共存下での炭素鋼の不働態化条件の探索ー
9
システム計算科学研究
9-1 環境評価基準を満たす汚染物質拡散シミュレーション
ーメートルスケールのリアルタイム風況解析のアンサンブル計算を実現ー
9-2 富岳とSummitを用いたエクサスケール流体解析
ーメニーコアCPUとGPUで共通に利用可能な混合精度行列解法の開発ー
9-3 従来の量子力学概念を越えた先に見えた特異な現象「フェルミアーク」を理論的に予言
ー重元素化合物内での強く影響しあう多数の電子の挙動を解明する新手法の開発ー
9-4 アルミニウム合金の水素脆化防止
ー合金内部の金属間化合物の中から水素をよく吸うものを計算で特定ー
10
核不拡散・核セキュリティ科学技術開発
10-1 核兵器と核テロの無い世界の実現に向けて
ー非核化の事例調査と要因分析ー
奥付
原子力機構の研究開発成果2020-21
はじめに
目次
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発
1-1 水中における燃料デブリからのウランの溶出を評価
−コンクリート成分の影響を考慮した溶出速度評価と、使用済燃料との比較−
1-2 臨界評価に必要な燃料デブリ中の成分分布を調べる
−溶融模擬燃料デブリを用いた凝固時の Gdと Feの偏析−
1-3 マイクロ波によりプラズマ発光強度を 50倍に増倍
−レーザー誘起ブレークダウン分光分析技術を用いた燃料デブリの遠隔分析技術の高度化−
1-4 ロボット試験用水槽の昇温挙動を明らかにする
−利用者ニーズに応じた施設利用のための実験と解析−
1-5 調査画像から炉内構造物の立体モデルの構築を目指す
−廃止措置の遠隔操作支援に向けた映像解析技術の開発−
1-6 重大事故時に構造材に吸着したセシウム特性を探る
−理論計算によるセシウム化合物の熱力学特性の予測と検証−
1-7 ジオポリマーのガンマ線照射による水素放出
−水で飽和した大型試料における水素放出抑制−
1-8 福島第一原子力発電所 1〜3号機における事故進展を探る
−国際ベンチマーク解析から得られた知見−
1-9 渓流魚中のセシウム濃度変化の原因を探る
−森林から渓流魚に至る異なる三つの経路−
1-10 動植物に含まれるトリチウムの分析を早く簡単に
−海産物中の有機結合型トリチウム(OBT)迅速分析手法の開発−
1-11 除染した後の線量率はどう変化するか
−長期モニタリングデータから明らかとなった土地利用形態の影響−
1-12 河川中での放射性セシウムの挙動解明のために
−顕微鏡で見えた川底の鉱物種と放射性セシウムの関係−
1-13 分子シミュレーションでキノコの放射能濃縮の謎を探る
−キノコ色素ノルバジオン Aのセシウム結合選択性の評価−
1-14 福島第一原子力発電所から沿岸へ流出した放射性セシウム量を推定
−1F事故から 9年間で流出量はおおよそ 10万分の1に減少−
1-15 放射性物質の大気放出と拡散状況を計算で再現する
−拡散計算の最適化手法の高度化により事故初期の正確な被ばく評価に貢献−
1-16 福島第一原子力発電所事故直後の線量率を再評価
−ヨーロッパと福島県における空間線量率の減少傾向と放射性核種動態の比較−
1-17 放射線量とセシウム濃度の減り方の違いから見えること
−1F事故後 5年間の空間線量率及び土壌沈着量の経時変化−
1-18 日常生活における住民の外部被ばく線量を予測する
−現地での線量調査に基づく被ばく線量評価モデルの開発−
2
安全研究・防災支援
2-1 非常に薄い液膜の厚さを測定する
−液膜ドライアウト挙動を評価するための技術開発−
2-2 反応度事故時の安全評価の信頼性向上を目指して
−二軸応力下における燃料被覆管の機械特性評価−
2-3 亀裂先端における応力が酸化に及ぼす影響を調べる
−ステンレス鋼の環境助長割れメカニズムの解明に向けて−
2-4 巨大地震後の余震に備える
−大規模余震を考慮したリスク評価手法の提案−
2-5 有機溶媒火災時の HEPAフィルタの目詰まりメカニズムを解明
−再処理施設の重大事故評価手法を整備−
2-6 空から放射線量の分布を迅速・広範囲に測る
−緊急時における航空機モニタリング活用のための情報整備・技術開発−
3
先端原子力科学研究
3-1 核分裂片の巨大双極子振動を観測
−核分裂過程の解明に期待−
3-2 錯体の凝集現象を防ぐことで抽出効率を劇的に向上
−フッ素原子の強力な疎水性を利用した溶媒抽出法の開発−
3-3 ウランがもたらす超伝導の新しい物理
−スピン三重項超伝導のメカニズムの探求−
3-4 高速回転を用いて磁石の隠された特異点を発掘
−磁気デバイス高速化の鍵“角運動量補償”の測定装置を開発−
3-5 電子を注入した酸化物材料に現れる「動きにくい電子」の正体とは?
−素粒子ミュオンで解き明かす酸化物材料 SrTiO
3
中の余剰電子の性質−
3-6 反応で明らかにする原子核の特異な形状
−クラスター構造の発現と成立度−
4
原子力基礎工学研究
4-1 核反応データベースの開発を通じた国際貢献
−光核反応の利用を支える信頼性の高いデータベースの完成−
4-2 LLFPの低減化システム評価のための核データ開発
−最新の原子核理論で長寿命核分裂生成物(LLFP)の核反応断面積を予測する−
4-3 気液界面における低合金鋼の腐食加速現象
−鉄錆層の構造解析から腐食加速機構を解明する−
4-4 歯を用いた低線量外部被ばく推定法の開発
−遠心分離法による妨害因子の除去−
4-5 異分野連携で太陽放射線の動きをリアルタイムに追跡
−太陽放射線被ばく警報システム(WASAVIES)の開発に成功−
4-6 焼却可能な試薬を使った MA抽出分離プロセスの構築
−αγセルでのマイナーアクチノイド(MA)と希土類元素の一括回収試験−
4-7 加速器駆動システムの核設計精度を検証する
−プルトニウム燃料を用いた臨界実験−
4-8 加速器駆動システム用ビーム窓の開発
−国際プロジェクトによるビーム窓材の照射後試験−
5
中性子及び放射光利用研究等
5-1 大強度陽子加速器のさらなる高度化に向けて
−新しいビーム設計手法による高周波四重極リニアックの開発−
5-2 地下深くの圧力が変える鉱物中の水素結合
−中性子回折実験により高圧下での水素結合対称化を初めて直接観測−
5-3 内壁の改良と速い流れで水銀標的容器損傷を抑制
−二重壁構造の採用で高出力核破砕標的を実現−
5-4 ものづくり現場で中性子線を使った材料分析が可能に
−小型加速器中性子源を利用して鉄鋼材料の集合組織測定に成功−
5-5 蛋白質の機能発現に必要な構造揺らぎの解明
−中性子で蛋白質の構造と動態を見る−
5-6 イオン液体/電極界面の構造解析
−量子ビームを利用して界面の構造を精密に解析する−
5-7 省電力次世代記憶素子材料の開発に向けて
−アルミ酸化膜を用いた新しい不揮発メモリの電子状態の観測に成功−
5-8 新奇な超伝導状態を示すウラン化合物の電子を捉えた
−UTe
2
の電子状態を世界に先駆けて観測−
6
高温ガス炉水素・熱利用研究
6-1 代表不純物を利用した全炉心燃焼特性評価法の開発
−安価な黒鉛材料利用により高温ガス炉の燃料コスト削減に貢献−
6-2 高温ガス炉燃料の燃焼度を 3倍高めることに成功
−国際協力を活用した高燃焼度高温ガス炉燃料の開発−
6-3 再生可能エネルギーとの共存に向けて
−再エネ発電量変動を補完できる高温ガス炉概念の提案−
6-4 IS法水素製造の硫酸環境耐食機器の実用化に向けて
−セラミックス機器の強度評価法を開発−
6-5 IS法で用いる耐食部材の金属材料化を目指して
−二酸化硫黄(SO
2
)漏れの発生しない腐食試験装置の開発−
6-6 IS法による安定した連続水素製造に向けて
−高濃度ヨウ素を含むヨウ化水素酸溶液移送ポンプ軸封システムを開発−
6-7 排気筒倒壊時の原子炉建家への影響を明らかにする
−三次元実形状モデルの衝突解析により健全性を確認−
7
高速炉研究開発
7-1 炉心上部機構の国内製作技術確立に向けて
−炉心上部機構内の計装配管配置検討及びモックアップによる製作性確認−
7-2 自然対流により炉心の崩壊熱を確実に除去
−浸漬型直接炉内冷却器による炉心冷却試験と冷却性能予測技術の開発−
7-3 高速炉の炉心燃料集合体の解析評価手法の構築
−内部ダクトを有する燃料集合体(FAIDUS)内の熱流動挙動を予測−
7-4 超高温条件に耐える燃料被覆管の開発を目指して
−酸化物分散強化型鋼被覆管の 1000 ℃での強度評価−
7-5 燃焼するナトリウムミストで水素が着火する仕組みを探る
−過酷事故で生じた漏えいナトリウムのミストとともに噴き出た水素の着火過程を可視化−
8
バックエンド対策及び再処理技術に係る研究開発
8-1 原子力施設解体費用見積りコードの一般利用に向けて
−費用見積りコードの利用マニュアル整備−
8-2 合理的な処分に向けた放射性廃棄物確認方法の構築
−照射後試験施設の廃棄物に対する評価方法の検討−
8-3 複雑な低線量放射線の生体影響にせまる
−機械学習を用いた多次元データの特徴抽出−
8-4 安全な放射性廃液の処理技術の確立
−様々な化学種を含む廃液の処理を目指す STRADプロジェクト−
8-5 地上から地下深部の亀裂のつながりを評価
−単孔ボーリング調査手法の構築−
8-6 処分場閉鎖後の坑道周辺の岩盤状態変化を探る
−坑道埋め戻しに伴う岩盤の透水性の経時変化−
8-7 岩石の化学組成から最近の断層運動の痕跡を識別
−断層運動に起因する元素の移動のしくみを解明−
8-8 地下深部を流れる地下水の長期的な変化を可視化
−地形変化や気候変動による地下水流動状態の変動性評価手法の構築−
8-9 緩衝材の力学解析手法構築を目指して
−塩水条件での緩衝材に対する弾塑性構成モデルの適用性の検討−
8-10 地下環境での鉄とケイ素の相互作用メカニズムを解明する
−還元環境下における二価鉄ケイ酸塩共沈生成物の特性の把握−
8-11 マイクロ流路内のプラズマで放射性試料を分析する
−液体電極プラズマ発光分光分析法による高レベル放射性廃液中のセシウムの定量−
9
システム計算科学研究
9-1 デブリ空冷模擬実験のマルチスケール熱流動解析
−格子ボルツマン法向け熱流動解析コードの開発−
9-2 計算科学による超伝導中性子顕微鏡の設計開発
−中性子検出器内の全ての放射線をシミュレーションし動作を予測する−
9-3 鉄の変形を原子の動きから理解する
−原子シミュレーションによるらせん転位の運動と結晶すべり面変化の解析−
9-4 世界最大の GPUスーパーコンピュータを用いた多相流体解析
−GPU向け省通信型行列解法の開発−
10
核不拡散・核セキュリティ科学技術開発
10-1 保障措置のための核燃料物質の非破壊測定
−欧州委員会/共同研究センターの PUNITAを用いた遅発ガンマ線測定技術開発−
奥付
原子力機構の研究開発成果2019-20
はじめに
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発
1-1 事故後の圧力容器・格納容器内の状態を推定する
−総合的な炉内状況把握の高度化−
1-2 溶融燃料(燃料デブリ)の硬さを計算で明らかにする
−第一原理計算による燃料デブリの機械的特性評価−
1-3 事故時の制御棒破損を解明する
−事故時のホウ素のふるまいの解明−
1-4 燃料デブリの臨界性に対する不確かさを評価する
−乱雑な物質分布を考慮した臨界計算手法の開発−
1-5 建屋内に浮遊する核燃料物質を測定する
−GPSシンチレータプレートを用いた高信頼α線用ダストモニタの開発−
1-6 水素再結合触媒の最適形状を明らかにする
−実規模試験により水素濃度低減効果を確認−
1-7 測定が困難な放射性廃棄物の放射能量を推定する
−ゼオライトへのアクチノイドの収着挙動−
1-8 測定が難しい放射性核種のルーチン分析に向けて
−廃棄物を対象とした
93
Zr,
93
Mo,
107
Pd及び
126
Snの分析マニュアルの整備−
1-9 汚染がれきの再生利用の安全性を評価する
−福島第一原子力発電所(1F)敷地内に限定した再生利用−
1-10 廃止措置のためのロボットシミュレータの開発
−ドローン飛行シミュレーションと仮想空間内での目視操縦訓練−
1-11 河川の放射性セシウム濃度、減少続く
−過去3年にわたる連続的な調査結果から−
1-12 森林から渓流・河川へ、放射性セシウムはどう動くのか
−上流域での溶存態セシウム流出の現象理解を目指して−
1-13 試料を採取せずに池底のセシウム分布解明へ
−ため池底質中放射性セシウムの深さ分布の可視化−
1-14 海洋深層への放射性物質の移行を探求する
−鉛直方向の濃度分布から深層への沈み込みを解明−
1-15 空からスピーディに、正確に、放射線を測る
−上空からの放射線測定値換算技術の高度化−
1-16 詳細な放射線量マップを作り、より現実的に被ばくを評価する
−特定復興再生拠点区域の放射線防護対策の検討に向けて−
1-17 福島の居住環境をモデル化し空間線量率の分布を予測する
−三次元空間線量率分布評価システム(3D-ADRES)の開発−
2
安全研究
2-1 ソースターム評価の不確かさ低減に向けて
−プールスクラビングにおけるエアロゾル粒子数濃度に対する除染係数の依存性−
2-2 冷却材喪失事故時の安全評価の信頼性向上を目指して
−燃料被覆管急冷破断限界の不確かさの定量化−
2-3 事故進展の不確かさを考慮したリスク評価の定量化に向けて
−シミュレーションに基づくリスク評価手法の開発−
2-4 原子力災害時の屋内退避による内部被ばく低減効果を評価する
−低減効果に係る因子の実験的調査と屋内外の濃度比に与える影響−
2-5 原子炉圧力容器の破壊靭性を詳細に調べる
−微小試験片を活用したクラッド下溶接熱影響部の破壊靭性評価−
2-6 配管に対する非破壊検査を合理的に行うために
−リスク情報を活用した供用期間中検査における検査対象数の割合の検討−
3
先端原子力科学研究
3-1 フェルミウム原子核で出現する特異な核分裂を理論解明
−超重元素の存在限界の理解へ−
3-2 海水からストロンチウムを取り除くにはどうしたらよい?
−組成調整したバライト(BaSO
4
)生成での共沈反応を利用−
3-3 J-PARCの加速器実験で新種の二重ラムダ核を発見
−17年ぶり2例目、写真乾板中から顕微鏡で探索−
3-4 磁気揺らぎとともに現れるウラン化合物の超伝導
−高圧下磁化測定が明らかにした磁気揺らぎと超伝導の関係−
4
原子力基礎工学研究
4-1 原子核物理で廃棄物の有害度低減研究に貢献
−重陽子による核変換を理論計算で高精度に予測−
4-2 高温高圧環境中ミクロ領域で進む腐食現象の解明
−ステンレス鋼のすきま内溶液導電率のその場測定−
4-3 化学結合が解き明かすAm/Cm選択性の謎
−金属イオンと分離剤との“相互作用の強さ”が鍵か?
4-4 加速器・宇宙・医療現場の粒子線を正確に計測
−シンチレーション検出器の光出力を決める仕組みを解明−
4-5 日本人の体格変動を考慮して被ばく線量を評価する
−成人日本人人体モデルシリーズの完成−
4-6 重大事故時の原子炉内における核分裂生成物の化学挙動を予測
−核分裂生成物の化学挙動データベースECUMEを開発−
4-7 核破砕生成物収量の予測精度向上に向けて
−高エネルギー粒子により原子核が核分裂する確率モデルを高度化−
5
中性子及び放射光利用研究等
5-1 大強度高品質ビームを長時間安定に生成する
−高周波駆動型負水素イオン源の開発−
5-2 中性子を用いて超伝導体の電子相関を探る
−中性子散乱と放射光分光を併用した先端的解析−
5-3 高感度・高精度な二次元中性子計測を目指して
−バンプカソード型中性子検出素子を開発−
5-4 液体水素減速材からの中性子輝度分布を測る
−大強度核破砕中性子源における液体水素減速材の中性子輝度分布の測定と検証−
5-5 中性子で捉えた
f
電子スピンの特異な渦
−
f
電子化合物で初めての磁気スキルミオン格子形成を発見−
5-6 より高性能な鉄鋼材料の開発を目指して
−電子線及び中性子線によりミクロ組織の形成メカニズムを解明−
5-7 1ミリ秒の時間分解能で金属溶融凝固現象観察に成功
−放射光時分割イメージング法によりレーザ溶接技術の高度化に貢献−
5-8 レアアースのわずかなサイズ差を識別する新規化合物
−ランタノイドの高効率なリサイクル法の開発に向けて−
6
高温ガス炉水素・熱利用研究
6-1 高温ガス炉を中心とした新たな核燃料サイクルの提案
−放射性廃棄物の潜在的有害度の低減期間を短縮−
6-2 高性能化した高温ガス炉の導入を目指して
−HTTRの知見を活用した蒸気供給用高温ガス実験炉の概念設計−
6-3 高温ガス炉の燃料の酸化事故時の安全性を一層高める
−炉心に空気が侵入する事故に備える耐酸化燃料の製造技術開発−
6-4 需要に応じた高温ガス炉の負荷追従運転に向けて
−HTTRの熱負荷変動吸収特性の確証−
6-5 新規技術を導入して水素製造を高効率化
−熱化学水素製造IS法の高効率化に向けたプロセスフロー開発−
6-6 熱化学水素製造IS法における耐食機器の信頼性向上
−ガラスライニング材の品質管理手法を改善−
6-7 IS法水素製造の反応の効率化に向けて
−架橋により水透過を抑制したイオン交換膜を開発−
7
高速炉研究開発
7-1 強地震時の炉心燃料集合体の挙動を把握するために
−三次元の新しい炉心耐震解析コード開発−
7-2 溶融炉心の落下挙動を明らかにする
−低水深プール中への溶融炉心落下模擬実験−
7-3 MAサンプル照射試験データの不確かさ解析
−貴重なデータをより有効活用するために−
7-4 高速炉制御棒の長寿命化を目指して
−ナトリウムボンド型制御棒の照射挙動−
7-5 マイクロ波加熱脱硝技術の高度化を目指して
−粉末品質向上のための粒子制御技術の開発−
8
バックエンド対策及び再処理技術に係る研究開発
8-1 放射性廃棄物に含まれるウランの分析を簡単に
−新規蛍光性試薬によるキャピラリー電気泳動法を用いた分析法の開発−
8-2 ウラン廃棄物の発生量低減を目指して
−酸性機能水を用いたウランが付着した金属の除染技術の開発−
8-3 放射性廃棄物の処分施設の安定性を確保するために
−廃棄物容器内の空隙低減のための砂充てんによる受入基準の検討−
8-4 浸透流解析におけるマッチング方法の改善
−多層覆土内の浸透流解析の改善に向けた逆解析手法の適用−
8-5 地下水中の酸化還元電位の不確かさ評価
−幌延地域での水質観測データに基づく適用事例−
8-6 坑道掘削後の岩盤の透水性を事前に予測する
−Mean Stress Indexの適用による予測手法の提案−
8-7 微小な領域を分析する手法で炭酸塩鉱物の年代を測定
−地下水環境の変遷の推定に有効な年代測定手法−
8-8 大量の鉱物粒子を迅速に分析・鑑定する
−山地の形成過程を解明するための新たな要素技術−
8-9 地層処分場設計に関わる情報の一元管理を目指して
−地層処分のための設計支援システムの開発−
8-10 岩石亀裂中の核種移行メカニズムの解明を目指して
−亀裂性結晶質岩中の核種移行遅延に及ぼす微細表面変質層の影響−
8-11 低放射性廃液の安定化に向けた技術開発
−炭酸塩を含む低放射性廃液のセメント固化−
8-12 新材料の燃料再処理への適用を評価する実験
−過酷事故への進展を防ぐ新材料に対する硝酸腐食評価−
8-13 抽出装置内の流れや混合状態を予測する
−遠心抽出器内における流動・分散・物質移動シミュレーション−
9
システム計算科学研究
9-1 汚染物質拡散解析の高速化
−GPUスーパーコンピュータに適した通信削減型時間発展法の開発−
9-2 1000億格子の多相流体解析に向けた行列計算技術
−省通信マルチグリッド法の開発−
9-3 レーザー加工における適切な照射条件を予測する
−レーザー溶融・凝固プロセス計算科学シミュレーションコードSPLICEを用いたレーザー照射加工条件の導出−
9-4 水素が金属材料に与える影響を計算機により評価
−アルミニウム結晶粒界の水素による自発的分離−
9-5 AI技術を活用し量子シミュレーションを高速化
−スパースモデリングによる強相関量子系計算データの解析−
10
核不拡散・核セキュリティ科学技術開発
10-1 ガンマ線による核物質試料の非破壊分析
−ガンマ線弾性散乱シミュレーションコードの開発−
分野別索引
奥付
原子力機構の研究開発成果2018-19
はじめに
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発
1-1 デブリはどのように形成されているのか?
−大規模数値解析による詳細なデブリ分布推定と再臨界性の評価−
1-2 事故初期に放出した2種類の不溶性セシウム粒子
−主成分がケイ酸である粒子形成過程の解明−
1-3 ステンレス鋼とセシウムの化学反応を解明する
−東京電力福島第一原子力発電所炉心内セシウム分布評価に向けて−
1-4 被覆材が混ざった核燃料は水に溶けにくくなる
−ジルコニウムによるウラン酸化物の溶出抑制を観測−
1-5 汚染水処理により発生する廃棄物を調査する
−炭酸塩スラリーの詳細な分析−
1-6 汚染水処理後の二次廃棄物等を安全に長期保管する
−事故対策・廃止措置を随所に支える放射線分解研究の進展−
1-7 東京電力福島第一原子力発電所建屋内部の汚染状況を把握する
−放射性物質の三次元可視化技術の開発−
1-8 レーザーによる遠隔サンプリングを目指して
−レーザーを用いたコンクリートのサンプリング技術開発−
1-9 廃止措置のためのロボットシミュレータの開発
−シミュレーションによる遠隔操作習熟、ロボット性能評価−
1-10 上空からの土壌中の放射性物質の深さを検知
−γ線スペクトルを利用した深度分布推定技術の開発−
1-11 起伏地形の放射線量分布をより高精度に捉える
−起伏地形における高精度な航空機モニタリングの実現−
1-12 放射性セシウムは町のどこにどれだけ存在するか?
−市街地における放射性セシウムの分布評価−
1-13 河川上流域の放射性セシウム動態を予測する
−事故後約5年間での土砂、放射性セシウムの移動解析−
1-14 海底における放射性セシウムの分布の探求
−海底地形に規制される海底土の種類と放射能との関係−
1-15 海洋に放出された放射性物質の拡散を予測する
−沿岸域から外洋スケールの拡散シミュレーション−
1-16 効果的な森林除染の条件とは
−除染による空間線量率の低減効果をシミュレーション−
1-17 粘土へのセシウム吸着をナノスケールで直視
−高輝度放射光を用いた光電子顕微鏡で化学状態の可視化を実現−
1-18 放射性セシウムが土壌に吸着される様子を計算で解明
−粘土とセシウムの原子シミュレーション−
1-19 福島の環境回復に係る研究成果をより身近なものへ
−包括的評価システムの開発と根拠となる科学的知見の明示−
2
安全研究
2-1 過熱炉心の冷却性能を予測する
−沸騰遷移後の炉心熱伝達挙動のモデル化に向けた実験−
2-2 冷却材喪失事故時の燃料の健全性を評価する
−水蒸気雰囲気中の空気が燃料被覆管の高温酸化に及ぼす影響−
2-3 シビアアクシデント時の放射性物質放出量の高精度評価を目指して
−原子炉制御材の酸化を考慮した事故解析−
2-4 原子力災害時の自動車内外で被ばくの違いを評価する
−放射線挙動解析のための自家用車モデルの開発とその適用−
2-5 再処理施設重大事故時の閉じ込め性能を評価する
−揮発しやすい放射性ルテニウムの移行・沈着挙動解明に向けた実験−
2-6 環境試料中のウラン微粒子から核物質の履歴を推定
−保障措置のための単一ウラン微粒子の化学形・同位体比データの取得−
3
先端原子力科学研究
3-1 核分裂における原子核の様々なちぎれ方を捉える
−放射性物質の毒性低減技術に貢献−
3-2 タンパク質で金属から身を守る?
−ゾウリムシ細胞表面の水溶性糖タンパク質と重金属の結合−
3-3 ハイパー核をγ線で見る
−中性子星に潜む「奇妙さ」を暴けるか−
3-4 ウラン化合物で現れる磁場に強い超伝導の仕組みを解明
−極低温における高精度核磁気共鳴測定が明らかにした新しい電子状態−
3-5 アンチな磁石に機密保持
−微小な反強磁性体を揃える新手法を提案−
3-6 スピン流発電の高効率化へ
−マグノン状態密度を中性子散乱で決定−
4
原子力基礎工学研究
4-1 マイナーアクチノイドの核データ精度向上を目指して
−中性子共鳴構造を使った熱中性子捕獲断面積実験データの評価−
4-2 放射線環境中のセラミックスがもつ自己修復能力
−セラミックスの表面を観察する新しい手法による成果−
4-3 計算科学を用いて割れにくい合金を設計する
−電子状態計算によるマグネシウム合金開発−
4-4 溶媒抽出メカニズムの解明に向けて
−界面に存在する金属イオンをレーザーを使って観測−
4-5 放射線による遺伝情報変質プロセスを解明!
−1 eV以下の極低エネルギー電子の役割を解明−
4-6 BNCTによるがん細胞殺傷効果の理論的な予測に成功
−新しい薬剤の開発や治療計画の最適化に役立つ数理モデルを開発−
4-7 過酷事故時における放射性核種の動きを見定める
−原子炉内における放射性核種の放出・移行挙動を評価−
4-8 ADSの核特性予測の信頼性向上に向けて
−米国臨界集合体を用いた鉛冷却材の核データ検証実験−
4-9 レーザーで微弱陽子ビームを取り出す新技術
−核変換実験施設に必要な要素技術を確立−
4-10 原子力発電所の安全対策の高度化を目指して
−過酷事故時でも使用可能な計測ケーブル被覆材の検討−
5
中性子利用研究等
5-1 広帯域高周波加速空胴による世界初の大強度陽子ビーム加速の達成
−高調波成分によるビーム不安定性の解明−
5-2 高精度パルス中性子解析による高強度鉄鋼材料の強さの解明
−ラスマルテンサイト鋼の変形中の転位評価解析−
5-3 幅の狭い良質なパルス中性子ビームの供給を目指して
−中性子パルス整形のための低放射化型熱中性子吸収材の開発−
5-4 高性能な鋼の開発に向けた新たな分析手法を実現
−ものづくり現場における利便性に優れた小型加速器中性子源の活用−
5-5 透過中性子によるスピン配列の観測に成功
−極限環境におけるスピン配列の観測やマッピングへの応用が可能に−
5-6 ガラス固化体中の白金族元素の化学状態を突き止める
−放射光イメージングXAFS異種元素相関解析を利用した最先端分析−
5-7 燃料電池触媒の反応中における酸化状態変化を観測
−放射光X線吸収実験で明らかにした金属微粒子の表面構造−
6
高温ガス炉水素・熱利用研究
6-1 高温ガス炉の安全性を追求する
−極大地震時における高温ガス炉の事故シナリオ影響評価−
6-2 高温ガス炉による環境負荷低減に向けて
−高温ガス炉の特長を活かした放射性廃棄物減容の研究−
6-3 プルトニウム燃焼高温ガス炉の安全性向上に向けて
−酸素ゲッターの機能を持つZrC層の被覆試験−
6-4 受動的放射冷却を用いた高温ガス炉の冷却設備を開発
−事故時崩壊熱除去方法の概念成立に向けて−
6-5 高温ガス炉の中性子源交換作業の改良
−交換プロセスにマッチさせた中性子源用輸送容器の小型化−
6-6 IS法の水素製造効率の向上に向けて
−水素分離膜を用いた反応器でヨウ化水素分解を促進−
6-7 IS法による水素製造における金属材料の適用性評価
−実環境(ヨウ化水素ガス分解環境)におけるニッケル基合金の耐食性−
7
高速炉研究開発
7-1 次世代ナトリウム冷却高速炉の安全設計ガイドライン
−世界の最新高速炉開発プロジェクトへの展開を目指して−
7-2 MOX燃料の機械的性質を評価する
−超音波法により測定したMOX燃料中の音速データに基づくヤング率の評価−
7-3 高速炉燃料ピン中のセシウムのふるまいを評価する
−高速炉MOX燃料ピン照射挙動解析手法の開発−
7-4 安全のため高速炉燃料の運転中のふるまいを把握
−燃料中の酸素割合による燃料形状・最高温度への影響−
7-5 高速炉の性能維持のためにどんな検査が必要か
−高速炉に適した供用期間中検査の設定手法の開発と規格化−
7-6 ナトリウム冷却高速炉の伝熱管検査技術の高度化を目指して
−微小欠陥検出のためのハイブリッド型渦電流探傷センサの開発−
7-7 高速炉過酷事故時の化学反応挙動を評価する
−コンクリートとナトリウムの化学反応ダイナミクス−
8
バックエンド対策及び再処理技術に係る研究開発
8-1 複数施設からの廃棄物の放射能をまとめて評価する
−異なる研究炉の廃棄物に共通的な放射能評価手法の検討−
8-2 地下水に含まれる希土類元素の極微量分析
−地下の酸化還元環境推定を目的としたオンサイト固相抽出法の構築−
8-3 坑道を閉鎖するとどんな地下水環境ができるのか?
−坑道閉鎖後の地下水環境の変化を世界で初めて観測−
8-4 断層の連続性を推定する手法を構築
−岩石の力学的性質に着目した新指標DIを提案−
8-5 地下の生物膜は高濃度に金属元素を濃集する
−微生物-岩石-地下水相互作用による金属元素の収着プロセスを把握−
8-6 割れ目を持つ泥岩中の物質移行経路を探る
−溶存ガスに飽和した地下水中でのトレーサー試験手法の確立−
8-7 岩石の鉱物量比を効率的に測定する
−元素分析と画像処理を用いたモード測定手法の開発−
8-8 土砂の動きに伴う放射性物質の動きを評価する
−公開データを用いた土砂の動きの簡便な評価手法の活用−
8-9 放射性物質のガラス固化技術
−適切なガラス媒体の探求−
9
システム計算科学研究
9-1 AI技術で固体物理学の難問に挑戦
−機械学習が量子シミュレーションを劇的に高速化−
9-2 原子の拡散挙動解析から鉄鋼材料の脆化を明らかにする
−第一原理計算に基づくキネティックモンテカルロによる拡散係数の評価−
9-3 原子力材料の放射線ダメージの新しい世界規格を提案
−シミュレーションに基づいた材料損傷評価式の構築−
9-4 大規模シミュレーションを実行しながら可視化する技術を開発
−粒子ベースボリュームレンダリングによるIn−Situ可視化−
10
核不拡散・核セキュリティ科学技術開発
10-1 新たな年代測定法の開発
−試料中の放射平衡を利用して分析時間を短縮−
奥付
原子力機構の研究開発成果2017-18
はじめに
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発
1-1 事故時の燃料集合体の溶融移行挙動を評価する
−模擬燃料集合体のプラズマ加熱試験−
1-2 重大事故時の原子炉圧力容器からの溶融物漏えい箇所を予測する
−熱流動・構造連成解析に基づくクリープ損傷評価手法の開発−
1-3 重大事故時に放出される放射性物質の性質を予測する
−原子炉内でのセシウムの化学挙動を再現・分析する技術の開発−
1-4 燃料デブリの性状を熱力学的に予測する
−溶融燃料とコンクリートの高温反応生成物の熱力学評価−
1-5 水で冷やさなくてもデブリの取出しはできるのか?
−燃料デブリ空冷評価シミュレーション手法の開発−
1-6 核燃料再処理機器材料に対する海水成分・コンクリート成分の影響を調査する
−高レベル廃液貯槽環境における硫酸イオンの材料腐食への影響評価−
1-7 汚染水処理により取り除かれた放射能量の推定
−汚染水中の放射性物質濃度を計算−
1-8 可搬型小型α線位置検出器の開発
−固体廃棄物や設備の狭隘部のプルトニウム汚染の直接測定が可能に−
1-9 原子炉建屋内の汚染状況を調査する
−廃棄物の処理処分を加速するための詳細な放射化学分析−
1-10 汚染水やがれき中の
93
Zr、
94
Nbや
93
Moの分析法の開発
−測定が難しい核種の放射化学分離−
1-11 廃止措置のためのロボット等の試験法の開発
−ロボット性能試験、オペレーター操作訓練のための環境構築−
1-12 ファイバー型放射線検出器による汚染水の監視
−東京電力福島第一原子力発電所構内における実証試験−
1-13 生活パターンを考慮した住民の被ばく線量推定
−0.23 μSv/hを基準にした自宅周辺の除染は効果的か−
1-14 放射性セシウムは森林表層にどのくらい留まるのか?
−落葉層から土壌への放射性セシウムの移行を植生の違う森林で評価−
1-15 放射性セシウムの土壌深度方向への移動メカニズム
−収脱着速度が深度分布に与える影響に対する解析的検討−
1-16 河川敷における放射性セシウムの再堆積メカニズム
−気象、地形及び植生に依存した放射性セシウム分布の不均質性−
1-17 台風や豪雨時の放射性セシウム流出量を予測する
−複数の流域を対象とした放射性セシウム流出量解析−
1-18 身近な“塩”を使って土を生まれ変わらせる
−高輝度放射光が解き明かす土壌からのセシウム除去メカニズム−
1-19 粘土鉱物粒子の原子構造を計算科学の力で見る
−粘土鉱物の高いセシウム吸着能の解明に向けて−
1-20 原木栽培しいたけへのセシウム蓄積を防ぐ
−鉱物を使って放射性セシウムの吸収を低減−
2
安全研究
2-1 原子力発電所事故時の水素ガス挙動を評価する
−浮力流れの数値流体力学解析に対するメッシュ形状の影響−
2-2 原子炉格納容器内における溶融炉心デブリ生成を評価する
−シビアアクシデント時の溶融炉心冷却性評価に向けて−
2-3 軽水炉炉内構造物の亀裂進展評価の精緻化に向けて
−高照射ステンレス鋼における局所変形組織とひずみの分析−
2-4 地層処分場の緩衝材が劣化する速さを理解する
−アルカリ性環境における圧縮モンモリロナイトの変質速度−
2-5 地震活動が地層処分に及ぼす影響を評価
−派生断層の成長が地層処分システム周辺の地下水流動に与える影響評価−
2-6 単一U/Pu混合微粒子中プルトニウム同位体比データの取得
−核不拡散のためのα線計測と質量分析による新たなアプローチ−
3
先端原子力科学研究
3-1 重イオン反応による新たな核分裂データの取得
−中性子数の過剰な原子核の核分裂研究へ道を拓く−
3-2 “奇妙な粒子”による原子核の新しい存在形態
−反
K
中間子と二つの核子が強い相互作用で結びつく−
3-3 非磁性イオンの磁気秩序
−非クラマースイオンの高次磁気秩序の理論予測−
3-4 超高速回転で普通の金属を磁石に
−アインシュタインも魅了した磁石と回転の関係を探る−
3-5 新材料ゲルマネンの非対称な原子配置を明らかに
−ゲルマネンの特性に新しい可能性−
4
原子力基礎工学研究
4-1 炉心の過熱や溶融を遅らせて過酷事故への進展を防ぐ
−事故耐性燃料ふるまい解析コードFEMAXI-ATFの整備−
4-2 高レベル廃棄物中の核種の効率的な分別
−アメリシウムとキュリウムを効率良く分離−
4-3 核変換用炉心設計に必要な核データの信頼性評価
−FCAを用いた臨界実験によるTRU核種断面積データの検証−
4-4 過酷環境下での液体重金属流れのリアルタイム計測
−鉛ビスマスターゲット用流量計測技術の開発−
4-5 核データと中性子及び放射線輸送計算との橋渡し
−国産核データ処理システムFRENDYの開発−
4-6 放射線により発生した水素による溶液中の材料劣化の可能性を調べる
−γ線照射環境下でのジルコニウムの水素吸収挙動−
4-7 合金化による機械特性の変化を予測する
−計算科学を用いた強化・軟化機構の理解−
4-8 測定が難しい放射性核種パラジウム-107を定量
−レーザーを使って使用済燃料から高純度のパラジウムを回収し測定−
4-9 海洋に放出された放射性物質の拡散を予測する
−原子力事故による海洋汚染を迅速に予測するシステムを開発−
4-10 中性子線量評価の信頼性を高める校正場の開発
−実際の作業現場の中性子エネルギー分布を考慮した減速中性子校正場−
5
中性子利用研究等
5-1 中性子吸収が大きい物質の磁気構造解析をパルス中性子で実現
−単結晶パルス中性子回折を用いたEuGa
4
の磁気構造解析−
5-2 磁気多層膜特有の磁性メカニズム解明への挑戦
−斜入射偏極中性子散乱法の多層膜面内磁気構造解析への応用−
5-3 大強度陽子ビームの安定化手法の確立
−J-PARC 3 GeVシンクロトロンのビーム不安定化の要因特定と対策−
5-4 中性子回折で材料開発のフロンティアを拓く
−世界最速の中性子回折集合組織測定法を開発−
5-5 薬剤輸送用ナノ粒子材料の微細構造の解明
−小角中性子散乱が解き明かすナノゲル内部の微細構造−
5-6 より強いステンレス鋼の開発を目指して
−高輝度放射光を用い中間相としてε相を室温で世界初観測−
5-7 放射光で明らかになったアクチノイド化合物の電子状態
−超伝導と磁性の共存を示すウラン化合物の電子状態−
6
高温ガス炉水素・熱利用研究
6-1 高温ガス炉コジェネレーションシステムの実証に向けて
−HTTR熱利用システムの機器仕様を決定し、安全性を確認−
6-2 高温ガス炉の熱利用に向けた高温機器の開発
−低コスト・長寿命化が可能な中間熱交換器の提案−
6-3 熱利用系を接続した高温ガス炉の負荷追従運転の実用化に向けて
−異なる冷却材圧力での熱負荷変動吸収性を解明−
6-4 より安全な高温ガス炉に向けて
−耐酸化燃料を装荷した炉心の核熱設計−
6-5 IS法によるCO
2
フリー水素製造方法の研究開発
−実験室段階から工業材料試験装置段階へ進展−
6-6 高温ガス炉の炉内の温度を明らかにする
−炉内温度推定に向けた溶融ワイヤによる制御棒温度測定技術の開発−
7
高速炉研究開発
7-1 高速炉機器の構造健全性評価技術の高度化を目指して
−高速炉配管の破断前漏えい評価法の提案−
7-2 高速炉直管型蒸気発生器の熱流動評価手法の開発
−3次元解析モデルの構築と試験結果との比較−
7-3 ナトリウム冷却高速炉のメンテナンス技術の高度化を目指す
−不透明なナトリウム中の目視検査装置の開発−
7-4 自然循環冷却時における炉心の熱流動評価をより正確に
−実データに基づく炉心部の解析モデルの妥当性確認−
7-5 核燃料物質の分離回収プロセスの高度化を目指して
−遠心抽出器内のスラッジ洗浄技術の確立−
8
バックエンド対策及び再処理技術に係る研究開発
8-1 放射性廃棄物の放射能定量手法の開発
−散乱γ線に着目した定量手法の精度向上−
8-2 埋設処分する廃棄体の放射能を確認する
−照射後試験施設から発生する廃棄物の放射能評価手法の検討−
8-3 地下環境が有する自己修復機能を把握
−断層周辺の地下水の移動経路としての長期変化の検討−
8-4 花崗岩中の物質移動を遅らせる微小空隙
−岩盤マトリクス拡散経路の可視化と微小空隙の直接観察−
8-5 地層処分技術を実際の地下環境で実証するために
−人工バリア性能確認試験に向けた技術開発−
8-6 堆積岩に分布する断層を把握する
−新第三紀塊状珪質泥岩に分布する2種類の断層の関係−
8-7 大量の鉱物粒子の年代をはかる
−CHIME年代測定の迅速化に向けた技術開発−
8-8 岩石中の核種移行メカニズムの解明を目指して
−泥岩における粘土を主体とした拡散・収着モデルの開発−
8-9 TRU廃棄物処分施設の長期力学挙動を評価する
−人工バリア材料の化学的変遷を考慮した力学解析手法の開発−
8-10 硝酸プルトニウム溶液測定の精度向上と迅速さの両立
−中性子を用いた非破壊測定の改善−
8-11 高速炉燃料の再処理で発生する残渣の性状を理解する
−照射済高速炉燃料の溶解に伴う不溶解残渣の性状評価−
9
システム計算科学研究
9-1 原子炉内の流れの解析を高速化する
−省通信型超並列行列ソルバの開発−
9-2 アクセラレータを活用した省電力計算技術開発
−原子力流体計算カーネルのアクセラレータ最適化−
9-3 核燃料物質の高温での特性を理解する
−二酸化トリウムの第一原理分子動力学シミュレーション−
9-4 照射に強い合金の謎を解明
−第一原理計算に基づく格子間原子の移動シミュレーション−
10
核不拡散・核セキュリティ科学技術開発
10-1 核実験監視能力の向上を目指して
−CTBT放射性核種観測所の観測結果に対する医療用RI製造施設の影響評価−
外部連携の推進 −原子力機構の保有する知的財産−
奥付
原子力機構の研究開発成果2016-17
はじめに
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発
1-1 燃料デブリが溶けていた温度範囲を評価する
−( U, Pu, Zr)O
2
の融点に対する Puや Zrの影響評価−
1-2 レーザーを用いた燃料デブリの分析を目指して
−レーザー誘起ブレークダウン発光分光法によるウランスペクトルの測定−
1-3 原子炉の廃止措置に適用する切断技術開発
−プラズマジェットを用いた炉内構造物及びデブリの切断・破砕−
1-4 原子炉事故時の炉心の溶け方をスーパーコンピュータで明らかにする
−炉内構成材の化学反応の影響を評価するための解析手法の開発−
1-5 原子炉内の放射性セシウムはどうなっているか
−ステンレス鋼へのセシウム付着挙動を評価する−
1-6 廃セシウム吸着材保管容器の健全性を評価する
−放射線照射下での局部腐食の発生可能性を探る−
1-7 燃料デブリからのウランの回収に向けて
−難溶性成分の塩化物への転換技術を開発−
1-8 無人ヘリで上空から放射性セシウムの分布を可視化
−GAGGシンチレータ・コンプトンカメラの現地試験−
1-9 環境中の空間線量率を精度良く測定・評価するために
−モンテカルロシミュレーションによる環境中の線量率評価−
1-10 スパコンで予測するセシウム由来の空間線量率計算
−土壌中のセシウム分布から空間線量率を評価−
1-11 森林の広葉樹における放射性セシウムの移行挙動
−森林内樹木における放射性セシウム動態調査−
1-12 地形による放射性セシウムの沈着量の違いを探る
−森林集水域における空間線量率分布の詳細調査−
1-13 極微量の放射性セシウムの環境挙動を理解する
−実環境を考慮した条件下での粘土鉱物へのセシウム吸脱着挙動−
1-14 粘土鉱物におけるセシウムの吸着状態を解明
−第一原理計算に基づいたシミュレーションによる解析−
1-15 森林からのセシウムの移行を抑制する新技術
−高分子と粘土を用いて、穏やかに里山を再生−
1-16 汚染土壌を公園などに埋設した場合の安全性
−埋設場所からの放射性セシウムの移行に関する原位置試験−
1-17 自動での放射能分析を可能とするために
−環境試料中ストロンチウム−90分析用自動化システムの開発−
2
安全研究
2-1 シビアアクシデント時の格納容器内水素挙動を予測
−ROSA.SA計画における格納容器内熱水力安全研究−
2-2 冷却材喪失事故時の燃料被覆管の変形量を評価する
−被覆管の酸化及び結晶相状態が及ぼす影響−
2-3 原子力発電所事故時における核分裂生成物の化学
−核分裂生成物の化学形態が冷却水pHに与える影響−
2-4 放射線リスクと他の健康リスクを比較する新しい試み
−寿命・健康損失年数(DALY)を用いた放射線リスク評価−
2-5 再処理施設の重大事故評価に必要なデータを取得
−高レベル廃液の蒸発乾固に伴うルテニウム放出挙動の把握−
2-6 燃料デブリの臨界特性の解明を目指して
−定常臨界実験装置 STACY更新炉を用いた臨界実験の検討−
3
先端原子力科学研究
3-1 磁場でよみがえる超伝導
−磁場で制御するウラン化合物の新しい機能性の解明−
3-2 液体金属流から電気エネルギーを取り出す
−電子の自転運動「スピン」を利用した発電原理の発見−
3-3 グラフェンと金属の界面構造を陽電子回折で明らかに
−金属の元素によりグラフェンとの結合に違い−
3-4 “奇妙な粒子”が原子核の荷電対称性を破る
−ヘリウムΛハイパー核準位の精密測定に成功−
3-5 原子核からニュートリノ質量の謎に迫る
−京コンピュータによる二重β崩壊の高精度計算−
4
原子力基礎工学研究
4-1 共鳴領域における核反応断面積の真値を追求する
−核データ測定と理論のシナジー−
4-2 通り抜けた中性子を使って核物質を測る
−中性子共鳴反応を利用して複雑な組成・形状の核燃料を非破壊測定−
4-3 軽水炉内高温高圧水中の腐食環境を測定する
−電気化学測定技術の開発と高温純水中の腐食環境の評価−
4-4 原子炉材料の特性変化を予測する
−ナノサイズ欠陥による材料の硬化メカニズムの理解(分子動力学計算)−
4-5 ウランの原子価に応じた発光を追跡する
−発光寿命が短い化学種の時間分解型レーザー誘起発光分光計測−
4-6 微量イオンを選択捕集する小型分離カートリッジ
−難測定核種分析効率化のための高性能分離材料の開発−
4-7 超ウラン元素の森林から河川への移行挙動を考える
−超ウラン元素と化学的に類似する希土類元素を利用して−
4-8 加速器の構造材等の放射線による照射損傷の高精度な予測に向けて
−照射損傷モデル検証のための極低温照射装置の開発−
4-9 原子炉中の高温高圧の蒸気と水の割合を可視化する
−ワイヤーメッシュセンサーによる燃料集合体内蒸気体積割合計測技術の開発−
4-10 炉心の過熱や溶融を遅らせて過酷事故への進展を防ぐ
−酸化しにくい燃料被覆管材料の開発−
4-11 核変換システムの新たな概念構築に向けて
−未臨界度調整機構を用いた加速器駆動システム用解析ツール整備−
4-12 高レベル廃液から有用レアメタルを回収
−回収が難しいロジウムをイオン交換樹脂により分離−
4-13 使用済MA核変換用燃料の処理方法の確立を目指して
−乾式再処理法によるマイナーアクチノイド(MA)窒化物燃料処理技術の開発−
5
量子ビーム応用研究
5-1 大強度陽子ビームの高精度軌道コントロールを実現
−電流リップルを抑制した新しいパルス電源の開発−
5-2 大強度ビームの新しいチューニング方法を確立
−ビームロス低減を目指した位相拡がりモニタの開発−
5-3 液体金属中に小さな泡をつくり衝撃低減に成功
−世界一の核破砕中性子源を目指した水銀中微小気泡発生装置の開発−
5-4 単結晶中性子構造解析で物質科学のフロンティアを切り拓く
−特殊環境微小単結晶中性子構造解析装置SENJUの開発−
5-5 中性子と磁場の組合せで捉えた磁場下での超伝導体の新特性
−非従来型超伝導体における磁場で増大する反強磁性−
5-6 中性子散乱によるセシウムの分離機構の解明
−π-
d
混成軌道の形成による選択分離の実現に向けて−
5-7 温度変化を電気エネルギーに変換
−発電中の強誘電体内部を放射光 X線回折法で探る−
5-8 トポロジカル絶縁体が磁石になるメカニズムを解明
−次世代の超低消費電力スピン・デバイスへ−
5-9 イオンマイクロビームによる非破壊三次元元素分析
−粒子励起X線トモグラフィ技術の開発−
5-10 レーザーを使った未踏の超高強度場への挑戦
−J-KAREN-Pレーザーの開発−
5-11 β線とγ線の同時放出で「治療」と「診断」の一人二役!
−放射免疫療法のための高純度ルテチウム 177製造法を開発−
5-12 抗がん剤の作用メカニズムの『鍵』を原子レベルで解明
−放射光 X線を用いた創薬標的タンパク質の高精度構造解析−
5-13 重粒子線がん治療の高度化を目指す
−重粒子線照射の新規動径線量モデルの開発に成功−
5-14 照射した牛レバ刺しはどれだ?
−「照射殺菌済み」を判別する技術の開発−
5-15 世界最高レベルの出力密度を持つ燃料電池を開発
−放射線グラフト重合法による高性能電解質膜生成−
5-16 量子情報通信・量子コンピューティングの実現に向けて
−炭化ケイ素中の単一光子源の探索−
5-17 分子の回転を制御して同位体分離
−重元素にも使える新たなレーザー同位体分離法の開発−
5-18 光で問いかけて光で知る液体定量法
−過酷環境下高感度その場液体分析技術−
5-19 窒化物半導体の格子変形をリアルタイム観察
−従来の常識を覆す新たな格子変形モデルを提唱−
6
高温ガス炉水素・熱利用研究
6-1 実用高温ガス炉の国際安全基準の策定に向けて
−HTTR試験データに基づく実用高温ガス炉の安全要件の検討−
6-2 より安全なプルトニウム燃焼高温ガス炉に向けて
−酸素ゲッターによる被覆燃料粒子の内圧破損の抑制−
6-3 耐酸化性能を向上させた炉心黒鉛材料の開発
−カザフスタン共和国・核物理研究所との共同研究−
6-4 反応が阻害される条件を調べ熱効率向上に活かす
−HI濃縮器への不純物混入の影響を調べる−
6-5 HTTRによる水素・電力コジェネレーション技術の確証
−運転方法の確証が可能なヘリウムガスタービンを提案−
6-6 3.11地震時の高温ガス炉の健全性を明らかにする
−耐震評価と外観確認により黒鉛構造物の健全性を確証−
7
高速炉研究開発
7-1 次世代ナトリウム冷却炉の高い安全性の実現で世界をリード
−安全設計クライテリア・ガイドラインの国際標準化−
7-2 放射性廃棄物をより低減する高速炉の設計
−安全性と核変換の調和を目指した炉心開発−
7-3 高速炉の安全性向上を目指して
−燃料集合体が溶けて流出する挙動を実験的に確認−
7-4 ナトリウム冷却高速炉の蒸気発生器伝熱管の損耗現象を解明する
−高温水酸化ナトリウムによる流れを伴う腐食挙動の評価−
7-5 MA含有 MOX燃料に及ぼす Amの影響を評価する
−( Pu
0.928
Am
0.072
)O
2-x
における酸素ポテンシャルと O/M比の関係−
7-6 地下の高温地質環境で動いた破砕帯の活動年代の推定
−フィッション・トラック年代測定法を用いた熱史推定による試み−
8
バックエンド対策及び再処理技術に係る研究開発
8-1 たくさんの廃棄物データを、きっちり、てきぱき仕分ける
−機械学習による大規模データの迅速な分類−
8-2 アスファルト固化体中の硝酸塩を取り除く
−処分における硝酸塩影響の低減にかかわる技術開発−
8-3 浅地中処分に適した廃棄物処理を行うために
−モルタルによる固型化方法の基準の検討−
8-4 遠方で発生した地震が地下水の動きに与える影響
−東濃地域での地下水圧の観測事例−
8-5 地下深部の岩石の密度を推定する
−宇宙線ミューオンを用いて地下の密度を推定する技術開発−
8-6 地下施設建設に伴う岩盤の透水性の時間変化
−多孔質弾性論を用いた地下水圧の大気圧応答の解析−
8-7 立坑掘削時の岩盤損傷モニタリング技術の開発
−マルチ光計測プローブによる立坑周辺岩盤の損傷の評価−
8-8 堆積物の年代決定のための強力な手段を開拓する
−火山ガラスの屈折率,化学組成の詳細な分析手法を構築−
8-9 地層処分による人への影響を評価する
−表層環境条件に応じた生活圏評価手法の開発−
8-10 国ごとに異なる放射性核種の振る舞いの評価
−使用済燃料直接処分における放射性核種の放出挙動のレビュー−
8-11 電子レンジ内で置く高さを変えると温まり方は変わる
−マイクロ波による硝酸系溶液の加熱効率−
9
核融合研究開発
9-1 放射線環境におけるロボット制御
−ロボットビジョンによる核融合炉保守用マニピュレータの位置決め−
9-2 高い精度の超伝導コイルを製作する
−誤差磁場の低減を目的に真円に近い超伝導コイルの製作方法を確立−
9-3 核融合プラズマの磁場変動を計測する
−シンプルで高い性能の磁気センサーを開発−
9-4 プラズマ形状の推定精度の向上を目指して
−プラズマ形状推定システムの予測精度を最適化−
9-5 核融合プラズマの安定な運転に向けて
−プラズマ崩壊現象の原因となる新たな電磁流体力学不安定性を発見−
9-6 トリチウムを施設内に閉じ込める
−あらゆる状況でトリチウムを確実に酸化する触媒塔の設計手法−
9-7 国際核融合材料照射施設のための原型加速器の目標性能を達成
−大電流重陽子加速器の入射系ビーム加速実験の成功−
9-8 核融合炉の社会受容性向上に向けて
−放射性廃棄物の減容化方針−
9-9 核融合原型炉早期実現に向けた高性能中性子増倍材の開発
−3元系先進中性子増倍材の開発研究−
10
システム計算科学研究
10-1 原子力施設の耐震シミュレーション技術の高度化に向けて
−三次元仮想振動台を用いた原子力施設建屋の揺れの再現−
10-2 核燃料の熱的性質をシミュレーションで明らかにする
−第一原理計算による二酸化プルトニウムの比熱の評価−
10-3 軽く強く加工しやすい金属の探求
−六方晶金属の特異な変形機構の解明−
10-4 核融合プラズマの長時間スケール解析を可能とするシミュレーション技術
−多時間スケール解析に向けて大きな進展−
11
核不拡散・核セキュリティ科学技術開発
11-1 核物質が製造された日を明らかにする
−核鑑識のためのウラン年代測定に関するラウンドロビン−
外部連携の推進 −原子力機構の保有する知的財産−
奥付
原子力機構の研究開発成果2015
はじめに
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発
1-1 土地利用形態により異なる空間線量率の変化
−空間線量率の減少傾向を示す環境半減期の導出−
1-2 放射性セシウムによる被ばく線量を予測する
−年齢別の外部被ばく線量換算係数データの整備−
1-3 フォールアウトを記録する生物・地衣類
−事故後初期の放射性セシウム降下量推定への利用−
1-4 イオン交換樹脂で水中ストロンチウムを現地で効率的に回収
−淡水中の低濃度放射性ストロンチウム分析法の開発−
1-5 海底土中放射性核種の濃度を探る
−茨城県周辺海域の海底土中放射性核種の詳細分布調査−
1-6 除染効果の予測と可視化
−除染活動支援システム(RESET)を用いた福島の除染活動支援−
1-7 スパコンで究明する土がセシウムを取り込む仕組み
−第一原理計算が明らかにしたセシウム特異吸着のメカニズム−
1-8 セシウムの風化黒雲母への選択的吸着
−ドミノ倒しのように連鎖的吸着が起こるメカニズム−
1-9 鉄分を溶かして指定廃棄物基準以下に
−セシウムの化学状態を解明し効率的に除去することに成功−
1-10 海水注入後の燃料被覆管の健全性を評価する
−電気化学測定で孔食発生条件を探る−
1-11 燃料集合体の構造健全性を確認する
−海水浸漬したジルカロイ製燃料被覆管の強度評価−
1-12 被覆管成分が増えると燃料デブリはどうなるか
−燃料デブリ取出しのために役立つ硬さ等の特性評価−
1-13 微細な燃料デブリは水中でどう変化するか
−過酸化水素やホウ酸の化学的影響を調べる−
1-14 海水注入が炉心の冷却へ与えた影響を調べる
−原子炉炉心模擬試験体による海水熱流動挙動評価−
1-15 事故時の燃料棒の壊れ方を計算機で予測する
−粒子法に基づく燃料溶融崩壊挙動解析手法の開発−
1-16 原子炉事故時の圧力容器下部の破損箇所を推定する
−圧力容器下部ヘッド破損挙動評価手法の開発−
1-17 原子炉事故時の圧力容器下部の破損箇所を推定する
−高温クリープ試験とクリープ構成則の検討−
1-18 原子炉事故時に放出される放射性物質の性状を予測する
−核分裂生成物の化学挙動に与えるBWR制御材ホウ素の影響評価−
1-19 廃棄物が含む放射能量を正確に推定する
−分析が難しい試料や核種を対象として評価する方法−
1-20 汚染水処理後のセシウム吸着材を安全に保管する
−小規模実験から吸着塔内の水素発生量を評価する技術−
2
安全研究
2-1 冷却材喪失事故後の燃料被覆管の強度を調べる
−4点曲げ試験による破裂・急冷後の被覆管強度評価−
2-2 シビアアクシデント解析における不確かさの分布とその支配因子を探る
−ソースタームの不確かさ/感度解析手法の開発−
2-3 原子力発電所事故での予防的防護措置範囲を評価
−確率論的事故影響評価手法に基づく評価方法の開発−
2-4 再処理施設の重大事故評価方法の改良
−臨界事故時の最大出力を瞬時に評価可能に−
2-5 放射性ヨウ素の岩石への収着を調べる
−試験による収着分配係数の評価−
2-6 サイト解放のための放射能濃度を評価する
−空間的相関を考慮した平均放射能濃度評価にかかわるクリギングの適用−
3
先端原子力科学研究
3-1 103番元素で見つけた周期表の綻び
−103番元素ローレンシウムの第一イオン化エネルギー測定に成功−
3-2 原子核の新たな形態の解明を目指して
−
K
中間子が原子核を形成する可能性を裏付け−
3-3 世界最高磁場で探るウラン化合物の新奇な磁性
−核磁気共鳴で明らかにしたURu
2
Si
2
の高磁場磁気構造−
3-4 金属中の磁気・電気の流れを切り替える
−原子力分野での熱電発電利用に向けて−
3-5 ポジトロニウムで観測した最表面のスピン偏極
−Bi/Ag二層膜のラシュバ効果による電流誘起スピン偏極−
3-6 放射線照射細胞の示す“デジタル”応答特性
−放射線照射による細胞周期の変化を単一細胞で追跡−
3-7 最新の原子核壊変データを手の中に
−原子核の世界地図「原子力機構核図表2014」の完成−
4
原子力基礎工学研究
4-1 原子炉核特性パラメータの高精度評価を目指して
−モンテカルロ法による原子炉動特性パラメータの新しい計算手法の開発−
4-2 二つの非破壊元素分析法の有機的融合
−大強度パルス中性子による新しい元素分析法開発−
4-3 再処理硝酸溶液中での腐食挙動を予測する
−セルオートマトン法を用いたステンレス鋼粒界腐食形態のシミュレーション−
4-4 陽電子消滅寿命と吸蔵水素量による空孔形成評価
−弾性応力下における高強度鋼の水素脆化研究−
4-5 マイナーアクチノイド核変換用燃料の挙動評価に向けて
−ミリグラム規模の高純度キュリウム試料の分離精製回収に成功−
4-6 簡便・低コストと高性能が両立した放射性廃液の処理技術
−“エマルションフロー法”による除染廃液からのウラン除去−
4-7 ウラン鉱石中の不純物組成を簡便・確実に分析する
−不純物を濃縮した吸着体を利用する固体試料質量分析−
4-8 再処理技術の基盤強化に貢献するデータ集の完成
−再処理プロセス・化学ハンドブック第3版−
4-9 大気拡散シミュレーションの性能を向上させる
−
85
Kr測定データを用いた中距離スケールでのWSPEEDI-IIの性能改善−
4-10 太平洋上の環境負荷物質を追跡する
−東日本大震災により流出した震災漂流物の予測シミュレーション−
4-11 全ての放射線の動きを計算コードで再現
−国産の汎用放射線輸送計算コードPHITSの完成−
5
量子ビーム応用研究
5-1 光で鉄原子を完全電離しGeVまで一気に加速
−レーザー駆動型重イオン加速技術とその応用−
5-2 使用済み核燃料キャニスターの非破壊核種分析
−γ線透過NRF法の1F事故溶融燃料への適用可能性を実証−
5-3 放射光でマクロ磁性を原子レベルに切り分ける
−内殻吸収磁気円二色性による元素ごとの磁化測定−
5-4 量子ビームの合わせ技で電子の動きを捉える
−3種の非弾性散乱による銅酸化物超伝導体のスピン・電荷励起−
5-5 鉄中に高濃度に溶け込んだ水素の占有状態を解明
−高温高圧力下中性子回折によるその場観察に成功−
5-6 従来膜を凌駕するグラフト型電解質膜の燃料電池特性
−階層構造の解析から明らかにした高イオン伝導性の起源−
5-7 X線及び中性子で構造材料の残留応力を観る
−表面から内部までの残留応力を評価し、機械・構造物の強度信頼性向上に資する−
5-8 遺伝子発現の仕組みをDNAの曲がりやすさから理解する
−中性子準弾性散乱で配列依存的なDNAの揺らぎを観測−
5-9 DNAにできた傷の「かたまり具合」を探る
−重粒子線がん治療効果をもたらす「クラスターDNA損傷」を発見−
5-10 放射線がん治療の副作用低減に新たな道筋
−放射線が当たっていない細胞で起こるバイスタンダー効果の特徴を発見−
5-11 ヨシはなぜ塩水でも育つのか
−植物ポジトロンイメージング技術で根の中のナトリウム排除を可視化−
5-12 高感度かつ高精度に中性子の二次元分布を計る
−He-3ガスを用いた新方式の二次元検出器を開発−
5-13 地球マントルにおける“水”の役割の解明を目指して
−J-PARCでの中性子実験のための高温高圧発生装置を開発−
5-14 中性子回折による鉄鋼の相変態の解明
−ナノベイナイト鋼の変態挙動に及ぼす部分焼入れの効果−
5-15 ビームを走査しない大面積の均一イオン照射
−非線形力でビーム強度分布を均一化−
5-16 高温配管の歪みを常時監視する技術を実現
−超短パルスレーザ加工により製作した歪みセンサの活用−
6
高温ガス炉水素・熱利用研究
6-1 世界初の商用高温ガス炉燃料の実用化を目指して
−高燃焼度化燃料の照射性能に関するカザフスタン共和国との協力研究−
6-2 廃棄物問題の解決及び安全性・持続性・経済性の両立を目指して
−高温ガス炉を用いた原子力システムの開発−
6-3 水素製造プロセス用の工業材料製反応器の開発
−苛酷環境に耐えるセラミックス製硫酸分解器の開発−
6-4 高温ガス炉の多様な熱利用システムの確立に向けて
−廃熱を利用した淡水製造コストの検討−
6-5 高温ガス炉の熱を一般産業へ提供するために
−高温ガス炉熱利用施設接続の安全評価技術の開発−
7
高速炉研究開発
7-1 「常陽」における高速炉の炉容器内補修技術の実証
−大型構造物の交換と変形した実験装置の回収−
7-2 高速炉の耐震性評価技術の高度化を目指して
−巨大地震時における高速炉配管の挙動の解明−
7-3 燃料集合体内の狭く複雑な流路の冷却材流れを視る
−インデックスマッチングにより高精度なPIV計測を実現−
7-4 気液界面運動の物理ベースシミュレーションを実現
−高速炉ガス巻き込み現象の機構論的解析評価システム開発−
7-5 分離核変換に貢献する抽出クロマトグラフィ技術の安全性を向上
−吸着材充てんカラム内での崩壊熱,放射線分解生成物の挙動評価研究−
7-6 核燃料中の酸素の振る舞いを定量化する
−酸化物燃料における酸素拡散係数の測定−
7-7 高速炉機器内部の熱流動解析技術の向上を目指して
−「もんじゅ」原子炉上部プレナム熱流動解析による温度分布評価−
8
バックエンド対策及び再処理技術に係る研究開発
8-1 原子炉施設解体物へのクリアランス制度の適用に向けて
−「ふげん」タービン設備の放射能濃度評価手法の確立−
8-2 休止ウラン鉱山における鉱さいたい積場の跡措置
−長期的に安定な天然材料を用いた覆土の設置−
8-3 放射性廃棄物の核種組成の把握を迅速に
−キャピラリー電気泳動法を用いた分析法の開発−
8-4 廃棄物処分に向けた簡便な廃棄体確認手法の開発
−研究炉廃棄物の放射能評価手法の検討−
8-5 瑞浪超深地層研究所の建設が周辺の地下水に与えた影響
−主にこの10年間の水質変化について−
8-6 大深度地下において坑道への湧水を抑制する
−瑞浪超深地層研究所の施工対策技術について−
8-7 岩盤中の物質移動特性をどのように評価するか
−幌延深地層研究所を活用した原位置試験と室内試験に基づく検討−
8-8 地下の断層帯亀裂の透水性を予測する
−断層帯の水理地質学的調査技術の開発−
8-9 海抜マイナス1000メートルの世界を覗く
−日本列島の地下地質図−
8-10 地質環境の変遷を考慮してシステムの性能を評価する
−隆起速度と侵食速度の違いに着目した核種移行解析−
8-11 岩に含まれる水分で大きく強度が変わる泥岩
−地下深部から採取した稚内層珪質泥岩の力学特性の評価−
8-12 緩衝材中の放射性核種の移行を予測する
−圧縮ベントナイト中の統合収着・拡散モデルの開発−
8-13 マイクロ流路を利用してプルトニウムの速度定数を求める
−マイクロ化学チップが拓くプルトニウムの分離・分析化学−
9
核融合研究開発
9-1 三極管ジャイロトロンにおける高速出力変調法の開発
−ITER電子サイクロトロン共鳴加熱・電流駆動システム要求性能を達成−
9-2 ダイバータ製作に向けた最初のステップを達成
−ITERフルタングステンダイバータの実規模プロトタイプ開発−
9-3 ITER超伝導導体の撚りピッチの変化
−トロイダル磁場コイル用超伝導撚線の振る舞い−
9-4 世界最大の大電流負イオンビーム生成に成功
−ビームの一様性を改善してJT-60SA要求値以上の電流生成(32A)を達成−
9-5 超伝導マグネット用サーマルシールドの製作
−現地組立てに対応したサーマルシールドの製作法を確立−
9-6 プラズマ計測でのノイズ効果軽減の新しい手法
−往復するレーザー光による信号を分離−
9-7 核融合原型炉の冷却材喪失事象の研究
−原型炉概念設計のための安全設計指針の確立に向けた取組み−
9-8 炉心プラズマの動的制御に向けて
−炉心プラズマの非局所応答のシミュレーション研究−
9-9 核融合燃料の安定供給を実現するリチウム回収技術
−海水中のリチウムを回収する世界初の元素分離技術を確立−
9-10 高温プラズマ対向耐熱被覆を強化する
−プラズマ溶射タングステンの摩擦攪拌処理による強化−
9-11 わずかな酸素が腐食を抑える
−ブランケット構造材の腐食特性への溶存酸素の影響−
10
システム計算科学研究
10-1 金属材料を強くする添加元素を探索する
−量子計算による金属材料の割れの予測−
10-2 スパコンが解き明かす不純物に強い超伝導体の謎
−固体中電子の持つ相対論性と超伝導の関係の解明−
10-3 スーパーコンピュータ上の大規模データを可視化
−粒子ベースボリュームレンダリングに基づく遠隔可視化システムの開発−
10-4 スーパーコンピュータ「京」で構造物の健全性を分析
−組立構造解析により耐震性の高いインフラ整備に貢献−
11
核不拡散・核セキュリティ科学技術開発
11-1 不法な核物質・放射性物質を特定する情報基盤
−核鑑識ライブラリと核鑑識属性評価ツールの開発−
外部連携の推進 −原子力機構の保有する知的財産−
奥付
原子力機構の研究開発成果2014
はじめに
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発
1-1 海水中における放射性ヨウ素の動きを探る
−東京電力福島第一原子力発電所事故前後におけるヨウ素129濃度の変動−
1-2 事故後初期のヨウ素131沈着量の分布
−初期航空機モニタリングデータを日米共同で開発した解析手法により評価−
1-3 水底の放射性物質濃度分布を可視化
−プラスチックシンチレーションファイバを用いた農業用ため池の測定−
1-4 空間線量率減少の原因を探る
−放射性セシウムの土壌中の濃度分布−
1-5 放射性物質の分布情報の公開
−環境モニタリングデータの集約と迅速な公開−
1-6 放射性セシウムの環境中での移行挙動を調べる
−大柿ダム湖を対象とした事例研究−
1-7 スパコンで見る放射性セシウムと土壌の化学結合
−第一原理計算による粘土鉱物・セシウム結合様態の解明−
1-8 樹木に沈着した放射性セシウムの枝葉内部への移動を探る
−放射線可視化による放射性セシウムの植物内移行挙動観測−
1-9 水溶液中の放射性セシウム濃度を簡便に測定する
−セシウム吸着ディスクとGMサーベイメータを併用した新たな定量法−
1-10 放射性セシウムに対する建物内の線量低減を評価
−建物モデルを用いた計算シミュレーションによる解析−
1-11 使用済燃料集合体の欠陥を検知する
−高解像度X線CTによる使用済燃料集合体の欠陥検知技術開発−
1-12 レーザー分光法により炉内水没固体を検知する
−遠隔炉内調査技術への貢献−
1-13 レーザー光を熱源として燃料デブリを溶断・破砕する
−形状不定,高硬度,多成分,多孔質の特性を持つ燃料デブリへの対応−
1-14 事故後の原子炉容器を燃料取出しまで維持していくために
−原子炉容器用鋼の腐食への放射線の影響と腐食抑制策−
1-15 圧力容器内燃料デブリの状態推定
−熱力学平衡計算に基づき燃料デブリの化学形を評価する−
1-16 溶けた燃料と制御棒から何ができたか
−炉心で溶融固化した燃料デブリ中の生成相と硬さを調べる−
1-17 燃料デブリを取り出したあとどうすべきか
−取出し後の燃料デブリの処置シナリオの検討−
1-18 炉心冷却後もヨウ素131放出が継続した理由を探る
−原子炉建屋等の地下に蓄積した汚染水からのヨウ素131放出−
1-19 汚染水処理後のセシウム吸着材を安全に保管する
−吸着材の性状を推定し、水素発生と容器腐食を評価する−
1-20 滞留水中の難測定核種の分析手法の開発
−β線計測によるカドミウム113m分析法の構築−
1-21 事故廃棄物の処理・処分に向けて
−発電所構内で採取したがれき・伐採木・立木試料の放射能分析結果−
2
安全研究
2-1 燃料破損の瞬間を数値モデルで再現・解明
−損傷力学モデルによる被覆管破損シミュレーション−
2-2 原子炉圧力容器の健全性をより精度良く評価するために
−中性子照射によるステンレスオーバーレイクラッドの破壊特性の変化−
2-3 長期間使用された軽水炉機器の健全性を予測する
−ニッケル基合金異材溶接部に対する確率論的破壊力学解析−
2-4 事故時のガス流入の影響を調べる
−ガス計測装置を用いた濃度分析−
2-5 しめ固めた粘土材料は高アルカリ環境で溶けるのか
−圧縮ベントナイト内の共存鉱物によるアルカリ溶解抑制効果−
2-6 再処理施設の重大事故評価に必要なデータを取得
−蒸発乾固事故における放射性物質の気相移行データの取得と評価−
3
先端原子力科学研究
3-1 銅やアルミニウムで磁気の流れを生み出す原理の発見
−レアメタルフリー磁気デバイスへ道−
3-2 グラフェンの電子スピン状態を解明
−原子レベルの極薄物質のスピン物性研究と素子応用に道を拓く−
3-3 ウラン化合物の超伝導と電子のゆがみ
−電子系のゆがみが引き起こすURu
2
Si
2
の超伝導−
3-4 不純物水素によるセラミックコンデンサの絶縁劣化
−素粒子ミュオンが明らかにした誘電材料中の不純物水素の電子状態−
3-5 放射線の生体影響の解明に向けて
−DNA損傷が正常な染色体にも影響を与える−
3-6 シリカコロイドに吸着して地下水中を移動するウランを発見
−環境水中の極微量アクチノイドの形態を解明する効果的な方法を考案−
3-7 ハイパー核
6
Λ
Hの探索
−中性子過剰核はどこまで作れるか?−
4
原子力基礎工学研究
4-1 核力の性質から崩壊熱の予測精度向上へ
−テンソル力のβ崩壊への影響を解明−
4-2 原子炉事故時の溶融物の挙動を明らかにする
−炉内溶融物移行蓄積シミュレーション手法の開発−
4-3 ウランの正確な計量技術の確立を目指して
−廃棄物ドラム缶の
235
U量を定量する新しい非破壊測定技術を人形峠で実証−
4-4 原子炉の長期健全性評価の高精度化を目指して
−中性子照射によるミクロ組織変化の予測モデルの開発−
4-5 分離変換技術開発に向けた基礎データの拡充
−電気化学的な手法を用いた金属間化合物の物性測定−
4-6 大環状化合物を使ってストロンチウムを抽出除去
−イオン液体溶媒の利用による抽出能向上を発見−
4-7 白金粒子の電極触媒機能で原子価を制御する
−アクチノイドの選択的な迅速原子価調整法の開発−
4-8 環境試料中の濃縮ウラン粒子を選択的に検知・分析
−固体飛跡検出を前処理に用いる二次イオン質量分析法の開発−
4-9 水田からの温室効果ガスの発生メカニズム
−放射性物質の陸面移行モデルを活用した大気とのNH
3
交換過程の再現−
4-10 体格の違いが内部被ばく線量に及ぼす影響
−コーカソイドと日本人の人体モデルを使った比較−
4-11 高エネルギーγ線の被ばく測定の信頼性を支える
−国内唯一の高エネルギーγ線校正場の開発−
4-12 原子炉内の放射線強度を計測する
−格納容器内の遠隔調査に向けたγ線検出器の開発−
4-13 炉内IASCC試験キャプセルのための技術開発
−原子炉の安全を評価する研究のために−
4-14 放射線管理区域における入域者のリアルタイム管理システムの開発
−放射線管理区域入域者の作業安全確保−
5
量子ビーム応用研究
5-1 イオンビームで生体に優しいプラスチックを生み出す
−集束イオンビームを用いた医用材料の微細加工と表面改質技術の開発−
5-2 複合型光ファイバ計測技術を医療機器開発に活かす
−複合型光ファイバ技術の事業化と原子力機構認定ベンチャー企業の発足−
5-3 微量元素の添加が強誘電体に与える効果を調べる
−ビスマスフェライトの強誘電性改変機構の解明−
5-4 横滑りら旋磁性と磁気交換相互作用による分極の区別に成功
−マルチフェロイック材料における横滑りら旋磁性の重要性−
5-5 アルミニウムを主原料とする水素貯蔵合金を開発
−軽量な水素貯蔵合金の実現に向けて−
5-6 電子検出で放射光メスバウアー分光の性能を大幅向上
−更に多くの元素について放射光メスバウアー分光測定が可能に−
5-7 希少・有害金属を捕集するタンパク質の創製を目指して
−好塩菌タンパク質の特殊な構造を量子ビームで解明−
5-8 夢の顕微鏡軟X線顕微鏡により生きている細胞を観る
−高輝度レーザープラズマ軟X線源と密着法を組み合わせたレーザープラズマ軟X線顕微鏡の実現−
5-9 ペプチドで作物のカドミウムの動きを抑制する
−ポジトロンイメージング技術による根での元素の動きの画像化−
5-10 X線と電子顕微鏡技術の融合によりナノ領域の分析に挑む
−電子顕微鏡に搭載するためのX線多層膜回折格子分光器の開発−
5-11 X線の蜃気楼を初めて発見
−プラズマを用いた新しいX線光学素子の可能性を示す−
5-12 紫外線のナトリウム透過の確証
−厚さ8 mmのナトリウムを透過した紫外線によるイメージングに成功−
5-13 物質中の拡散現象の解明を目指して
−中性子準弾性散乱の新たな解析法の開発−
5-14 極低温水素減速材で高品位のパルス冷中性子を実現
−J-PARCパルス核破砕中性子源の極低温水素システムの性能評価−
5-15 J-PARC 3 GeVシンクロトロンの運転後の線量率
−大強度出力達成のための加速器内に生成された放射性物質による線量率分布の把握と対策−
5-16 真空容器で磁場を遮へいし加速器ビーム軌道を安定化
−J-PARCにおける漏えい磁場遮へいのための磁性材料製真空容器の開発−
5-17 サイクロトロンの加速領域に入射するビームを観る
−エミッタンス・アクセプタンス測定装置の開発−
6
原子力水素・熱利用研究
6-1 世界初HTTRを用いた熱利用試験計画
−原子力エネルギーの多様な産業利用に向けて−
6-2 プルトニウムの効率的な燃焼と核拡散抵抗性の両立
−プルトニウム燃焼高温ガス炉システムの概念検討−
6-3 高温ガス炉水素製造システムの経済性評価
−水素製造コスト評価と競合可能性の検討−
6-4 自然現象による原子炉の安全確保の実証に向けて
−再稼働後直ちに実施するための試験手順を確立−
7
高速炉研究開発
7-1 溶融炉心物質のふるまいを明らかにする
−炉心崩壊事故の影響を原子炉容器内に閉じ込めるための実験的研究−
7-2 過酷な自然災害にも耐える原子炉建屋を目指して
−建屋に対する外的事象評価−
7-3 シミュレーションで評価する高速炉SGの安全性
−SG伝熱管破損時のマルチフィジックス解析評価システム−
7-4 SG伝熱管の検査技術の向上を目指して
−有限要素法による「もんじゅ」SG伝熱管の3D渦電流探傷シミュレーション−
7-5 長寿命燃料被覆管の実用化を目指して
−強度と靱性,耐食性に優れた11Cr-ODS鋼の開発−
7-6 高速炉サイクル移行期の再処理プロセスの確立に向けて
−U,Pu共回収プロセス(コプロセッシング法)の開発−
8
バックエンド対策及び再処理技術に係る研究開発
8-1 最適な廃止措置計画を立案するために
−ウランを取り扱う核燃料施設の解体実績に基づく人工数の評価式の検討−
8-2 廃棄物からの効率的なウランの分離
−塩酸によるスラッジからのウランの選択的分離プロセスの開発−
8-3 廃棄物の放射能確認を迅速化する新規分析法の開発
−低レベル放射性廃棄物中の
242m
Am測定法の開発−
8-4 トレンチ型処分施設の安全性向上のための検討
−放射性物質の移行量低減のための施設への降水浸透抑制方策−
8-5 地質環境調査から解析までのデータの流れを可視化
−統合化データフローの構築(研究坑道の掘削を伴う研究段階:第2段階)−
8-6 泥火山現象の形成メカニズムの解明を目指して
−上幌延泥火山噴出物の起源の解明−
8-7 地下坑道掘削時の岩盤の損傷状態を探る
−弾性波速度構造と岩盤壁面の観察による割れ目分布に基づく損傷の把握−
8-8 砂粒から未知の火山活動を検出する
−堆積岩の砂粒の鉱物・化学分析を用いた火山活動検出手法の開発−
8-9 地下のマグマが引き起こした内陸大地震
−ヘリウム同位体比を用いた隠れた活断層の調査手法の開発−
8-10 放射性核種の地下水中の化学形及び濃度を予測する
−電子授受速度が遅いSe(VI)/(IV)系の標準熱力学データの取得−
8-11 低アルカリ性セメントの長期変質挙動を把握する
−低pH発現メカニズムの解明と変質モデルの構築−
8-12 地質環境の長期変動を考慮して安全性を評価する
−地層処分の安全評価における隆起侵食の影響評価技術の検討−
8-13 電解酸化によるルテニウム除去時間の短縮
−ガラス固化工程の安定化を目指して−
9
核融合研究開発
9-1 レーザー光の吸収を空間的に分散させ機器を長寿命化
−ITERトムソン散乱計測用高耐力レーザービームダンプの開発−
9-2 中性子回折で超伝導導体内の素線の歪状態を調べる
−ITER用超伝導導体の性能向上の礎−
9-3 実構造体HIP接合部の破壊挙動を追う
−核融合原型炉開発で進められている低放射化フェライト鋼研究の最前線−
9-4 核融合炉条件を作り出す強力中性子源の建設に向けて
−リチウム施設の工学実証研究と工学設計の構築−
9-5 JT-60SAに向けたJT-60トカマクの解体
−放射化大型構造体の解体−
9-6 高精度なNb
3
Sn超伝導コイルの製作方法を確立
−プラズマの精密制御に向けたJT-60SA用中心ソレノイドの開発−
9-7 2周波数ジャイロトロンの世界最高性能を実現
−JT-60SA電子サイクロトロン共鳴加熱装置向けに開発−
9-8 回転するプラズマの安定性解析モデルの精密化
−運動論的電磁流体力学モデルへの回転効果の導入−
9-9 核融合炉の安全な運転停止シナリオの確立を目指して
−高エネルギー逃走電子のシミュレーションコードの開発−
9-10 核融合炉の燃料をどうやって取り出すか
−核融合炉ブランケットにおけるトリチウム回収の研究−
9-11 核融合燃料トリチウムの安定供給を目指して
−トリチウム増殖材リチウム微小球の新たな大量製造法を確立−
10
システム計算科学研究
10-1 ヘリウムが鉄の粒界割れを促進する
−スパコンを用いて粒界結合力低下の法則性を発見−
10-2 原子力施設の地震リスク評価手法の高度化に向けて
−断層モデルと発生頻度予測を組み合わせた地震動生成法の提案−
10-3 超高速固有値計算による超伝導シミュレーション
−実物大シミュレーションを目指して−
10-4 10万倍の時空間分解能を実現する超並列計算手法
−「京」が切り拓くマルチスケール核融合プラズマ乱流−
11
核不拡散科学技術開発
11-1 原子力施設の核物質防護性能を確率的に表現する
−敵対者の行動を考慮した原子力施設の防護性能の定量化手法−
外部連携の推進 −原子力機構の保有する知的財産−
奥付
原子力機構の研究開発成果2013
はじめに
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発
1-1 茨城県北部沿岸における海底の継続調査で明らかに
−海底堆積物中の放射性セシウム濃度の変動要因−
1-2 市町村と協力して広域の線量率分布マップを作成する
−走行サーベイを用いた詳細な空間線量率の測定−
1-3 高線量箇所でも被ばくせずに測定が可能
−無人ヘリコプターを用いた発電所近傍の放射線測定−
1-4 砂利の表面を削って再利用を図り廃棄物の低減を目指す
−汎用機を使っての砂利の除染−
1-5 計算機が解き明かす放射性セシウム土壌吸着の謎
−第一原理計算が明らかにする粘土鉱物のセシウム吸着メカニズム−
1-6 放射性セシウムの鉱物への特異的な吸着を解明
−土壌中の放射性セシウムの除染に向けて−
1-7 地表面から深度方向への放射性物質の移動状況を探る
−福島の土壌中深度方向への放射性物質の濃度分布状況調査−
1-8 森林表土における移動性セシウムの保持機構を探る
−土壌微生物と非生物成分による保持量の評価−
1-9 水の安心のための浄水器
−放射線グラフト重合法によるセシウム捕集材の開発−
1-10 福島県内における住民の被ばく線量評価
−汚染の地域差と生活行動時間の個人差をどうやって評価に取り入れるか−
1-11 放射性セシウムを含む汚泥の安全な取扱いのために
−汚泥の処理・処分に伴う作業者及び公衆の被ばく線量評価−
1-12 使用済燃料プール内の金属材料の腐食を防止する
−ヒドラジン添加による溶存酸素の除去効果の検証−
1-13 過酷事故時に生成する燃料デブリ特性
−燃料取出しに向けた模擬デブリ物性の検討−
1-14 高温の炉心に注水した海水から何ができるか
−燃料デブリと海水塩の高温反応生成物を調べる−
1-15 損傷・溶融した燃料の再臨界を防ぐために
−コンクリートを含む燃料デブリの臨界特性の検討−
1-16 ガンマ線を測定して溶融燃料中の核物質を計量
−随伴FPガンマ線測定による核物質量測定技術の開発−
1-17 炉心溶融の原因となった崩壊熱の分布を計算
−東京電力福島第一原子力発電所の炉内三次元崩壊熱分布の推定−
1-18 福島事故の原因を探るにあたってのポイントは何か
−福島事故に関する5つの事故調査報告書のレビュー−
1-19 セシウムをより強く吸着するゼオライトの仕組み
−第一原理計算が示したゼオライトの構造と吸着性能の関係−
1-20 セシウムと一緒に放射性のコバルトやマンガンを除去
−フェロシアン化物イオン添加法による廃液処理プロセス簡素化のための基礎試験−
1-21 原子炉建屋内の汚染の状況を把握する
−コンクリートコアサンプルの分析による汚染の状態評価−
2
次世代原子力システム研究開発
2-1 地震・津波に対するJSFRの高い安全性の追求
−自然循環崩壊熱除去システムの有効性評価−
2-2 時間・空間的に変動する流れを計測する
−高速炉用超音波流量計の開発−
2-3 炉内構造物の可視化技術の向上を目指して
−USVセンサ表面のナトリウム濡れ性実験−
2-4 JSME高速炉規格における実証炉用材料の規格化
−316FR鋼と改良9Cr-1Mo鋼の材料強度基準と高温構造設計基準の策定−
2-5 日仏協力でナトリウムと水の反応の影響を探る
−蒸気発生器伝熱管のナトリウム水反応試験−
2-6 プルトニウム燃料の酸素量を自在に制御する
−酸素ポテンシャルの測定と燃料技術への適用−
3
地層処分技術に関する研究開発
3-1 花崗岩体の割れ目形成メカニズムの解明を目指して
−花崗岩体の初期冷却が割れ目の空間分布特性に与える影響−
3-2 瑞浪超深地層研究所における岩盤応力の評価
−測定が困難な条件下における評価事例−
3-3 地下坑道周辺岩盤の損傷の長期的な変化を探る
−弾性波トモグラフィ調査による掘削影響領域の長期的な測定−
3-4 亀裂の透水性を広域的に推定する
−堆積岩を対象とした水理地質学的調査−
3-5 断層の活動時期を推定する
−K-Ar法による断層粘土の生成年代−
3-6 地下での廃棄体周辺の環境・材料の長期変化を予測する
−地球化学環境の変遷に着目した緩衝材及び周辺岩盤の長期挙動評価手法開発−
3-7 放射性核種の移行に対する天然有機物の影響を探る
−深部地下水中の溶存腐植物質の錯形成能評価−
3-8 地層処分における緩衝材の長期変質挙動を把握する
−幅広い化学的条件へ適用可能なスメクタイトの溶解速度モデルの開発−
4
核融合研究開発
4-1 核融合炉に適したマルチパラメータ計測法
−レーザー偏光法による磁場・電子密度・電子温度の同時計測法の考案−
4-2 ITERダイバータプロトタイプの製作
−実機ダイバータ製作に向けた最初のステップを開始−
4-3 ベリリウム金属間化合物の微小球製造に成功
−核融合燃料生産に必要な中性子増倍材の微小球製造技術開発−
4-4 核融合炉設計用核データの精度を調べる
−核融合炉の設計の精度向上を目指して−
4-5 核融合炉条件を作り出す強力中性子源の建設に向けて
−高速リチウム流れの厚さと安定度を測る−
4-6 核融合用強力中性子源の加速器実現に向けて
−高周波四重極加速器の高周波結合系用ループアンテナの開発−
4-7 サテライト・トカマク計画事業の進展
−JT-60SAの組立開始−
4-8 超大型負イオン源の真空耐電圧の予測データ取得に成功
−JT-60SA及びITER用負イオン源の高エネルギー化に向けた設計指針を確立−
4-9 超伝導コイルの導体接続部の小型化に成功
−核融合装置用中心ソレノイド製作のための超伝導導体突合せ接続手法の開発−
4-10 核融合燃料核種によるプラズマ熱拡散の仕組みを理解
−ITERでの核融合炉出力の予測精度の向上へ貢献−
4-11 スパコン・ヘリオスによる高速イオンの輸送研究
−ITERプラズマにおける高速イオンとアルフベン波の舞−
5
量子ビーム応用研究
5-1 ナノコンポジットの熱的安定性の増大
−ナノ微粒子がブロック共重合体の相転移にもたらす効果−
5-2 タンパク質・DNAの分子認識機構の解明を目指して
−タンパク質・DNA複合体形成時の構造変化を解析する方法を開発−
5-3 より正確ながんの診断を目指して
−がんのPET診断用新規アミノ酸トレーサーD-[
18
F]FAMTの開発−
5-4 ダイヤモンドを使って1個のイオンを検出する
−NV中心の発光特性を利用した単一イオンのリアルタイム位置検出−
5-5 高強度γ線ビーム非破壊核種分析へ向けて
−高輝度直流電子源から500keV大電流電子ビームを生成−
5-6 コンパクトな新型コヒーレントX線源の発見
−希薄なプラズマからの相対論的高調波−
5-7 耐熱光学センサで原子炉配管の地震時健全性を探る
−超短パルスレーザ加工技術の保全学への応用−
5-8 燃料電池を高効率化する「助触媒」の役割を解明
−酸化セリウムが白金酸化物形成の抑制に寄与−
5-9 量子ビームで明らかにする錯体溶液の秩序構造
−再処理技術の発展を促進する溶液構造の探索−
5-10 新型高温超伝導体の電子励起の解明
−鉄系高温超伝導体における共鳴非弾性X線散乱スペクトルの観測−
6
安全研究
6-1 燃料に蓄積される核分裂生成ガス量を高精度で評価する
−FPガスバブル成長と蓄積ガス量を予測する速度論モデルの開発−
6-2 大地震で配管のき裂がどの程度拡がるかを予測する
−不規則な繰返し荷重に対応したき裂進展評価手法の提案−
6-3 使用済燃料に含まれる同位体量を測る
−使用済燃料中の難測定微量元素の分析法の確立−
6-4 ステンレス鋼鋳鋼の熱時効脆化の評価
−「ふげん」実機材を用いた熱時効脆化に関する研究−
7
先端基礎研究
7-1 ミクロな磁石の運動を制御して電気をつくる
−スピン起電力による磁気パワーインバータ−
7-2 103番元素のイオン化エネルギーの決定を目指して
−表面電離過程を利用したイオン化エネルギー測定法の開発−
7-3 超伝導体の電子系のゆがみをあやつる
−URu
2
Si
2
の格子ゆがみと電子系ゆがみの結合−
7-4 DNA損傷の新しいしくみを発見
−放射線によるDNA損傷プロセスの解明に向けて−
7-5 電子のスピンをその反粒子で見る
−世界最高のスピン偏極率をもった陽電子ビームの開発−
8
原子力基礎工学研究
8-1 新しい型の原子炉の特徴を正確に予測する
−炉物理実験データを活用した新たな核設計手法(拡張炉定数調整法)−
8-2 高エネルギー放射線による原子核破砕の正確な予測に向けて
−フラグメント生成反応の新手法による断面積測定と理論モデルの開発−
8-3 再処理施設用材料の寿命予測に向けて
−ネプツニウムを含む沸騰硝酸中におけるステンレス鋼の腐食特性の評価−
8-4 ウラン錯体が持つサーモクロミズムの発見
−時間分解型レーザー誘起蛍光分光法によるイオン液体中における構造化学−
8-5 モノアミド抽出剤による再処理プロセスの構築に向けて
−ミキサーセトラー型抽出器を用いたU及びPuの連続抽出試験−
8-6 タンパク質固定化金ナノ粒子のワンポット合成
−簡便・迅速・高効率な合成法の開発とイムノアッセイへの応用−
8-7 単一粒子のPuが精製された時期を明らかにする
−極微量分析技術開発によりIAEAの核活動監視機能に貢献−
8-8 陸面の放射性物質の動きを詳細に計算
−大気-植生-土壌複合系内核種移行モデルの開発−
8-9 深層土壌は地球上の炭素の循環に関与している
−核実験由来の放射性炭素の半世紀にわたる追跡による炭素循環の解明−
9
原子力水素・熱利用研究
9-1 多様な熱利用が可能で安全性に優れた小型炉
−開発途上国等に適した小型高温ガス炉の概念設計−
9-2 ユーザー要件に応える高温ガス炉の安全設計方針を提案
−高温ガス炉に接続する化学プラントを一般産業施設として建設可能に−
9-3 高温ガス炉による水素生成効率の向上を目指して
−膜中のイオンの透過機構を明らかにする−
10
バックエンド対策に関する技術開発
10-1 硝酸イオンを分解する技術の開発に成功
−低レベル放射性廃液の安全な処分を目指して−
10-2 放射性廃棄物に含まれるアクチニドの分析を簡単に
−キャピラリー電気泳動法を用いた分析法の開発−
11
システム計算科学研究
11-1 動く水素が鉄の割れを促進する
−第一原理計算が示すモバイル水素による鉄の脆化効果−
11-2 トポロジーが鍵となる新しい物質の性質
−超伝導体の性質がトポロジーで分類される−
11-3 数万台の超並列核融合プラズマシミュレーションを実現
−通信処理中の演算器の待ち時間をゼロにする技術を開発−
11-4 流体-構造相互作用シミュレーションの高速化
−流動により振動する原子炉機器・配管の挙動解析シミュレーション技術を開発−
12
核不拡散科学技術開発
13
研究開発拠点における試験技術・施設等の開発
13-1 高速炉伝熱管補修技術の産業応用への挑戦
−レーザー溶接部への高精度ワイヤ供給の成功−
13-2 私たちの身の回りの放射性セシウム
−東海村における東京電力福島第一原子力発電所事故後2年間の放射線状況の推移−
13-3 高性能構造材料の開発に中性子回折法を役立てる
−J-PARCの中性子を利用した先端鉄鋼材料の加工誘起相変態挙動の解明−
13-4 中性子集光装置を高度化し中性子強度を50倍に高める
−J-PARCで超高精度中性子楕円集光ミラーの性能を実証−
13-5 軸対称な電場で陽子ビームを広げずに加速する
−J-PARC環状結合構造(ACS)型加速空洞の開発−
13-6 放射化法による
99
Mo国産化を目指して
−高密度MoO
3
ペレットの製造技術開発−
13-7 ナトリウム中における金属材料のふるまいを調べる
−ジルコニウム合金の高温ナトリウムとの共存性の評価−
13-8 保安機器をいっそう健全に運用管理する
−高温ガス炉用中性子検出器の損傷検知手法を確立−
13-9 イオンマイクロビームでテフロンの微細加工に成功
−高分子材料表面の新しい微細加工技術の開発−
13-10 大深度地下500mで坑道を掘る
−瑞浪超深地層研究所における研究坑道掘削−
13-11 ラドン温泉の効果を調べる
−吸入したラドンの体内での挙動とそれに伴う生体の応答−
奥付
未来を拓く原子力2012
はじめに
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発
1-1 大気中へ放出された放射性物質
−WSPEEDIを用いた放出量推定と拡散シミュレーション−
1-2 海洋へ放出された放射性物質
−日本近海域における拡散シミュレーション−
1-3 環境放射能モニタリングデータの収集・公開
−環境復興の礎となるデータを世界に発信−
1-4 事故起源の放射性核種はどこまで拡散したのか
−CTBT国際監視ネットワークによる大気中の人工放射性核種の測定−
1-5 環境中の放射性物質の詳細分布を調べる
−土壌沈着量分布マップ・空間線量率分布マップの作成−
1-6 航空機を用いた日本全域の放射線量マップの作成
−事故の影響を視覚的に把握−
1-7 森林からの被ばく線量の除染による低減効果
−森林に対する除染技術の実証試験−
1-8 実践から得られた除染の手引き
−除染モデル実証事業の成果−
1-9 土壌をきれいにしたい
−土壌の原位置加熱による放射性セシウムの除去可能性の検討−
1-10 ポリイオン粘土を使った除染方法の開発
−放射性セシウム汚染土壌の除染と再汚染の防止−
1-11 公園の除染効果について
−公園における除染試験と空間線量率の低減−
1-12 合理的・効果的除染の計画策定を支援するために
−除染による空間線量率の低減を効率的に予測するソフトウェアの開発−
1-13 セシウム134と137を個別定量する簡便な手法
−普及型のNaI(Tl)スペクトロメーターによる弁別定量法を開発−
1-14 グラフト重合技術を活用しフェルト生地でセシウムを捕集
−放射線グラフト重合法によるセシウム除染材料の開発−
1-15 水溶性セシウム高選択性吸着剤の開発
−新しい化学結合特性を利用したクラウンエーテルの分子設計−
1-16 水道水摂取制限の被ばく低減効果を検証
−水道水摂取制限による回避線量の評価−
1-17 植物に付着した放射性セシウムの分布を可視化する
−森林汚染の実態解明に向けて−
1-18 炉心の溶融進展を解析するためのデータを取得
−スリーマイル島2号機から採取した溶融燃料の熱特性測定−
1-19 東京電力福島第一原子力発電所1号機の炉心溶融までを把握
−TRACコードによる炉心冷却に及ぼす非常用復水器の影響評価−
1-20 東京電力福島第一原子力発電所2号機の炉心損傷回避を予測
−事故進展の予測に基づいた注水回復操作の有効性検討−
1-21 事故で発生した廃棄物の安全な管理を目指して
−汚染水処理で発生する廃棄物の長期貯蔵,処理処分に向けた取組み−
1-22 放射性ストロンチウムを除去して汚染水を淡水に
−核燃料再処理廃液向けストロンチウム吸着剤の応用研究−
1-23 廃ゼオライトからの水素発生に対処するために
−ゼオライトと海水との混合物のγ線照射による水素発生量の測定−
1-24 JMTRの照射技術を用いた特殊計測機器の開発
−過酷環境下にて適用可能な新型水位計−
2
次世代原子力システム研究開発
2-1 フランス電力が注目する日本の高速炉技術
−安全性向上及び物量削減に係るJSFR技術−
2-2 炉心崩壊事故の影響を炉容器内に閉じ込める
−内部ダクト付き燃料集合体における燃料流出挙動の解明−
2-3 大口径曲がり管内の流れを予測する
−ナトリウム冷却高速炉における大口径配管の流力振動評価−
2-4 高速炉配管溶接部設計の信頼度をより高く
−Type-IV損傷を考慮した改良9Cr-1Mo鋼溶接継手のクリープ強度評価−
2-5 電源喪失時でも自然循環で炉心冷却できる
−地震・津波時の「もんじゅ」炉心冷却能力評価−
2-6 MOX燃料製造の高効率化に向けて
−MOX転動造粒粉を用いた製造プロセスの成立性を確認−
3
地層処分技術に関する研究開発
3-1 沿岸域における地下水の動きを探る
−塩水楔現象における塩淡分布の光学的計測−
3-2 地層処分における硝酸塩の影響を把握する
−炭素鋼の腐食に伴う硝酸イオンの化学的変遷挙動のモデル化−
3-3 放射性廃棄物処分場における湧水抑制に挑む
−グラウト浸透モデルの適用性に関する研究−
3-4 過去の巨大地震を0.1 mmから覗く
−単粒子(U-Th)/He法が切り開く低温熱年代学−
3-5 客観的な基準による断層区間の特定を目指して
−数値解析を用いたボーリング孔での断層の区間判定−
3-6 地下深部における水理地質構造を推定する技術
−研究坑道の掘削に伴う水圧応答を用いた水理地質構造の評価−
3-7 地下環境の超長期的な変化を復元する技術の開発
−数値シミュレーションによる超長期間を対象とした地下水流動解析−
3-8 トンネル掘削が周辺岩盤に与える影響を探る
−弾性波トモグラフィ調査による掘削影響領域の評価−
3-9 地下深部における初期地圧の把握を目指して
−水圧破砕法による三次元的な初期地圧測定−
4
核融合研究開発
4-1 ITER超伝導コイルの製作に向けて
−世界をリードするトロイダル磁場コイル用超伝導導体の調達進展−
4-2 世界最高性能のプラズマ計測用レーザー装置の開発に成功
−ITER周辺トムソン散乱計測装置用YAGレーザーの開発−
4-3 大規模三次元マルチビーム軌道解析の実現
−ITER NBI用1 MeV負イオン加速器のビーム偏向の解明と補正法の確立−
4-4 国際核融合エネルギー研究センター事業の概観
−原型炉設計研究開発調整センター,計算機シミュレーションセンターの取組み−
4-5 重陽子加速施設の安全確保のために
−IFMIF用のプロトタイプ加速器の安全系機器開発−
4-6 サテライト・トカマク計画事業の進展
−先進超伝導トカマクJT-60SAの建設活動が組立開始に向け順調に進展−
4-7 超伝導コイルをどこまで精度良く製作できたか
−核融合装置用大型超伝導コイル製作の進展と製作精度の評価−
4-8 ドーナツ型の真空容器をJT-60SA用に製作する
−高い製作精度の二重壁構造−
4-9 回転するプラズマの安定性理論が進展
−抵抗性壁モード安定性解析のために新たな接続理論を構築−
4-10 核融合燃料トリチウム製造に必要な
6
Liの分離濃縮
−イオン液体による革新的リチウム同位体分離濃縮技術の開発−
4-11 プラズマの複雑な振る舞いの解明を目指して
−トカマクプラズマ全体の統合シミュレーションコードの開発−
5
量子ビーム応用研究
5-1 レーザー駆動生成陽子線エネルギーを大幅向上
−小型化可能なレーザーを用いて世界最高エネルギー陽子線を発生−
5-2 放射反作用を介したレーザーによる高出力γ線発生
−高強度レーザーによる新しいγ線源の提案−
5-3 溶液中の核物質の高精度な測定を目指して
−単色X線を用いた次世代HKED装置の考案−
5-4 極低温における材料の変形挙動を中性子で観る
−中性子回折による超伝導線材の極低温引張荷重下ひずみ測定−
5-5 高圧力下で新しい希土類金属水素化物を発見
−圧力誘起相分離で形成されるNaCl型1水素化物−
5-6 スピン成分と軌道成分を分離した磁化測定に成功
−スピンエレクトロニクスデバイスの材料の新たな測定方法−
5-7 環境に優しいプラスチックの微細加工方法を開発
−電子線ナノインプリントリソグラフィ法によるポリ乳酸のマイクロ/ナノ加工−
5-8 Ce(IV)による水からの水素・酸素生成機構解明に貢献
−水からの酸素発生に重要な四価セリウムの二核錯体を発見−
5-9 タンパク質分子間の会合制御を目指して
−X線結晶解析により会合制御の鍵となる一残基のアミノ酸を特定−
5-10 疎な回折データからの実像回復方法の開発
−短パルス大強度コヒーレントX線による単粒子構造解析の実現に向けて−
5-11 植物のDNAを大きく変化させる
−止まる寸前のイオンビームは大規模欠失変異を高頻度に誘発する−
6
安全研究
6-1 燃料の破損限界を高い精度で評価する
−NSRR実験データの発電炉条件への適用手法の開発−
6-2 原子炉圧力容器の壊れにくさを調べる
−残留応力等を考慮した確率論的手法に基づく健全性評価−
6-3 火災時の放射性物質の閉じ込め安全性を評価する
−可燃性物質の燃焼特性データの取得と喚気系フィルタの目詰まり特性の評価−
6-4 廃棄物処分場の化学環境を決める反応の解明
−高レベル放射性廃棄物の鉄製容器の腐食反応−
7
先端基礎研究
7-1 世界で初めて
239
Pu核磁気共鳴信号の観測に成功
−Pu化合物の電子状態解明に向けて−
7-2 音から磁気の流れをつくる
−音波と最先端のスピントロニクスを結ぶ新現象の発見−
7-3 世界最高品質のグラフェン作製手法を開発
−スピン・電子デバイス開発への扉を開く−
8
原子力基礎工学研究
8-1 放射性同位元素核データの高精度化を目指して
−J-PARC MLF ANNRIにおける
244
Cmの中性子捕獲反応断面積測定−
8-2 軽水炉熱設計手法高度化のための沸騰熱伝達機構の解明
−高密度・高速度伝熱面温度・熱流速同時計測技術の開発−
8-3 原子炉崩壊熱のより良い推定のために
−核データライブラリJENDL/FPD-2011及びJENDL/FPY-2011−
8-4 燃料設計のためのデータベース構築に向けて
−ZrNを希釈材としたTRU窒化物固溶体の熱伝導率評価式の作成に成功−
8-5 新分析法開発により放射性廃棄物処分の安全評価に貢献
−難分析核種
79
Se及び
135
Csの分析と理論計算結果の検証−
8-6 放射線によるDNA損傷を除去するしくみ
−効率良く酵素が損傷を認識する機構のシミュレーションによる解明−
8-7 原子炉・加速器等における照射損傷の予測に向けて
−種々の粒子に対するはじき出し損傷計算モデルの開発−
9
原子力水素・熱利用研究
9-1 事故が起きても安全な究極の原子炉を探究
−本質的安全高温ガス炉の概念設計研究−
9-2 止めなくとも冷やせなくとも高温ガス炉は静定
−HTTRを用いた安全性試験:「出力制御機能喪失」+「冷却機能喪失」−
9-3 高温ガス炉が自ら自然に静定する条件の明確化
−本質的安全高温ガス炉の技術的成立性の検討−
10
バックエンド対策に関する技術開発
10-1 放射性廃棄物に含まれるTRU核種分析
−表面汚染金属廃棄物中のPuとAmの分析−
10-2 焼却灰セメント固化体から重金属の溶出を防ぐために
−不溶化剤を用いた重金属の閉じ込め−
11
システム計算科学研究
11-1 照射下材料内を不純物はどのように拡散するのか
−原子の移動メカニズムを基に拡散レート方程式で粒界への偏析を評価−
11-2 J-PARCとスーパーコンピュータで超伝導の謎に迫る
−鉄系超伝導体の中性子散乱をシミュレーションし電子ペアを決定する−
11-3 地震の波は原子力施設内にどのように伝わるか
−地震波による建屋-機器間連成の精緻なシミュレーションの実現−
12
核不拡散科学技術開発
13
研究開発拠点における試験技術・施設等の開発
13-1 解体撤去物の再利用を目指して
−クリアランスのためのウェットブラスト除染技術−
13-2 指先の被ばく線量評価の信頼性を向上
−光刺激ルミネセンス(OSL)型リングバッジの開発−
13-3 原子炉のコンクリートを資源として有効利用する
−JRR-3改造工事に伴って発生したコンクリートのクリアランス−
13-4 放射性廃棄物低減に向けた長寿命核種の分離・回収
−簡素化溶媒抽出法におけるネプツニウムの酸化及び抽出挙動−
13-5 中性子を光に変えて高位置分解能で検出する
−J-PARCの結晶構造解析装置用2次元シンチレータ中性子検出器を開発−
13-6 空間中の磁場を中性子で可視化
−大強度偏極パルス中性子による新しい磁場可視化技術の開発−
13-7 1MW大強度陽子ビームの実現へ向けて
−ペイント入射法によるビーム損失の低減−
13-8 世界が注目するHTTRの成果
−高温ガス炉による世界初の長期連続高温核熱供給の達成−
13-9 ジルカロイ-2/SUS316Lの異材継手の開発
−JMTRにおける軽水炉燃料の出力急昇試験への適用−
13-10 ナトリウムの材料腐食問題をひも解く
−高速炉におけるナトリウム環境効果の評価−
13-11 ミクロな粒子の化学状態を観る
−イオンマイクロビーム誘起発光による顕微イメージング−
13-12 大深度地下500 mに到達
−瑞浪超深地層研究所における坑道掘削と湧水抑制技術の有効性−
13-13 γ線の遮へい効果を考慮した新たな評価手法
−不均一に充てんされた廃棄物の放射能評価手法の開発−
奥付
未来を拓く原子力2011
はじめに
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
次世代原子力システム研究開発
1-1 より高い安全性を実現するコンセプトを世界へ発信
−国際標準に向けたSFR安全設計クライテリアの構築−
1-2 炉心損傷事故に対する安全性を定量化する
−FBRにおける確率論的安全評価手法(レベル2PSA)の開発−
1-3 自然の力で原子炉停止後の崩壊熱を確実に除去
−自然循環崩壊熱除去時の炉心高温点評価手法の開発−
1-4 原子炉緊急停止のための操作の有効性を評価する
−「もんじゅ」原子炉トリップのためのアクシデントマネジメント有効性評価−
1-5 FBRプラントの長寿命化に向けて
−実機で長期間使用された溶接部並びに補修溶接の評価−
1-6 FBR格納容器の安全確保と建設期間の短縮を両立
−鋼板コンクリート構造格納容器の開発−
1-7 最新の核データの精度を「もんじゅ」で検証する
−炉定数調整による
241
Amの核データの検証−
1-8 電磁波を制御してむらなく無駄なくMOX原料粉を作る
−高効率マイクロ波加熱方式の研究−
1-9 高燃焼度化に必要な燃料被覆管の強度を調べる
−ODS鋼被覆管の照射後強度評価−
1-10 照射中MOX燃料からの余剰酸素の除去
−酸素ゲッター入りMOX燃料の開発−
1-11 湿式再処理における燃料溶解の効率化に向けて
−高速炉燃料再処理向け溶解シミュレーションコードの開発−
1-12 使用済金属燃料を電解で選択的に溶かす
−金属電解法でのU-Pu-Zr合金の陽極溶解挙動−
1-13 将来の使用済燃料処理に向けた新抽出プロセス構築を目指して
−U,Pu共回収プロセス(コプロセッシング法)開発−
2
地層処分技術に関する研究開発
2-1 地質環境調査技術の知の伝承
−次世代型サイト特性調査情報統合システム−
2-2 遠い将来の隆起・侵食の影響を評価する
−我が国の地形変化の特徴を考慮した評価事例−
2-3 オーバーパックのデータベースを初公開
−設計・製作にかかわる情報、試験データを分かりやすく提供−
2-4 岩石間隙構造と拡散機構の解明に向けて
−ナノX線CTを用いた珪質泥岩の微細間隙構造解析−
2-5 過去の地殻変動の痕跡から将来を予測する
−破壊された岩石から紐解かれる断層の発達史−
2-6 地下水中に存在するナノスケール微粒子の採取に向けて
−被圧・嫌気状態を保持したろ過手法の開発−
2-7 広大な地下に作用する力を推定する
−岩盤応力測定の実測値による推定−
2-8 立坑掘削に伴う岩盤挙動の解明
−堆積軟岩の岩盤挙動を支配する割れ目系−
2-9 地層処分技術の信頼性を支える新技術の実証
−低アルカリ性セメントを用いた坑道の本格的施工に成功−
2-10 積雪寒冷地での地下浅部の水の動きを探る
−幌延地域における地下水位と地質構造に基づく浅部地下水流動の研究−
3
核融合研究開発
3-1 ITER超伝導コイルの調達に向けて大きく進展
−ITERトロイダル磁場(TF)コイルの実規模試作−
3-2 ITER要求性能に迫る負イオンビーム加速を達成
−ITER中性粒子入射装置用1 MeV加速器開発−
3-3 大電力ミリ波エネルギー伝送効率のITER目標の達成
−ITER電子サイクロトロン加熱電流駆動システムの開発−
3-4 ITERで電流分布計測の鍵を握る新型炉内ミラーを考案
−ITERポロイダル偏光計用レトロリフレクターの開発−
3-5 幅広いアプローチ活動におけるサテライト・トカマク計画事業の進展
−順調に進む先進超伝導トカマクJT-60SAの建設活動−
3-6 自発的に多段階で変化する電場構造を発見
−閉じ込め改善モードの理論モデルに対する新しい知見−
3-7 国際研究グループを主導して比較実験を企画・実施
−ITERのための中性粒子ビーム電流駆動理論の検証を目指して−
3-8 核融合反応によるプラズマの回転生成の可能性を探る
−アルファ粒子による自発的なトルク生成−
3-9 核融合原型炉に向けて
−幅広いアプローチ活動・国際核融合エネルギー研究センター事業−
3-10 炉心プラズマ温度分布の形成機構を解明
−第一原理計算によるプラズマ輸送現象の数値実験コードを開発−
3-11 核融合炉で発生する中性子を加速器で作りだすための小型トリチウムターゲットを製作
−小型トリチウムターゲットの安定調達に目処−
3-12 核融合原型炉材料の実証のために
−世界最大のIFMIF/EVEDAリチウム試験ループの設計と建設−
4
量子ビーム応用研究
4-1 世界一明るく強い電子ビーム源の実現へ
−次世代光源のための500 kV光陰極直流電子銃の開発−
4-2 光速飛翔鏡の反射率を向上
−プラズマ中に励起されるプラズマ波によるレーザー光の高効率反射を実証−
4-3 軟X線の「偏光」を明らかに
−軟X線領域における偏光計測技術−
4-4 高分子複合材料の核スピン偏極を目指して
−2成分モデル系を用いた実証実験に成功−
4-5 電子の隠された世界を解明する放射光技術を実証
−散乱X線の偏光特性から励起した電子の軌道状態を識別することに成功−
4-6 コヒーレントX線を利用した分域構造の観察を目指して
−マルチスケール観測が解き明かす材料の高機能化の起源−
4-7 水素貯蔵材料の性能を改善する機構を解明
−放射光X線吸収実験で明らかにした微量添加物の構造−
4-8 特定レアアースを認識する有機化合物の創成
−レアアースの単元素分離・高純度化技術の開発に向けて−
4-9 レアアースの国産化に向けて
−放射線グラフト吸着材による温泉からの資源採取の検討−
4-10 副産物のオゾンも活用して工場排ガスを浄化
−電子線と触媒を併用した実規模排ガス処理装置の開発−
4-11 蛋白質に見つかった低障壁水素結合
−中性子結晶構造解析が新たな創薬の設計原理を導く−
4-12 粒子線で生じる電場のDNA損傷生成への効果を発見
−がん治療に効くクラスターDNA損傷の生成は電場が促進させる?−
4-13 放射線は照射後も持続的に染色体を傷つける
−γ線照射した植物細胞の子孫で微小核が持続的に出現することを発見−
5
安全研究
5-1 水素を吸収した燃料被覆管が壊れやすい理由
−水素の介在により変化するジルコニウム結晶中の割れの伝わりやすさ−
5-2 酸化による燃料被覆管の性能劣化を適切に評価する
−冷却材喪失時の燃料健全性評価手法に関する検討−
5-3 原子炉内の腐食環境を知るために
−放射線照射下における水化学評価手法の高度化を目指して−
5-4 原子炉圧力容器の耐食健全性を調べる
−ナノ組織解析による熱影響下ステンレスの劣化評価−
5-5 大地震で配管は壊れるか
−大きな荷重が加わった際のき裂のふるまいを予測する−
5-6 地震が来ても炉心の出力は安定か?
−スクラム失敗を想定した地震加速度場における核-熱水力連成解析−
5-7 運転中の原子炉の内部にある放射能の量をどのように把握するか?
−炉内放射能量計算システムの開発−
5-8 シビアアクシデントで放出されるガス状ヨウ素量を推定
−ヨウ素化学反応モデルの実機評価への適用−
5-9 ガラス固化体はどのような環境だと溶けやすいか?
−地下水中にマグネシウムが含まれる場合−
5-10 原子炉の安全な解体のために
−解体作業時の被ばく線量評価システムの開発−
6
先端基礎研究
6-1 熱,回転,磁化運動から磁気の流れを生み出す
−スピントロニクスにおけるスピン流生成の新原理を発見−
6-2 磁性体中の電子のスピンを偏極陽電子で観測
−新しい高スピン偏極陽電子ビーム技術の開発−
6-3 新しいタイプの核分裂の発見
−
180
Hgの核分裂では閉殻構造を持たない核分裂片が生成する−
6-4 特異な超伝導の背後にあるもの
−URu
2
Si
2
の「隠れた秩序相」における異常な電子散乱と超伝導の関係−
6-5 微生物細胞表面はナノ粒子を生成する工場
−微生物を用いた重元素の回収−
7
原子力基礎工学研究
7-1 原子核の向きをレーザーでそろえる
−円偏光レーザー誘起による動的自己核偏極法の開発−
7-2 金属材料の溶融と凝固の現象を再現する
−気液二相流解析手法を固液二相流体系に拡張−
7-3 核変換技術の実現に向けて
−加速器駆動核変換システムの炉心設計課題への取組み−
7-4 ヘリウム蓄積・放出による燃料ミクロ組織の変化
−結晶格子とペレットの膨張・焼鈍相関を明らかに−
7-5 難分離性マイナーアクチノイドの相互分離に向けて
−疎水性,親水性化合物を併用する新規分離法の試み−
7-6 アクチノイドはどれほど親水的なのか?
−アクチノイドの水/有機相界面標準イオン移動ギブズエネルギーの決定−
7-7 原子炉材料の照射誘起応力腐食割れを予兆段階で検知する
−磁気センサーを用いた材料劣化の診断法に関する研究−
7-8 試料に触れずに直接同位体の組成を調べる
−レーザー遠隔分光法による核燃料物質の同位体分析法の開発−
7-9 都市での有害危険物質の拡散予測に向けて
−局所域高分解能大気拡散モデルの開発−
7-10 加速器中性子を利用して医療用のRIを作る
−革新的な医療用RI生成法の開発−
8
原子力水素・熱利用研究
8-1 安全性の優れた原子炉を目指して
−優れた固有の安全性に基づく高温ガス炉の開発−
8-2 水素製造に用いるセラミックス機器の高圧化
−機器設計に不可欠な強度評価法の提案−
9
バックエンド対策に関する技術開発
9-1 効率的な廃止措置を目指して
−管理データ評価システムの開発−
9-2 超臨界流体を用いた放射性廃棄物の除染法の開発
−超臨界二酸化炭素中での逆ミセル形成とその利用−
9-3 溶融固化体中の放射性核種分析に向けて
−揮発性核種を含む標準試料作製法の検討−
10
システム計算科学研究
10-1 シミュレーションで核燃料の性質を明らかにする
−二酸化プルトニウムの電子状態を第一原理計算で再現する−
10-2 水素に起因する鋼の強度低下の謎を解明する
−水素原子と鉄原子の動きを再現可能とする原子スケールモデルの開発−
10-3 原子力分野の実験やシミュレーション結果から重要情報を見逃さないためには
−時間と空間の変化を捉える可視化手法の提案−
10-4 使用済燃料プール内の水の動きを理解する
−プールの水面や構造物近傍の乱流を考慮した流体解析モデルの提案−
11
核不拡散科学技術開発
11-1 我が国の核不拡散対応を他の国に活かすために
−原子力平和利用の信頼確立の要素と今後の課題−
12
研究開発拠点における試験技術・施設等の開発
12-1 「もんじゅ」の運転再開で何が得られたか
−「もんじゅ」性能試験(炉心確認試験)の結果−
12-2 大型グローブボックスパネル交換における低コスト,省力化の実現
−バッグイン・バッグアウト方式を採用した画期的なパネル交換技術−
12-3 汗をかいて結晶中の液体不純物を除去
−等温発汗効果による硝酸ウラニル六水和物結晶の精製−
12-4 MOX燃料ペレットの物性値を効率良く調整
−残留炭素によるMOX燃料ペレットのO/M比調整技術の開発−
12-5 強力な陽子ビームを精密に制御する
−デジタル低電力高周波制御系によるビーム制御−
12-6 パルス中性子ビームの磁気極性をそろえる
−J-PARC大強度パルス中性子ビームで利用できる偏極技術の開発−
12-7 危険物取扱施設の安全性向上に向けた取組み
−IFMIF/EVEDAリチウム試験ループにおける漏えい対策の構築−
12-8 燃料ペレットのふるまいを透視する
−高解像度X線CTによる高速炉燃料の照射挙動究明−
12-9 JMTRを用いた
99
Mo国産化への挑戦
−
99
Mo-
99
mTcジェネレータ用新型Mo吸着剤の開発−
12-10 放射線量測定範囲を拡張する
−電子線・γ線加工処理における品質保証に役立つ線量計測技術の開発−
12-11 大深度地下を掘削する
−瑞浪超深地層研究所における研究坑道掘削−
12-12 ウラン廃棄物中のウランを中性子ではかる!!
−ウラン廃棄物の計量管理測定用NDA装置NWASの開発−
奥付
未来を拓く原子力2010
はじめに
原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について
1
次世代原子力システム研究開発
1-1 実用FBRの信頼性を向上する冷却システム概念
−FBR実用化に向けたバウンダリ2重化設計−
1-2 核拡散させにくい炉心の設計とは?
−物質障壁に着目した実用FBR炉心の検討−
1-3 次世代FBRの安全性の向上を目指して
−炉心崩壊事故時の厳しい出力上昇の排除−
1-4 蒸気発生器伝熱管の小さなキズも見逃さない
−三次元シミュレーションによる渦電流探傷技術の高度化−
1-5 燃料集合体からの安定かつ確実な燃料ピンの分離技術
−FBR燃料集合体の機械式解体システムの開発−
1-6 放射性物質の発熱に強い化学分離プロセスを開発
−MAの抽出クロマトグラフィー分離システム−
1-7 核燃料ペレット原料粉末の流動性測定手法の高度化
−模擬粒子を用いた振動細管法の適用性検討−
1-8 物性値でFBR燃料の燃焼挙動を解析する
−NpとAmを含有したMOX燃料の開発−
1-9 PuとSiの化合物を調べる
−MOX燃料に含まれる不純物の挙動評価−
1-10 電解によりウランとTRU元素を共回収する
−金属電解法乾式再処理技術開発−
1-11 原子炉構造物の照射損傷を監視する
−磁気測定による照射損傷評価法の開発−
1-12 ナトリウムの活性度抑制制御へのチャレンジ
−ナノ粒子との原子間相互作用による反応抑制技術の開発−
2
地層処分技術に関する研究開発
2-1 知と技の伝承への挑戦
−地層処分の知識マネジメントシステム・プロトタイプの公開−
2-2 熱-水-応力-化学連成解析モデルの構築を目指して
−緩衝材の地球化学プロセスに着目した工学規模の人工バリア試験と解析評価−
2-3 地下水中の放射性核種の化学形と溶解度を評価する
−地層処分の安全評価に必要な熱力学データベースの整備−
2-4 実際の表層環境における放射性核種の移行をモデル化する
−生物圏評価モデル構築のためのアプローチの提案−
2-5 微生物から地下1000mの化学環境を探る
−土岐花崗岩を対象とした原位置における微生物の生物学的特性−
2-6 大陸地殻の進化の解明へ
−岩相と化学組成の空間分布から推定する結晶質岩の形成プロセス−
2-7 能登半島の高温泉の成因を解明
−非火山地帯の熱水活動のメカニズムに関する研究−
2-8 大深度立坑の施工管理指標の構築を目指して
−大深度立坑掘削のための岩盤挙動分類の提案−
2-9 深地層に分布する堆積岩の変形・破壊挙動を探る
−室内試験に基づく堆積岩の力学特性評価−
2-10 深部地球化学環境の長期変遷を探る
−地下水-鉱物-微生物の相互作用に関する研究−
3
核融合研究開発
3-1 ITER超伝導コイル用導体の製造開始
−高品質製造技術を世界に先駆け確立−
3-2 ITER用炉内保守ロボットの技術開発
−狭隘アクセスポートから保守ロボットを炉内に自動設置する組立て技術の実証−
3-3 世界最大の高純度セラミックリングの絶縁性能を実証
−ITER中性粒子ビーム入射装置に向けた高電圧ブッシング開発−
3-4 薄くて丈夫で良く冷える核融合燃料を生み出す箱の完成
−ITERテストブランケット燃料増殖層の製作実証と性能試験−
3-5 幅広いアプローチ活動におけるサテライト・トカマク計画事業の進展
−先進超伝導トカマクJT-60SAの日欧共同建設の開始−
3-6 大面積負イオンビームの高エネルギー化に成功
−JT-60SA中性粒子ビーム入射装置の実現に大きく貢献−
3-7 高圧力プラズマで発生する新たな不安定性の発見
−核燃焼・高圧力プラズマに向けた不安定性物理の開拓−
3-8 トカマク周辺プラズマ流の複雑構造の解明
−第一原理先進的粒子シミュレーションが拓くプラズマ物理−
3-9 プラズマの不純物輸送現象を究明
−対向壁表面のタングステン量の精密な定量分析法を開発−
3-10 核融合炉構造材料の更なる向上を目指して
−低放射化フェライト鋼F82Hの介在物コントロール−
3-11 核融合原型炉材料の実証のために
−IFMIF/EVEDAにおける微小試験片試験技術の開発−
4
量子ビーム応用研究
4-1 水の新たな姿を明らかに
−水の不思議な性質の解明にまた一歩前進−
4-2 内殻軌道からのトンネルイオン化を初めて観測
−大規模シミュレーションとの比較でイオン化軌道を初めて同定−
4-3 「重い電子」が作るフェルミ面の直接観測に世界で初めて成功
−磁性と共存する不思議な超伝導の機構解明への糸口−
4-4 表面形状変化をナノメートルの精度で直接観察
−ナノメートルの形状変化が瞬時に測れる軟X線レーザー干渉計を開発−
4-5 排ガス浄化中における金属微粒子の挙動
−時分割X線吸収分光による触媒反応中の金属微粒子の直接観察−
4-6 超新星爆発で発生するニュートリノによる元素の合成
−太陽系で最も希少な同位体タンタル180の宇宙起源の理論的解明−
4-7 イオン照射と放射光で探る太陽系物質の起源
−始原的隕石中の希ガス元素は有機高分子中にあるのか?−
4-8 新たなグラフト重合による高耐久性電解質膜の開発
−放射線/リビンググラフト重合によるブロックグラフト膜の合成−
4-9 原子炉の厳しい放射線環境でも動作する半導体
−高耐放射線性の炭化ケイ素半導体トランジスタの開発−
4-10 内部からの溶接が可能な配管の検査補修システム
−レーザー加工技術と渦電流探傷技術の統合−
4-11 中性子回折法による酵素反応中間体の観測
−セリンプロテアーゼのオキシアニオンホールの観測に成功−
4-12 低解像度情報をもとに生体超分子の構造変化を見る
−三次元電子顕微鏡構造から原子モデル構造を構築する計算手法の開発−
4-13 小さながんでも見逃さない新しいRI薬剤を開発
−
76
Br-MBBGによる褐色細胞腫のPET画像化に成功−
5
光医療研究連携
5-1 レーザー駆動粒子線がん治療装置開発のための新しい高効率イオン加速法の実証
−ナノ粒子ターゲットから生成されるサブ臨界密度プラズマを利用した粒子加速−
5-2 光の圧力で粒子にエネルギーを限りなく与え得ることを提唱
−光圧力による薄膜状プラズマの同期加速−
6
安全研究
6-1 高燃焼度燃料の安全基準の合理性向上を目指して
−NSRR高温カプセルを用いた反応度事故時燃料挙動の解明−
6-2 軽水炉用高燃焼度MOX燃料の熱特性評価
−長期使用によるMOXペレットの熱伝導率変化−
6-3 原子炉の制御棒を安全に長期間使用するために
−ハフニウムの特性評価−
6-4 原子炉圧力容器をいかに安全に長く使うか
−ナノ組織解析による機構論的な寿命予測−
6-5 原子炉圧力容器の構造健全性を調べる
−肉盛溶接を考慮した破壊力学的評価−
6-6 リスク評価結果の不確実さへの寄与を調べる
−新重要度指標の提案と汎用コードの開発−
6-7 炉心損傷事故で放射性ヨウ素はどのくらい放出される?
−放射線場での化学反応による気体状ヨウ素生成を調べる−
6-8 良く検証された計算手法による臨界量データの算出
−臨界安全ハンドブック・データ集第2版の公刊−
6-9 岩盤中での物質の移行挙動を解明する
−地下の還元的な条件における収着実験−
7
先端基礎研究
7-1 超重原子をシングルアトムで分析する
−フロー電解クロマトグラフ法によるNo元素の酸化−
7-2 ウラン化合物の謎に挑む
−超高純度単結晶URu
2
Si
2
の新規物性−
7-3 同位体分離のブレークスルー
−固体や液体状態で同位体を遠心分離する−
7-4 微生物の不思議な機能を探る
−微生物による白金族ナノ粒子触媒の作製−
7-5 放射線の生物影響を探るツールを開発
−放射光軟X線を用いた選択的DNA損傷の誘発−
8
原子力基礎工学研究
8-1 科学と技術のための新しい核データ集の誕生
−汎用評価済核データライブラリJENDL-4.0の完成−
8-2 世界最高性能の中性子核反応測定装置が本格稼動
−高精度核データの取得を目指して−
8-3 金属材料の変形過程をミクロな視点で観察する
−原子シミュレーションによる欠陥構造のモデリング−
8-4 高照射損傷を受ける原子力機器構造設計を合理化
−高照射による延性低下にも適用できる構造健全性概念を構築−
8-5 材料の特性をミクロな観点から明らかにする
−X線CTを用いたセラミックス材料のイメージベースモデリング−
8-6 イオン液体を媒体とした高効率抽出分離システム
−金属イオン及びタンパク質抽出への応用−
8-7 放射線は細胞,人体,地球にどのような影響を与えるのか?
−高エネルギー放射線被ばく影響評価に関する統合的研究−
8-8 簡便・低コスト新規回収技術:エマルションフロー法
−放射性廃液処理技術から排水浄化技術への展開−
9
原子力水素・熱利用研究
9-1 将来の効率的な水素製造を目指して
−熱化学法ISプロセスにおけるヨウ化水素濃縮用分離膜の開発−
9-2 高温ガス炉水素製造システムの安定運転に向けて
−水素製造施設の異常時に原子炉に影響を与えない運転制御−
10
核燃料サイクル技術開発
10-1 再処理低放射性廃液の新たな処理技術開発
−低放射性廃液のセメント固化技術の確立を目指して−
11
バックエンド対策に関する技術開発
11-1 効率的なクリアランスの判断に向けて
−評価対象核種を選定するプログラムの開発−
11-2 合理的なウラン廃棄物処分の実現に向けて
−ウラン廃棄物の余裕深度処分における安全評価−
11-3 研究施設等廃棄物に含まれる放射性核種の分析技術
−廃棄物分析の簡易・迅速法の分析指針−
12
システム計算科学研究
12-1 原子力シミュレーションの長時間実行を可能へ
−大規模シミュレーションを容易に実行可能とする基盤技術を開発−
12-2 Cellクラスタによる高速固有値解法の開発
−核融合プラズマの実時間安定性制御を目指して−
12-3 進化の仕組みを用いて正確な材料劣化シミュレーションを行う
−遺伝的アルゴリズムによる多結晶体構造の生成−
12-4 鉄系超伝導体の特異な性質と新規デバイスの可能性
−特性を活かした多様な工学的応用を目指す研究開発−
13
核不拡散科学技術開発
13-1 次世代核燃料サイクル施設の先進保障措置を目指して
−低除染,MA混合,大量Pu取扱施設の保障措置検認技術開発−
14
研究開発拠点における試験技術・施設等の開発
14-1 繊維との編み合わせによるプラント監視センサ
−超短パルスレーザ加工技術の原子炉配管への応用−
14-2 軽水炉試験を加速する静電容量ボイド率計の開発
−高温高圧条件下でボイド率のリアルタイム計測達成−
14-3 硝酸ウラニル六水和物結晶の高純度化に向けて
−プルトニウム−セシウム硝酸化合物の物理化学的特性−
14-4 Pu,U分析の更なる信頼性向上
−核燃料施設として国内初のISO試験所認定取得−
14-5 原子運動の全貌を中性子が明かす
−J-PARCで新しい高効率非弾性中性子散乱測定手法の実証実験に成功−
14-6 世界で最も明るく輝くJ-PARC中性子源を実現
−斬新な線源開発と順調な加速器出力の上昇が貢献−
14-7 二酸化炭素を排出しない水素製造技術の開発
−ハイブリッド熱化学法の開発−
14-8 光ファイバによる高温・高放射線環境下の遠隔検査
−「常陽」における原子炉容器内観察−
14-9 熱膨張に追従し、熱応力を低減する三次元浮動支持
−高温機器・配管熱変位挙動の評価手法確立−
14-10 極微のイオンビームを素早く切り換える
−サイクロトロンにおけるカクテルビーム加速とマイクロビームの融合−
14-11 地下400mを超え、更に深部を目指して
−瑞浪超深地層研究所における研究坑道掘削と湧水抑制技術−
14-12 環境に配慮した放射性廃棄物処理技術の開発
−イオン液体を媒体としたウラン回収技術の開発−
14-13 加速器質量分析装置(AMS)が認証標準物質の作製に貢献
−IAEAによるヨウ素129濃度測定国際相互比較結果−
奥付
未来を拓く原子力2009
はじめに
1
次世代原子力システム研究開発
1-1 経済性を向上した実用FBRプラント概念
−革新技術の研究開発とプラント設計への着実な反映−
1-2 次世代FBRの環境負荷低減性などの向上
−MA含有酸化物燃料を適用した炉心・燃料設計−
1-3 将来のFBR燃料の照射挙動を調べる
−Am含有MOX燃料の短期照射挙動−
1-4 時間変化する流体と構造との熱的なつながりを解く
−T字合流配管部を対象とした非定常解析−
1-5 合理的な高温機器の設計
−クリープ設計限界曲線を用いた高温構造設計領域の設定法−
1-6 高温配管の健全性確認の性能向上に向けた挑戦
−配管減肉モニタリングセンサの開発−
1-7 ナトリウムの燃え方に迫る
−初期の表面酸化反応で生成するユニークな酸化物成長への影響因子−
1-8 巨大地震時の免震装置の終局挙動を把握する
−水平免震システムの免震効果確認と終局挙動試験−
1-9 使用済燃料を効率良く溶かす
−FBR燃料再処理向け回転ドラム型連続溶解槽の開発−
1-10 シンプルにアクチニド元素の原子価を制御
−U-Pu-Np共抽出プロセスの開発−
1-11 簡素化ペレット法燃料製造技術の実用化への研究開発
−マイクロ波加熱(脱硝)における沸騰挙動のメカニズム解明(容器形状の影響)−
2
地層処分技術に関する研究開発
2-1 地層処分技術の知識の体系化
−知識マネジメントシステムの開発−
2-2 岩石亀裂中の地下水の動きを探る
−光学的手法による亀裂中の定量計測について−
2-3 断層が将来放射性廃棄物の処分場に走ったとしたら?
−人工バリアせん断応答特性把握に向けた試験とモデル開発−
2-4 信頼性の高い核種移行データベースの開発
−収着/拡散データベース(JAEA-SDB/DDB)の改良・更新−
2-5 1mgの炭素で分かる過去の地質イベント
−加速器質量分析装置を用いた年代測定技術開発−
2-6 地下水の流れを効率的にモデル化・解析する!
−複雑な地下水流動場の効率的なモデル化・解析を目指したシステムの開発−
2-7 岩盤中の割れ目の空間分布を探る
−地質学的解釈に基づく割れ目密度分布モデリング手法の開発−
2-8 一本のボーリング孔から割れ目の連続性を探る
−堆積岩を対象とした割れ目調査−
2-9 地下水の長期観測データから見えること
−堆積岩を対象とした間隙水圧長期観測データの解析−
2-10 掘削時の計測データから坑道の安定性を評価
−堆積軟岩を対象とした情報化施工プログラムの適用−
3
核融合研究開発
3-1 60万Wの電磁波の高速オン/オフにより不安定性の効果的な抑制に成功
−ITERでの効率的な不安定性抑制手法を実証−
3-2 ITERプラズマの予測精度を向上
−周辺部輸送障壁の幅を決めるパラメータを解明−
3-3 先進プラズマの崩壊現象を探る
−プラズマ流と多段階現象の解明−
3-4 MWを超える高出力中性ビームの世界最長入射
−JT-60SAでの100秒入射に向けて−
3-5 原子力機構開発の多孔多段型加速方式に決定
−ITERプラズマ加熱装置用加速器の方式選択試験−
3-6 ITERによる超伝導コイル技術の進展
−世界最大の超伝導コイルの技術開発−
3-7 ITERダイバータプラズマ制御のための計測装置開発の進展
−ITERの過酷な環境で使用できる信頼性の高い分光計測装置の開発を目指して−
3-8 大出力ジャイロトロンの高繰り返し出力の成功
−ITERの実験入射を模擬して−
3-9 ITERダイバータ高熱負荷試験に世界で初めて成功
−実機熱負荷に耐えるITERダイバータモックアップ完成−
3-10 核融合炉材料の中性子による発熱の予測精度向上を目指して
−放出荷電粒子に対する二重微分断面積の測定−
3-11 核融合炉材料の実証のために
−核融合材料照射用中性子源IFMIFの液体Liターゲットの開発−
4
量子ビーム応用研究
4-1 強く相互作用した電子の集団的揺らぎを観測
−電荷ストライプの集団励起の研究−
4-2 希薄磁性半導体の軟X線磁気円二色性による研究
−放射光が明らかにしたスピントロニクス材料の性能向上への指針−
4-3 水素エネルギー社会実現へ向けた材料開発へ指針
−水素とアルミニウムの直接反応によるアルミニウム水素化物の合成−
4-4 人工衛星の寿命を効率的に予測する
−新型宇宙用太陽電池の放射線劣化モデルを構築−
4-5 金属酸化物が電子線照射下で活性触媒に変身!
−電子線照射ガンマアルミナによる有機物の酸化分解促進効果−
4-6 革新的レーザー同位体分離へ向けて分子の振動を制御する
−極短パルスレーザーによるヨウ素分子の振動状態制御−
4-7 レーザーと電子の衝突によるγ線ビームの発生と利用
−厚い遮へいを通して隠れた同位体の位置と形状を測定−
4-8 より治療効果の高いエイズ治療薬の創製を目指して
−HIV-1プロテアーゼの中性子結晶構造解析に成功−
4-9 中性子非弾性散乱による蛋白質ダイナミクスの研究
−揺らぐ蛋白質を見る−
4-10 空気中の窒素を養分にするマメ科植物の能力
−共生的窒素固定のポジトロンイメージング技術による画像化−
4-11 たった10個の重イオンが100万個の細胞に引き起こす照射効果
−重イオンマイクロビームでバイスタンダー効果の機構に迫る−
4-12 がんの放射線・化学療法のための新しい薬剤を創る
−放射線で壊れるナノカプセルの開発−
5
安全研究
5-1 チェルノブイリデータで環境評価モデルを検証する
−環境影響評価モデルOSCAARの妥当性検証−
5-2 原子炉内で長期間使用された燃料被覆管の酸化挙動
−LOCA時の酸化速度に及ぼす高燃焼度化の影響−
5-3 ペレットの結晶組織が照射中に変化するのはなぜか
−UO
2
ペレットの結晶組織に発生するひずみと組織変化の関係−
5-4 過熱炉心の液滴冷却効果を探る
−沸騰遷移後の熱伝達率及びリウェット速度モデルの開発−
5-5 地震時における原子炉配管の健全性を調べる
−過大な荷重が溶接部の残留応力に与える影響−
5-6 臨界事故に備えた迅速な被ばく線量評価技術の開発
−熱ルミネッセンス線量計を用いた中性子線の高線量測定−
5-7 海岸近くの放射性廃棄物処分場の安全性を探る
−海水系地下水との化学反応を伴う物質移行モデルの開発−
5-8 大きなスケールでの地下水の流れをとらえる
−堆積岩地域における広域地下水流動に関する研究−
6
先端基礎研究
6-1 C
60
-Co薄膜で生じる巨大磁気抵抗効果の起源を解明
−放射光で探る有機分子-遷移金属材料のスピン状態−
6-2 ウランのレモン型変形が新たな核分裂チャンネルを開く
−超重原子核
274
Hsの核分裂−
6-3 特異な超伝導を誘起する磁気ゆらぎを明らかに
−NMR法によるウラン化合物の超伝導機構の探求−
6-4 正ミュオンを使って格子間水素の状態を探る
−希土類系水素吸蔵合金の微視的理解に向けて−
7
原子力基礎工学研究
7-1 大規模模擬実験に頼らず核設計予測精度を確認する
−複数の臨界実験を活用した新しい予測精度評価手法の開発−
7-2 核変換研究用核反応断面積の高精度化に向けて
−放射化法による高速中性子捕獲断面積測定手法の開発−
7-3 再処理の技術基盤を支えるデータ集の完成
−基礎から実燃料試験までを網羅する「再処理プロセス・化学ハンドブック第2版」−
7-4 再処理機器用ステンレス鋼の腐食機構の解明
−ホット施設によるNp含有硝酸溶液の腐食促進作用の研究−
7-5 Am含有酸化物燃料の熱的挙動変化を探る
−不定比組成Am酸化物の熱力学的性質を解明−
7-6 世界各地での放射性物質の大気中の拡散を迅速に予測する
−緊急時環境線量情報予測システム(世界版)WSPEEDI-IIの開発−
7-7 姿勢が被ばく線量評価に及ぼす影響を解明
−日本人精密ボクセルファントムを用いた臓器線量解析−
7-8 熱化学水素製造法ISプロセスの高効率化に向けて
−ヨウ化水素水溶液の高圧気液平衡物性を測定−
7-9 高温ガス炉を用いて安全に水素を製造するために
−原子炉からの放射性物質の移行を止める−
8
核燃料サイクル技術開発
8-1 MOX燃料の再処理に向けて
−Pu精製工程における溶媒劣化とその影響−
8-2 回転機器の安定運転への取組み
−ショックパルス法による状態監視−
9
バックエンド対策に関する技術開発
9-1 合理的な原子力施設の廃止措置の実施に向けて
−廃止措置費用の迅速評価手法の開発−
9-2 放射性廃棄物の処分に必要な信頼性の高い廃棄体データの提供
−廃棄物の発生から処分までのデータを一元管理するシステムの開発−
9-3 合理的なウラン廃棄物のクリアランスと処分の確立に向けて
−自然放射線量と環境中のウランの寄与を理解する−
10
原子力エネルギー基盤連携
10-1 バックグラウンドとの闘い
−微量核物質の超高感度検出法開発−
11
光医療研究連携
11-1 レーザー駆動陽子線でがん細胞のDNA2本鎖切断を実証
−超小型粒子線がん治療装置の臨床実証へ大きく前進−
11-2 レーザー装置の小型化・高強度化に成功
−レーザー駆動型粒子線治療器用レーザーの実現を目指して−
12
システム計算科学研究
12-1 硫黄やリンが鉄を脆くする仕組みを解明
−第一原理計算によって明らかになった粒界脆化メカニズム−
12-2 世界中の計算機を自在に連携した原子力シミュレーションの実現
−原子力グリッド基盤AEGISの構築−
12-3 鉄化合物超伝導体の超伝導発現機構の探索
−SPring-8と第一原理計算のコラボレーション−
12-4 テラ〜ペタバイト大容量データの評価を支援する
−大規模シミュレーションが出力する大容量データ評価のための新分析手法の提案−
13
核不拡散科学技術開発
13-1 核物質を連続的に厳しく管理する
−プロセスモニタリングのアルゴリズム高度化研究−
14
研究開発拠点における試験技術・施設等の開発
14-1 遠隔非破壊検査技術を用いた蒸気発生器伝熱管検査
−渦流探傷試験,目視試験,漏えい試験による蒸気発生器伝熱管の健全性確認−
14-2 中性子測定器のkeV領域での正確な感度測定を実現
−加速器を利用したkeV領域単色中性子校正場の開発−
14-3 試薬を用いない新しい再処理法を提案
−ウラン・プルトニウム共晶析現象を応用した再処理プロセスの開発−
14-4 軽水炉用MOX燃料の信頼性向上のために
−「ふげん」等MOX燃料の照射試験データベースの構築−
14-5 より高い加速電場を目指して
−J-PARC RCS高周波空胴のための金属磁性体コアの開発−
14-6 水素社会実現のためのブレークスルーを目指す
−水素貯蔵材料用パルス中性子全散乱装置の建設−
14-7 大気中の塩分より希薄なナトリウムを検出する
−レーザー質量分析を用いた超高感度ナトリウム漏えい検出器−
14-8 ウランを用いない先進的医療診断用
99
Mo製造への挑戦
−モリブデン酸塩水溶液を用いた
99
Moの製造技術開発−
14-9 高温ガス炉の実用化に向けた技術開発
−原子炉圧力容器の非破壊試験技術−
14-10 イオンビームを用いてアスベスト肺を高感度で診断
−肺の中にあるアスベストの種類を細胞レベルで特定−
14-11 大深度地下に研究坑道を掘る
−瑞浪超深地層研究所における坑道掘削時の湧水抑制技術−
14-12 ラドン測定に係るトレーサビリティの構築
−ラドン測定技術の標準化と精度の保証−
14-13 地球上でのヨウ素129の動きを探る
−ヨウ素129の起源別割合の推定−
研究開発拠点
組織体制図
奥付
未来を拓く原子力2008
はじめに
1
次世代原子力システム研究開発
1-1 冷却系配管の短縮による経済性向上を実現
−高温強度,靭性及び組織安定性に優れたFBR構造用高クロム鋼の開発−
1-2 原子炉容器の構造健全性を評価する
−レーザースペックルを用いた液面近傍熱変形の計測−
1-3 流体温度変動の構造物への伝達と減衰を見極める
−FBRでの炉心出口部熱疲労評価に向けて−
1-4 コンパクトな原子炉容器のための燃料交換法の開発
−ナトリウム蒸気雰囲気下における燃料交換機軸受耐久試験−
1-5 FBRの仮想的炉心損傷時の挙動を精度良く解析する
−超高温複合熱流動現象の三次元シミュレーション−
1-6 溶融炉心物質のふるまいの実験的解明
−カザフスタンとの共同研究によるEAGLEプロジェクト−
1-7 SGで伝熱管が破損したときの複雑な現象を解析する
−SG安全評価のためのナトリウム-水反応現象数値解析コード開発−
1-8 晶析技術による効率的ウラン回収システムの開発
−実用化に向けた晶析システムの開発状況−
1-9 マイナーアクチニド回収の実用化に向けて
−抽出クロマトグラフィーによる分離回収システムの開発−
1-10 簡素化ペレット法燃料製造技術の実用化に向けて
−マイクロ波加熱脱硝転換・造粒一元処理技術の開発−
1-11 TRU燃料製造における発熱対策
−TRU燃料製造システムのための発熱対策の概念設計研究−
2
地層処分技術に関する研究開発
2-1 地層処分技術の知識の活用に向けて
−知識マネジメントシステムの詳細設計−
2-2 緩衝材基本特性データベースの公開
−多彩な機能を有する緩衝材特性データの集約−
2-3 考古学的遺物に学ぶ金属の長期腐食挙動
−地層処分研究への自然界での類似現象の活用−
2-4 安全評価体系の現実的な処分環境への適用に向けて
−FepMatrixツールを用いた基盤情報の整理と展開−
2-5 地層処分技術に関する知識基盤の構築に向けて
−地質環境調査にかかわるノウハウや判断根拠の分析・整理−
2-6 地下水の地球化学データを対象とした品質評価手法の構築
−Evidence Support Logicに基づいた手法の提案−
2-7 地下からの水素ガス濃度に基づき断層活動の特徴を探る
−携帯型水素ガス検知器の開発と適用事例−
2-8 地層処分研究開発における将来予測への取組み
−地史に基づく数10万年後の地下水流動の長期的変遷の推定−
2-9 地表から地下への水の動きを探る
−北海道幌延地域での表層水理調査の概要−
2-10 地下にもぐり、初期地圧の状態を探る
−水圧破砕法による三次元初期地圧測定−
3
核融合研究開発
3-1 ITERの長時間燃焼を確実に
−高閉じ込め・高圧力プラズマの長時間維持−
3-2 プラズマの圧力による自発回転を発見
−自律性の高い高圧力プラズマの理解へ−
3-3 JT-60プラズマ映像データベースシステムを開発
−ITER-BA遠隔実験に向けたプラズマ映像データ創成配信技術−
3-4 JT-60高周波加熱電流駆動装置を超高出力化
−高周波源の出力世界記録 (1.5MW,1秒 )を達成−
3-5 ITER建設に向けて目標性能を世界で初めてクリア
−プラズマ加熱装置ジャイロトロンで高出力・定常動作を実証−
3-6 大面積負イオン源の開発
−低ガス圧高均一負イオン生成とメンテナンスフリー負イオン源を目指して−
3-7 4tのブランケットを最終精度0.5mmで遠隔設置
−ITER用遠隔保守ロボットの位置決め制御性の改善−
3-8 核融合炉燃料トリチウムの安定供給に必要な材料
−水素により還元されないトリチウム増殖材料の開発−
3-9 燃料電池を使ってトリチウムを取り出す
−ブランケットスイープガスからのトリチウム回収技術−
3-10 コンパクトな核融合原型炉の炉概念を構築
−高稼働率を可能にする炉構造・保守概念−
4
量子ビーム応用研究
4-1 光速で飛ぶ鏡をレーザーで作る
−プラズマ中の電子密度変調からの光の反射と周波数上昇の実証−
4-2 酵素反応を解明する鍵となる水素原子の観察
− [NiFe ]ヒドロゲナーゼ活性中心モデル化合物の中性子構造解析−
4-3 重イオンが細胞に良く効くのはなぜ? その謎を化学で解く
−DNA損傷を引き起こす活性種を定量評価−
4-4 植物由来のセルロースから作り上げた生分解性弾性ゲル
−放射線橋かけと分子凝集の組合せの妙−
4-5 医学及び産業利用を目指した小型陽子線加速器の実現へ
−レーザー駆動陽子線の生成効率向上を実現−
4-6 温度上昇で収縮する物質中の不規則な構造ひずみ
−局所構造ひずみが引き起こす磁気体積効果の緩和 (インバー効果)−
4-7 新しい放射光X線分光法で観る電子の運動状態
−共鳴非弾性X線散乱による梯子格子銅酸化物の電荷励起の観測−
4-8 長周期の奇妙な結晶構造を金属水素化物で発見
−金属格子中の水素によって誘起される現象解明への手掛かり−
4-9 高温作動燃料電池開発のブレークスルー
−高耐熱性芳香族高分子への導電性付与に成功−
4-10 コンクリート構造物中の鉄筋のひずみを見る
−中性子回折法による非破壊ひずみ測定技術の応用−
4-11 高強度レーザーの小型化・低ノイズ化に成功
−レーザー駆動小型粒子線がん治療器の実現に向けて−
4-12 放射線を感じる仕組みを発見
−線虫C.エレガンスにおけるGPC-1タンパク質の役割−
5
安全研究
5-1 運転経験から学ぶために
−加圧水型原子力発電所における1次冷却水応力腐食割れ事例の分析−
5-2 プルサーマル用MOX燃料のふるまいを計算で追う
−FEMAXI-6コードによるHalden MOX燃料照射データの解析−
5-3 ペレットの組織変化は事故時燃料挙動に影響するか
−反応度事故条件下における高燃焼度BWR燃料からのFPガス放出−
5-4 PWRの苛酷事故を防止する原子炉計装
−事故時の炉心過熱度と出口検出温度との乖離原因を解明したOECD/ROSA実験−
5-5 炉心冷却水の急激な沸騰と泡のふるまいを測る
−反応度事故時燃料発熱量のより正確な予測を目指して−
5-6 原子炉圧力容器鋼の破壊抵抗を調べる
−へき開破壊と粒界破壊が混在するときでも適切に破壊靱性を評価−
5-7 使用済燃料が新燃料に比べて臨界になりにくいことを利用する
−燃焼度クレジット解析手法の検証用データの取得−
5-8 放射性廃棄物の処分可能な放射能レベルは?
−TRU廃棄物の濃度上限値を決定するための被ばく線量の計算−
5-9 放射性廃棄物処分場の閉じ込め性能はどれくらいもつか
−ベントナイト系緩衝材の長期変質挙動のモデル化−
6
先端基礎研究
6-1 超重元素の化学的性質を明らかにする
−104番元素ラザホージウムのフッ化物錯体−
6-2 ネプツニウム化合物の重い電子が示す超伝導
−新物質探索によるアクチノイド科学の展開−
6-3 ミクロな視点でウラン・超ウラン酸化物の個性を探る
−NMR法による電子状態の微視的解明−
6-4 金属材料の劣化診断を原子レベルで評価
−走査型陽電子顕微鏡の開発−
6-5 クラスターDNA損傷による生物効果
−近接したDNA損傷による突然変異誘発−
7
原子力基礎工学研究
7-1 信頼性の高い核反応データの提供に向けて
−統合核データ評価コードCCONEの開発−
7-2 沸騰流を詳しく計測
−中性子ビームで蒸気と水の三次元分布と時間変化を把握−
7-3 マイナーアクチノイド窒化物燃料の優れた熱特性を実証
−微小試料を用いてMA窒化物の高精度な熱伝導率取得に成功−
7-4 原子炉構造材料の経年劣化メカニズム研究の新展開
−EBSDを用いたメソスケールでの SCC機構の研究−
7-5 核医学検査の安全性評価の高度化に貢献
−DNAレベルでの線量評価を可能にする放射性核種データベースを開発−
7-6 高濃縮ウランを含む極微小粒子の選択的検出
−IAEA保障措置のための環境試料分析法の開発−
7-7 超高温ガス炉燃料のさらなる高性能化に向けて
−炭化ジルコニウム被覆燃料粒子の開発−
7-8 IS法による高効率水素製造に向けて
−ブンゼン反応における二酸化硫黄 加圧効果の測定に成功−
8
核燃料サイクル技術開発
8-1 進化するガラス溶融炉
−高レベル放射性廃液のガラス溶融炉の長寿命化を目指して−
8-2 低放射性廃棄物の廃棄体化に向けて
−東海再処理施設における低放射性液体廃棄物処理の将来計画−
9
バックエンド対策に関する技術開発
9-1 廃棄物中の放射性ストロンチウムを測定する
−放射性廃棄物の処分に向けた簡易・迅速分析法の開発−
10
原子力エネルギー基盤連携
10-1 厳しい環境でも腐食しにくい超高純度ステンレス鋼(EHP合金)の開発
−沸騰硝酸下でのEHP合金の優れた耐粒界腐食特性−
11
光医療研究連携
11-1 新原理のイオン加速法を実証
−臨界密度プラズマを用いたレーザーイオン加速:がん治療用粒子線加速器を目指して−
11-2 1本の光ファイバで観察しながら治療する
−レーザー照射機能を有する極細内視鏡の開発−
12
システム計算科学研究
12-1 計算機上での原子力施設モデル化と構造健全性評価
− 原子力発電プラントの振動挙動を推測するための3次元仮想振動台−
12-2 気泡による材料損傷を気泡で抑制する
− 気泡注入による損傷抑制効果の計算科学的検討−
12-3 計算科学が明らかにするタンパク質の大規模構造変化
− 細胞間接着タンパク質インテグリンの構造変化機構の解明−
12-4 鉄鋼材料中の不純物挙動シミュレーション技術の開発
− 加熱により放出される気体から材料の内部状態を推定する−
13
核不拡散科学技術開発
13-1 核拡散抵抗性が高い次世代核燃料サイクル技術を目指して
− 核拡散抵抗性の解析手法及びクライテリアの検討−
14
研究開発拠点における試験技術・施設等の開発
14-1 原子力施設の残存放射能量を適切に評価
−「ふげん」の放射化量評価方法の適用性評価について−
14-2 短寿命放射性核種のビーム利用を実現
−放射性核種用イオン源の開発−
14-3 高速炉燃料の実用化を目指した燃料特性の研究
−ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料の融点と状態図−
14-4 乾式再処理で発生する廃棄物処理技術の開発
−固体・液体廃棄物からのアクチニド元素の回収−
14-5 中性子発生ターゲット材の損傷低減のために
−水銀中に生成する気泡を可視化−
14-6 光ファイバで高温・高放射線下の機器の変位や振動を測定する
−高速炉プラントの構造健全性監視技術の開発−
14-7 高速炉内で放射性物質の消滅を助ける材料を探す
−核変換用中性子減速材候補炭化ホウ素 (
11
B
4
C)の中性子照射試験−
14-8 照射後試験技術開発によるITERへの貢献
−照射を受けた材料の遠隔溶接技術と遠隔加工技術−
14-9 炭素3原子からなる分子イオンの構造・電荷状態を観る
−MeVクラスターイオンビームと物質との相互作用の解明に向けて−
14-10 大深度地下における立坑掘削時の地下水対策
−瑞浪超深地層研究所におけるグラウチング技術の開発−
14-11 ウラン濃縮プラントの合理的な廃止措置に向けて
−フッ化ガスによる系統除染技術開発−
14-12 海水中溶存有機物の高精度な
14
C測定
−AMSによる溶存有機物中
14
C測定のための前処理法の開発−
研究開発拠点
組織体制図
奥付
未来を拓く原子力2007
はじめに
1
次世代原子力システム研究開発
1-1 核データの複雑な構造を正確かつ合理的に処理
−超微細群計算と詳細群計算を併用した高速炉用格子計算コードの開発−
1-2 世界最高温で理想の高速炉燃料被覆管を試す
−高温・重照射したナノ酸化物分散強化型原子力材料の組織安定性評価−
1-3 高速炉を利用したマイナーアクチニドリサイクルの実現に向けて
−高性能アメリシウム含有酸化物燃料の作製技術開発−
1-4 高速炉の低流量時集合体出口温度を精度良く解析
−集合体間の熱伝導とインター・ラッパー・フローによる熱伝達−
1-5 ガス巻き込み渦の内部構造に迫る
−レーザーを使った画像計測による気液界面と流速場の同時計測−
1-6 燃料交換の効率化を目指して
−ナトリウム冷却炉燃料取扱いシステムの検討−
1-7 高速炉蒸気発生器伝熱管検査の高精度化
−ナトリウム付着の影響をシミュレーションで解決−
1-8 制御された温度ゆらぎを与えて構造材料の強さを探る
−高速炉におけるナトリウム高サイクル熱疲労試験−
1-9 原子炉緊急停止に失敗する確率は非常に小さいことを評価
− 「もんじゅ」におけるATWS発生頻度評価−
1-10 「もんじゅ」で発生を想定している熱過渡に対する余裕の評価
− 「もんじゅ」実データに基づくプラント熱過渡裕度評価−
1-11 極限環境下での安全確保への挑戦
− 「もんじゅ」原子炉容器廻り供用期間中検査装置の開発−
2
地層処分技術に関する研究開発
2-1 地層処分技術の知識基盤の構築に向けて
−知識マネジメントシステムの基本設計−
2-2 地質環境や処分場への天然現象の影響を把握する
−天然現象影響評価に関する技術の高度化−
2-3 地層処分容器の超長寿命化の可能性
−低酸素濃度環境における銅オーバーパックの腐食挙動−
2-4 地質環境における物質移動係数を集約・管理する
−拡散データベースシステムの開発と公開−
2-5 大昔の気温の変化を探る
−内陸盆地の堆積物中に保存された花粉を用いた古気候復元−
2-6 坑道掘削の振動を利用して地表から地下を探る
−物理探査法による地下深部の可視化技術−
2-7 地表の微小な傾きから地下水の流れを推定する
−地表傾斜データを利用した水理地質構造の推定−
2-8 比抵抗値による地下水水質分布の推定
−地球統計学による信頼度の向上−
2-9 地下水の水質分布を把握するための調査とモデル化
−幌延深地層研究計画における地下水の地球化学調査−
2-10 地質観察データから岩盤の水理地質構造を推定する
−堆積岩における割れ目調査技術の開発−
3
核融合研究開発
3-1 日欧共同で実施するJT-60SAの概念設計を完成
−ITER支援及び補完研究に向けたJT-60SA計画−
3-2 高圧力プラズマに必要なプラズマ回転速度を探る
−プラズマ変形の抑制に必要な最小プラズマ回転速度の発見−
3-3 尖らせて高いプラズマ圧力を実現
−プラズマ上部形状の尖鋭化による周辺部不安定性の抑制−
3-4 電子乱流熱輸送の抑制機構を解明
−トカマクにおける微視的電子乱流のシミュレーション−
3-5 核融合炉の実規模第一壁の試作に成功
−テストブランケット第一壁製作のための接合技術開発−
3-6 溶接部の違いをヒントに照射硬化抑制手法を開発
−低放射化フェライト鋼F82Hの照射硬化を熱処理で抑制−
3-7 ブランケット中のトリチウム生成率を高精度で測定
−増殖材中での測定及び計算手法の開発−
3-8 核融合炉への安定した燃料供給を目指す材料
−核融合発電炉用先進トリチウム増殖材料の開発−
3-9 核融合炉でのトリチウムと金属の相互作用の探求
−水素誘起局所超塑性によるピラミッド状の高ドームブリスタ形成を発見−
3-10 核融合装置の高温環境下でも使える樹脂製遮へい材料を実現
−高い耐熱性と強度を有する中性子遮へい樹脂材の開発−
4
量子ビーム応用研究
4-1 宇宙に強誘電体の氷が存在することを世界で初めて提唱
−中性子回折による氷XI相の研究−
4-2 イオンビームによる植物の生長制御機構の解明
−植物ホルモンに対する感受性を制御する遺伝子SMAP1の発見−
4-3 ダイヤモンドを超伝導に導く格子振動の発見
−ダイヤモンドの室温超伝導体へ期待−
4-4 DNA修復促進遺伝子pprAの活性化増強機構の発見
−放射線応答機構におけるLexA2タンパク質の役割−
4-5 フラストレート磁性体での特異なスピン配列−中性子散乱法で見るスピン
−格子相互作用−
4-6 植物の光合成機能を診断する
−ポジトロンイメージング技術を用いた炭素同化産物動態の定量解析−
4-7 超新星の中で光が重元素を生成
−超新星爆発での光核反応による重元素生成の原理を解明−
4-8 磁場で曲げる中性子
−磁気光学に基づく高偏極度中性子集光システムの開発−
4-9 微生物産生プラスチックの産業利用に向けて
−放射線と化学処理による高分子の生分解性制御技術の開発−
4-10 「重い電子」の遍歴・局在転移の直接的観測に成功
−f電子系物質の特異な物性の理解に向けて−
4-11 中性子で見えたコンクリート中の水の動き
−コンクリート構造物の劣化診断法への応用−
4-12 銀河宇宙線による電子回路の誤動作を探る
−高エネルギー重イオン入射による半導体の過渡電流発生過程の解明−
4-13 見えにくい構造も高性能X線でくっきり観察
−テラワットレーザーによる高輝度,高コントラストX線の発生−
5
安全研究
5-1 原子力施設のリスク情報の活用を目指して
−ソースタームの不確実さ評価手法の整備−
5-2 被覆管の水素吸収が燃料破損に及ぼす影響を調べる
−反応度事故における高燃焼度軽水炉燃料の破損−
5-3 被覆管の壊れにくさは冷却条件により変わるのか?
−LOCA時の被覆管延性低下に及ぼす冷却時温度履歴の影響−
5-4 放射線照射による沸騰熱伝達の促進
−放射線誘起表面活性効果による限界熱流束の向上−
5-5 加圧熱衝撃に対する原子炉圧力容器の抵抗を調べる
−確率論的破壊力学による原子炉重要機器の高経年化評価−
5-6 将来の高燃焼核燃料サイクルの臨界安全評価に備える−濃縮度5〜10%ウラン燃料体系を対象とした高精度臨界安全評価手法の開発−
5-7 MOX燃料加工施設で使用される添加剤の熱的特性
−ステアリン酸亜鉛の熱分解特性データ及び評価モデルの検討−
5-8 地下深くで物質が動きにくくなる仕組みの解明
−地下240mで行ったき裂内核種移行実験−
5-9 「放射性物質として扱う必要のない物」の放射能レベルは?
−クリアランスレベル評価コードシステムの開発−
6
先端基礎研究
6-1 ネプツニウム化合物の新奇な磁気構造と軌道秩序
−JRR-3における超ウラン元素の中性子散乱実験−
6-2 フラーレン −コバルト薄膜の巨大磁気抵抗効果
−有機分子フラーレンでスピンを操る−
6-3 100万Gの極限環境を利用した新技術
−超重力場(メガグラビトロニクス)を用いた新奇物質探索−
6-4 酵素触媒によるセルロース高分子の人工合成
−中性子小角散乱による「特異場での反応誘起自己組織化機構」の解明−
6-5 難修復性DNA損傷収率の放射線のイオン化・励起密度依存性
−クラスターDNA損傷生成機構に迫る−
7
原子力基礎工学研究
7-1 稠密度の高い燃料集合体の冷却性能を明らかに
−原子炉条件を模擬した大規模試験による把握−
7-2 将来の廃棄物処理処分技術の考案
−分離変換技術による高レベル放射性廃棄物処分場の規模縮小−
7-3 アクチノイド分離用抽出剤の耐放射線性向上を目指して
−放射線分解のメカニズム解明により抽出剤改良の指針を得る−
7-4 乾式再処理におけるマイナーアクチニド挙動解明へ向け大きく前進
−腐食性ガスを使用しないマイナーアクチニド塩化物合成法を開発−
7-5 線量計情報のない重度被ばく者の線量評価を可能に
−臨界事故時の体内元素の放射化に基づく線量評価プログラムの開発−
7-6 DNAに生じた傷の種類と量を見積もる
−放射線によるDNA損傷の全体像を知るための方法を開発−
7-7 高温ガス炉の優れた安全特性を実証
−HTTRを用いた冷却材流量低下模擬試験−
7-8 発電用高温ガス炉の優れた経済性
−高温ガス炉とガスタービンの利点を活かしたシステムの設計研究−
8
核燃料サイクル技術開発
8-1 硝酸プルトニウム溶液の高精度測定の実現
-水晶振動型圧力計と密度チェックで高精度と信頼性を確保-
8-2 保障措置への貢献と更なる効率化に向けて
-東海再処理工場における保障措置の改良-
9
バックエンドに関わる技術開発
9-1 熱影響が少なく狭隘構造にも適用可能な切断技術
−アブレイシブウォータージェットによる炉内構造物の解体−
9-2 コンクリート中の低濃度トリチウムを測定する
−トリチウム汚染物のクリアランス検認のために−
10
システム計算科学研究
10-1 複雑なき裂形状をシミュレーションで再現する
−大規模計算による応力腐食割れ形状のシミュレーション−
10-2 原子力プラントの揺れをとらえる
−スケールが大きく異なる波長を同時に扱うための振動解析技術−
10-3 DNAのねじれやすさを測定する
−DNA力学定数の測定における構造変化のカップリングと外力の影響−
10-4 ナノ秒の感度で中性子を検出するMgB 2超伝導体
−シミュレーションと実験で初めて明らかにしたその超高速な応答能力−
11
核不拡散科学技術開発
11-1 将来の核燃料サイクル施設の保障措置システムを設計する
-保障措置システムシミュレータの開発-
12
研究開発拠点における試験技術・施設等の開発
12-1 「もんじゅ」改造工事期間の短縮に向けて
− 「もんじゅ」における一次冷却系単独運転の検討と実施−
12-2 超重元素科学を切り拓く重イオンビーム
−高電圧端子内重イオン入射装置の開発−
12-3 発電用原子炉の高燃焼度燃料の挙動解明を目指して
−照射済燃料用大気圧水カプセルの設計−
12-4 現在・過去・未来の海を正しく予測
−LAMERを用いた放射性物質海洋拡散シミュレーション−
12-5 高速炉燃料の実用化を目指した燃料特性の研究
−ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料の熱伝導率評価−
12-6 高速炉で照射した燃料ピンの曲がり状況を把握する
−X線CT画像を利用したデータ評価手法の確立−
12-7 ナトリウム冷却炉内で金属試料が破断するまでの時間を測定
−FBR燃料被覆管材料の炉内クリープ破断試験−
12-8 HTTRの燃焼特性評価手法の高度化
−BP (反応度調整材)の燃焼挙動評価用のモデルの改良−
12-9 集束した水素イオンビームでミクロの凱旋門を作った
−高エネルギーサブミクロンビームを用いた三次元微細加工技術の確立−
12-10 湧水に挑む!着工5周年の瑞浪超深地層研究所
−立杭掘削におけるポストグラウチング技術の開発−
研究開発拠点
組織体制図
奥付
未来を拓く原子力2006
巻頭言
1
次世代原子力システム研究開発
1-1 高速増殖炉サイクル実用化に向けて
1-2 主要なエネルギー供給源として有望な高速増殖炉システムの探究
−ナトリウム冷却炉の設計研究−
1-3 コンパクトにした炉内の速い流れをいかに静かに導くか
−ナトリウム冷却大型炉の炉内流動適正化−
1-4 流れの乱れにより励起される配管の振動特性を把握する
−大口径・高流速配管の流動励起振動−
1-5 次世代型燃料サイクル(再処理+燃料製造)の開発
−先進湿式法/簡素化ペレット法に関する研究開発−
1-6 次世代原子炉燃料の再処理プロセスを開発
−NEXTプロセスにおけるアクチニド元素の溶媒抽出−
1-7 厄介なMAを高速炉燃料とする遠隔燃料製造技術を確立
−アメリシウム含有MOX燃料の製造技術開発−
1-8 持続可能な原子力利用の道筋を探る
−高速増殖炉サイクルの導入シナリオ−
1-9 様々な視点から有望な高速増殖炉サイクル概念を見出す
−高速増殖炉サイクルの多面的評価研究−
1-10 サイクル全体を考慮した世界初の安全評価手法を開発
−高速増殖炉サイクルの確率論的安全評価(PSA)研究−
1-11 高速増殖原型炉「もんじゅ」の再開に向けて
−臨界試験から起動試験(40%出力)までの性能試験から−
1-12 フォールトツリー解析による原子炉トリップの頻度を評価
− 「もんじゅ」の原子炉計画外停止頻度と要因の推定−
1-13 3次元輸送計算コードにおける新たな輸送断面積縮約手法を開発
− 「もんじゅ」炉心核特性解析手法の高度化−
1-14 パソコンを用い実時間の1000倍の速度で解析評価
−汎用プラントシミュレーションコードの検証−
1-15 レーザを用いた高速炉の安全性に関する研究
−共鳴イオン化質量分析法を応用した燃料破損検出技術の開発−
1-16 多機能再処理プロセスを確立し分離元素を有効利用する
−ピリジン樹脂による先進核種分離プロセスの開発−
1-17 照射済燃料集合体の内部を透視する
−高エネルギーX線CTを利用した非破壊検査技術の開発−
2
地層処分技術に関する研究開発
2-1 地層処分の技術と信頼を支える研究開発
2-2 地層処分技術の知識基盤の構築に向けて
−知識管理システムの基本概念−
2-3 安全評価に必要な信頼性の高いデータベースをどのように整備するか
−核種移行データベースの開発−
2-4 低アルカリ性セメントの開発
−吹付けコンクリートの施工性に関する研究−
2-5 人工バリア周辺の長期現象を数値シミュレーションで予測する
−熱‐水‐応力‐化学連成モデルの開発−
2-6 高レベル廃棄物地層処分の性能評価研究の進め方
−事業段階における、総合的な性能評価体系の構築・整備に向けて−
2-7 活火山の地下のマグマを検出、紀伊半島の高温泉の原因
−地磁気・地電流の観測・解析による地下深部のマグマ・高温流体の検出−
2-8 炭酸塩鉱物に保存された過去を読み解く
−地球化学環境の長期的変遷の推察−
2-9 坑道掘削が周辺地下水に与える影響の把握
−大規模地下施設建設が周辺環境に与える影響−
2-10 電磁探査から断層の位置・連続性・水理特性を探る
−堆積岩における地質環境調査技術の開発−
2-11 塩分濃度分布から地下水の流れが見える
−堆積岩における塩分濃度分布と地下水流動の関係−
2-12 日本最北端の堆積岩盤深部における応力分布状態の把握に挑む
−原位置と室内試験に基づいた第三紀珪質岩盤の力学モデル構築−
2-13 TRU廃棄物処分研究の成果
−第2次TRUレポートより−
3
核融合研究開発
3-1 核融合エネルギーの実用化に向けて
3-2 核融合炉の発電コストの低減に展望を拓く
−JT-60、核融合炉の省エネルギー運転法の開発−
3-3 高温プラズマの中に絶縁体が出現
−JT-60、プラズマ電流分布の特異な性質の解明−
3-4 プラズマ閉じ込め改善の謎に迫る
−帯状流の性質変化で乱流輸送の制御−
3-5 ドーナツ 1/4周分のプラズマ放射を一目で観測する
−JT-60におけるイメージングボロメータの開発−
3-6 核融合炉の建設コスト低減を目指して
−早期実用化につながるコンパクトな核融合炉の構想−
3-7 1000秒間の高出力ミリ波発振の成功
−核融合用ジャイロトロンで安定な定常動作を行うための手法の確立−
3-8 負イオンNBI装置の電極熱負荷の低減を目指して
−長パルスのビーム入射のための一歩−
3-9 負イオンを大面積、一様に生成する技術を開発
−プラズマ加熱装置の大型化・高出力化にむけて−
3-10 世界に先駆けてITER超伝導コイル用線材を開発
−高性能Nb
3
Sn超伝導線材の量産に成功−
3-11 高性能超伝導コイルを実現する新型ステンレス鋼
−ITER中心ソレノイド用超伝導導体のコンジット材料開発−
3-12 高性能中性子材料を利用しコンパクトな核融合炉をつくる
−水素吸蔵金属を核融合炉遮へい材に応用−
3-13 高速中性子を使って物質深部の水素を測る
−核融合中性子を使った材料分析−
3-14 核融合材料中性子照射のための加速器開発
−定常運転での大電流ビーム加速の鍵は、高精度な高周波特性の確立−
3-15 バイオ技術を用いたトリチウム除去法を開発
−森林土壌からトリチウム酸化菌の培養に成功−
4
量子ビーム応用研究
4-1 量子ビームテクノロジーの研究開発を先導する
4-2 セラミックスのナノホールで水素分離に成功
−炭化ケイ素薄膜を用いた耐熱・耐蝕性水素分離フィルターの開発−
4-3 クリーンエネルギー源の水素を安全に利用するための新しい監視技術を発明
−ガスクロミック現象を応用した水素検知器の開発−
4-4 ナノ微細孔内壁の化学修飾状態を蛍光で識別する新手法を創出
−イオンビームによる機能性高分子膜の創製技術の開発−
4-5 海水ウランの捕集をコスト試算で裏づけ
−高性能金属捕集材による海水ウラン資源採取の検討−
4-6 遺伝子活性化機構の解明とDNA損傷の可視化への応用
−DNA修復促進タンパク質PprA−
4-7 植物は葉や茎の細胞内のDNA量を増やすことで紫外線に強くなれる
−植物の新たな紫外線耐性機構の発見−
4-8 白血球を増殖させる医薬品の作用機構を解明
−ヒト顆粒球コロニー刺激因子と受容体の複合体の立体構造解析−
4-9 放射光X線を用いた電子の運動状態の観測
−共鳴非弾性X線散乱による電子励起−
4-10 放射光を用いた材料内部の残留応力測定
−改良型ひずみスキャニング法による応力解析技術の開発−
4-11 放射光X線によって結晶表面構造を原子レベルで覗く
−放射光を用いたガリウムヒ素半導体成長モニターの開発−
4-12 量子ドットサイズを制御する試み
−量子ドットの前躯体:ナノクラスターに内在する原子数の測定−
4-13 陽子線によるがん治療装置の小型普及化に向けて
−レーザーによる陽子加速の最適条件の発見−
4-14 高強度レーザーを用いた準単色エネルギー電子ビームの生成
−レーザー加速による高品質電子ビーム源の開発−
4-15 量子制御による超高速選択励起の実証
−新しい同位体分離法開発にむけて−
4-16 高出力パルス中性子源の開発
−陽子ビーム励起圧力波によるマイクロピット形成機構の解明−
4-17 世界最高性能の中性子スーパーミラーを開発
−J-PARC加速器中性子源の効率的な利用のために−
5
安全研究
5-1 安全研究の役割と進め方
5-2 核燃料施設でのリスク情報の活用をめざして
−MOX燃料加工施設のPSA手法の整備−
5-3 発電所で長期間使用された燃料の限界性能を調べる
−反応度事故条件下での高燃焼度軽水炉燃料の挙動−
5-4 燃料を長期間照射しても冷却材喪失時の安全性を確保できるのか?
−燃焼の進んだ軽水炉燃料のLOCA時挙動評価−
5-5 事故時燃料ふるまいコードRANNSの開発
−破損メカニズムの解明と破損予測−
5-6 大型実験でPWRシビアアクシデント対策の効果を示す
−最も厳しい破断位置で有効性を検証−
5-7 水蒸気爆発のリスクを評価する
−溶融炉心/冷却材相互作用のシミュレーション−
5-8 自然の力で格納容器を守る
−静的格納容器冷却系(PCCS)用熱交換器の性能評価実験−
5-9 経年劣化が進行した配管が地震で壊れる確率は?
−確率論的破壊力学による発電用原子炉機器の高経年化評価−
5-10 使用済み核燃料の安全で効率的な臨界安全性管理
−燃焼度クレジット導入用計算コード・データベース開発−
5-11 焼却灰などを高温でガラス状に融かして固めた廃棄体の耐久性は?
−ガラス化した放射性廃棄物の処分環境での溶解挙動の評価−
6
先端基礎研究
6-1 未来を拓く先端基礎研究
6-2 変形した状態から原子核の安定性を探る
−中性子過剰
250
Cm原子核の回転状態の観測−
6-3 超重元素はどこまで存在するか
−重・超重核領域の原子核崩壊−
6-4 超重核の量子状態を初めて明らかに
−α-γ核分光による超重核の核構造研究−
6-5 新奇なプルトニウム化合物超伝導体の超伝導状態解明
−核磁気共鳴(NMR)法で未知の超伝導を探る−
6-6 ミュオンスピン緩和法で見たプルトニウム金属の磁性
−固体物理の難題に迫る−
6-7 高輝度陽電子ビームの実現で見える物質最表面の新しい世界
−陽電子全反射回折で解明される最表面ダイナミクス−
6-8 酵母でウランを鉱物化
−微生物によるウランの鉱物化機構を解明−
7
原子力基礎工学研究
7-1 原子力の研究開発の基盤形成と新たな原子力利用技術創生
7-2 大規模数値解析により原子炉内の冷却材の流れを予測
−界面追跡法による二相流詳細解析手法の開発−
7-3 超ウラン元素回収のための新しい有機試薬の創製
−マイナーアクチノイド一括分離用高性能抽出剤の開発−
7-4 乾式再処理工程から再び窒化物燃料を製造する
−液体陰極に回収したプルトニウムの再窒化技術開発−
7-5 原子炉材料の照射誘起応力腐食割れ(IASCC)の挙動解明
−JMTR炉内での応力腐食割れ試験に成功−
7-6 日本海の人工放射性核種分布マップを作成
−日本海における放射性核種移行の特徴の解明−
7-7 中性子・光子・ミュー粒子による被ばく線量の高精度測定に成功
−次世代型放射線モニタDARWINの開発−
7-8 有害物質の処理や放射性廃棄物の有効活用に道
−固体を混ぜた水溶液の放射線誘起の反応により6価クロムの廃液処理を実現−
7-9 高温ガス炉により製造された水素中に混入するトリチウムの抑制へむけて
−実炉における水素透過係数を初めて取得−
7-10 ISプロセス法による原子力水素製造に大きく前進
−セラミックス製大型硫酸分解器の試作に成功−
8
核燃料サイクル技術開発
8-1 核燃料サイクルの確立を目指して
−軽水炉における核燃料サイクル技術開発の推進と民間事業者への技術協力−
8-2 将来サイクルから発生する高レベル放射性廃棄物の特徴
−高レベルガラス固化技術の将来の燃料サイクルへの適用性展望−
8-3 マイクロ波加熱装置(電子レンジ)で作るウラン粉末の生成過程
−硝酸ウラニル溶液のマイクロ波加熱直接脱硝法による脱硝反応機構の解明−
8-4 再処理機器の腐食メカニズム解明に向けたアプローチ
−スチームジェットの腐食と設計改良−
8-5 試薬を使用しない酸濃度分析法の開発
−導電率測定による硝酸プルトニウム溶液等の酸濃度分析−
9
バックエンドに関わる技術開発
9-1 原子力施設廃止措置と放射性廃棄物処理処分に関わる技術開発
9-2 マイクロ波加熱によって溶融固化体試料前処理を効率化
−放射性廃棄物の処分に向けた放射能分析の簡易・迅速化−
9-3 廃止措置エンジニアリング支援システム(DEXUS)の開発
−データベース及び解体作業シミュレーションシステム(VRdose )−
10
システム計算科学研究
10-1 先端的計算により原子力分野における実験の先導・代替、萌芽的研究を推進
10-2 強結合超流動の量子渦構造を計算し、室温超伝導の世界を覗く
−原子ガスの量子渦から見えてくる室温超伝導の世界−
10-3 特大規模を有する原子力施設のための組立構造解析
−部品に分けて特大規模の構造を解く技術−
10-4 地球シミュレータで量子多体問題の限界にチャレンジ
−世界最大の行列計算を速くかつ正確に−
10-5 水が温まりにくくて冷えにくいのはなぜか
−水の比熱の分子論−
10-6 体積振動する複数気泡の位相特性と相互作用力
−未知の特徴周波数「遷移周波数」の存在を確認−
10-7 生物による金属イオンの様々な利用
−ゲノム塩基配列からの銅イオン配位タンパク質の推定−
10-8 計算科学によるタンパク質のRNA相互作用部位の推定
−タンパク質立体構造にもとづくバイオインフォマティクス研究−
10-9 気泡が示す複雑性
−音を通じて相互作用する複数気泡系に奇異な現象「擬交差」を発見−
11
核不拡散科学技術開発
11-1 核不拡散科学技術開発の方向性
11-2 遠隔監視システムで情報交換、公明正大に核物質を利用する
−核物質利用における透明性向上のための遠隔監視システム技術開発−
11-3 どうすれば核兵器プルトニウムを安全・効率的に処分できるか
−ロシア解体核プルトニウム処分研究−
11-4 再処理オフガスの測定による燃焼度と燃料中に含まれるプルトニウム量の評価手法の開発
−キセノン同位体比測定による燃焼度とプルトニウム生成量評価法−
11-5 高放射性廃液中に含まれる微量プルトニウムを測定する
−吸光光度法を利用した簡便な現場査察手法を開発−
12
研究開発拠点における試験技術・施設等の開発
12-1 種々形状の体積試料に含まれる放射能を迅速に決めるための技術を開発する
−代表点法を用いた放射能測定器の効率校正−
12-2 緊急被ばく医療に有用な線量情報を迅速かつ正確に提供する
−小型線量計の組合せによる臨界事故時人体吸収線量計測技術の開発−
12-3 難治ガン克服を目指す先端的医療研究へ貢献する
−ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)のための医療照射支援システムの開発−
12-4 HTTRの燃料温度分布を把握する評価モデルの高精度化
−HTTR燃料温度評価モデルの高精度化−
12-5 IASCC研究を支える巧みな遠隔操作技術
−照射済試験片装荷キャプセルの組立−
12-6 JMTRを利用した照射試験のための核的評価技術
−トリチウム生成量の高精度な評価−
12-7 微細照射を可能にする高品位なイオンビーム生成のために
−サイクロトロンビームの高安定化技術の開発−
12-8 深地層の研究施設の本格的な掘削を開始
−地層処分技術に関する研究開発用の地下研究施設−
12-9 加速器質量分析法によるヨウ素129を高感度で測定する
−中性子放射化分析法より短時間で高精度かつ高感度な測定法−
研究開発拠点
組織体制図
奥付
技術シーズ集トップページ
技術シーズ集 第10版
技術シーズ集第10版の発刊にあたり
技術シーズ集の手引き
原子力機構の技術協力プログラム
1
ライフサイエンス
1-1 α線がん治療薬の短時間定量分析
α線放出核種の分析方法及び分析装置
1-2 癌診断等と同時に、ラジカル濃度測定も可能にする次世代PET
核医学診断装置と評価方法
1-3 放射化法による核医学検査薬の安定供給
放射性廃棄物を低減した放射性医薬品製造プロセス
1-4 全面マスク作業の安全性向上
全面マスク用マグネット固定方式メガネ(保持機構)
1-5 全面マスクに取り付け出来て、更に両手が使える
全面マスク用追加遮光パーツ
1-6 小型・軽量で取扱い容易な
可搬型甲状腺ヨウ素モニタ
1-7 自動で分注・減圧ろ過できる
自動ピペットシステム・自動減圧ろ過装置
1-8 湿度変化に強い高機能性和紙
ハイドロゲル塗工和紙及び消臭和紙
1-9 高い耐放射線性と綺麗な画質を両立
耐放射線デジタルカメラシステム
1-10 極少量のサンプルを高純度化できる
キャピラリー電気泳動法を用いる高純度試料精製法
1-11 汚染時に作業者を速やかに退避可能
身体除染用の高機能な簡単組立テント
1-12 汚染を閉じ込めながら重量物を安全に搬出入できる
大型機器類のバッグイン・バッグアウト方法
2
環境関連
2-1 シリカ粒子の「大粒径・大細孔径」化を実現
吸着・分離カラム用の多孔質粒子の製造法開発
2-2 放射線下等の劣悪環境で使用できるLED照明
耐放射線性直管型LED照明
2-3 粘土鉱物を光触媒に変換できる
光触媒の製造方法、還元方法、及び光触媒
2-4 光触媒TiO
2
の弱点を克服
超熱分子ビームによる窒素ドープTiO
2
の製造方法
2-5 有害金属を簡便・選択的に除去
鉛を捕まえる低コスト抽出剤
2-6 燃料電池等へ需要急増の素材を高純度で回収
金属を高純度で回収し工業製品へリサイクル
2-7 有用金属の分離回収を簡便に
驚異的な金属分離能を示す低コスト抽出剤
2-8 レアメタルを効率的に抽出してリサイクル
相互分離が困難な元素を選択的に分離
2-9 水から簡単に水素を生成
固体電解質膜水電解法による水素水製造装置
2-10 環境にやさしいコンクリート製造
新規ジオポリマーの製造方法
2-11 放射性セシウムの安定化処理
放射性セシウム含有フェロシアン化物中のシアンの分解とセシウムの安定固定化の同時処理技術
2-12 仕様変更が容易な金属イオン吸着材
多孔質シリカチタン酸吸着材による金属イオンの除去
2-13 母材金属の溶解を抑えた除染方法
次亜塩素酸を含む酸性電解水を用いた汚染金属の除染
2-14 電解凝集法による汚染物質の除去
化学薬品不使用で環境にやさしい除去プロセス
2-15 現実気象下での化学物質の移行評価
汚染物質の陸面への移行を計算するソフトウェア「SOLVEG-GAP」
3
ナノ・材料
3-1 中性子によるタンパク質の構造解析・リチウム電池の劣化挙動解明を時短化
中性子の高強度化を可能にする反射材
3-2 高い薬品耐性を持つ金属回収用吸着剤の合成手法を開発
含フッ素単環芳香属化合物金属イオン用吸着剤の製造
3-3 水素分離膜の均質性を向上
水素分離膜の回転製膜法
3-4 柔らか素材・高強度のγ線遮蔽材の提供
CNT長繊維に金属メッキした、γ線遮蔽シート(布)の開発
3-5 セルロースナノファイバーゲル(環境や生体との親和性が高い生分解性高強度多孔質材料)
ゲル、多孔質体、及びゲル又は多孔質体の製造方法
3-6 食品骨廃材を用いた環境浄化(有害金属を高効率で除去可能な低コスト吸着剤)
炭酸基高含有炭酸アパタイト
3-7 泡で削って汚れを剥がす
ウルトラファインバブル水による金属表面洗浄
3-8 和紙の質感で立体形状物を製作
放射線改質ゲルを用いた吹付和紙
3-9 レーザー管理区域を容易に設定
レーザー用遮光シート
3-10 チタンと他金属の接合性向上
軽くて錆びないチタン製刃物の製造方法
3-11 低環境負荷、低濃度で防錆可能
淡水中の炭素鋼に有効な新規防錆剤
3-12 シンプルな集積可能インダクタ
薄膜インダクタ素子・薄膜可変インダクタ素子
3-13 放射線に強い熱電発電
スピン熱電素子を用いた廃熱利用と原子力電池
3-14 高強度アルミ合金の脆化防止
材料中の水素を吸収し脆化を防止する添加物質
3-15 600℃以上でも強く壊れにくい
酸化物分散強化型(ODS)高Cr鋼
3-16 硝酸に負けない強い材料
耐粒界腐食性に優れた超高純度ステンレス鋼
3-17 液体アルカリ金属の化学反応を抑える
ナノ粒子を液体アルカリ金属に混ぜて性質を制御
3-18 鋼中のホウ素分布を可視化する
中性子(JRR-3)を用いたホウ素の放射化分析法
3-19 極限環境で機械試験ができる
環境を制御した酸・アルカリ溶液中の機械試験法
4
機械・装置
4-1 全方位の放射能汚染を可視化する
小型軽量なガンマ線用360度カメラ
4-2 荷電粒子ビームの収束と分布成形を同時に行う
機能結合型多極電磁石
4-3 複雑形状にも塗布可能で、耐食性に優れる
高温沸騰硫酸下で耐熱耐食性のある表面被覆剤
4-4 空気を通すだけのスポット冷却装置
産学連携で生まれたボルテックスチューブ
4-5 セシウムフリー、かつ小型・高効率で極めて安全な負イオン源の提供
粉粒体の高周波加熱による負イオン生成装置の開発
4-6 広帯域で核磁気共鳴(NMR)
広帯域で使用できるNMR用プローブ
4-7 遠隔で表面の形状と元素組成を同時に検知
遠隔操作による元素マッピング計測装置
4-8 電源なしで超高真空を維持
真空容器型のゲッターポンプへの表面改質
4-9 高線量率場で遮蔽せずγ線スペクトル測定ができる
高線量率特化型γ線スペクトロメーターの開発
4-10 大強度ビームを安定に計測
高耐久性・多機能イオンビームモニタ
4-11 水素と重水素を分ける
電気化学法による水素同位体ガスの濃縮分離
4-12 溶液中から簡便にレアメタルを回収可能
協同抽出効果を利用したレアメタル回収技術
4-13 フィルターを必要としない気体浄化技術
縮小拡大管を利用した飛散微粒子除去技術
4-14 低コストな高温用熱交換器
熱交換装置
4-15 粉末試料の直接採取
集塵ドリルによる粉末試料の採取
4-16 セラミック被覆金属材の切断
プラズマ切断技術を用いた連携切断手法
4-17 レーザによる二重管の同時切断
レーザ切断手法の高度化
4-18 遠隔加工・監視装置
配管から挿入し、内部構造物を遠隔加工・監視
4-19 ボイラ内堆積物を容易に除去
ドライアイスによる堆積物除去技術
4-20 ウォーターハンマー抑制
水質測定システム及び差圧調整弁
4-21 高温ガス炉の廃熱を有効利用
海水淡水化システムの高度化
4-22 触媒部材で水素燃焼爆発を防止
水素爆発防止装置
4-23 堆積物の選択的切断・取出し
AWJ(アブレイシブウォータージェット)切断工法
4-24 ニ重管の遠隔切断加工
二重管同時把持のまま管内から切断する装置
4-25 高温ガス炉の熱による水素製造
熱化学水素製造法(ISプロセス)の開発技術
4-26 より振動に強い建物を目指して
3次元免震装置
4-27 破損検知による漏えい防止
強腐食性溶液の漏えい予兆検知
4-28 放射線下にある軽水炉冷却水内の腐食環境を再現できる
高温水中放射線分解水質を模擬した腐食試験技術
4-29 硫酸分解反応器内部の液位計測
硫酸分解反応器の破損防止
5
情報
5-1 観測点を減らしても隈なく観測
最適な観測点を決定することで、観測にかかる時間とコストを節約
5-2 レーザー表面熱処理(焼き入れ)を数値解析により最適化
数値解析アプリケーションの開発
5-3 現実空間と仮想空間における情報共有手法
写真を用いたVRとARの同時実装
5-4 可視光を用いて無線で通信
LEDとカメラによる照明兼用の無線通信システム
5-5 スパコンの3次元データを簡便に処理
粒子データを利用した可視化技術「PBVR」
5-6 大規模科学技術計算を高速化
オープンソース行列計算ライブラリ「PARCEL」
5-7 分子シミュレーションコード
多様な分子シミュレーションを並列計算できる「PIMD」
5-8 放射線の動きを再現
放射線挙動を模擬するモンテカルロ計算コード「PHITS」
5-9 様々な大気拡散予測を迅速に
大気拡散データベースシステム「WSPEEDI-DB」
5-10 将来の川の地形変化を予測
川の土砂の運搬を考慮した地形変化の数値シミュレーション
5-11 原子力発電所の地震リスクを評価
事故シーケンス評価用コードSECOM2
6
計測
6-1 既存の分析機器をグレードアップするデータ処理方法
機械学習による既存分析機器の高精度化・分析処理の自動化
6-2 360°パノラマ放射線イメージング
全方向検知型放射線測定システム
6-3 光ファイバによる線量・汚染分布の遠隔連続計測
光の色情報から放射線の入射位置を逆推定
6-4 試料を破壊せず、非接触で温度を計測
透過力の高い中性子を利用し、物体内部の温度を計測する手法
6-5 部品内の残留応力を測定
中性子回折による残留応力分布測定技術
6-6 環境変化による保護皮膜の耐食性消失を瞬時に検知する
金属酸化物薄膜還元検知センサ
6-7 赤外線放射率を簡便に測定
赤外線放射率を小型・簡便に測定するセンサー
6-8 精度よく差圧を検知
気圧変動環境下で精度よく差圧を検知する検出器
6-9 耐熱歪センサで高温プラントを監視
プラントの安全管理技術向上への挑戦
6-10 温度分布と欠陥検出の同時計測
金属棒を挿せば超高温・苛酷場の温度分布と欠陥検出が計測可能に
6-11 超音波技術により鮮明に可視化できる
高視認性超音波検査装置
6-12 微小キズの検出と内・外面の識別が可能
強磁性管の渦電流探傷システム
6-13 鉄筋コンクリートの新たな遠隔検査方法
鉄筋を伝播する超音波を用いた鉄筋コンクリートの検査方法
6-14 簡便に弾性波トモグラフィ調査を実施可能に
孔内起振源を用いた簡易弾性波トモグラフィ試験
6-15 大深度地下の地下水を調べる
水中浮遊型プローブによる地下水検層
6-16 高放射線環境下や汚染された水中でも観察可能
光ファイバを用いた遠隔観察用スコープ
6-17 ラドン子孫核種を正確に検出
α線・β線が弁別可視化できるラドン子孫核種の新しい検出器
6-18 水中の低濃度放射性セシウムをリアルタイムに検知する濁度測定技術
懸濁水中放射性セシウムモニタリングシステム
6-19 アルファ線のエネルギー分布、放射能分布を同時かつリアルタイムに
エネルギー弁別・位置検出型α線計測装置
6-20 あらゆる計測に革新をもたらす これからは信号も個性の時代
波形解析による検出器識別
6-21 3000Kを超える超高温の世界を科学する
比熱とエンタルピー変化の測定方法および測定装置
6-22 サンプリング不要で瞬時に水素濃度を測定
シンプルかつロバストな水素濃度計
7
分析
7-1 複数のアルファ核種を一斉に測定
全自動かつ迅速な検出技術
7-2 色収差なしで局所分光分析できる
非球面ミラー光学系を用いた可視・近赤外分光法
7-3 テーブルトップで炭素‐14年代測定 超小型加速器質量分析装置
イオンビーム機能性透過膜による加速器質量分析装置の小型化
7-4 測定困難だった元素でも分析できるように 多元素同時・非破壊元素分析法
大強度パルス中性子を利用した新しい放射化分析
7-5 物質内の原子構造や原子配列、スピンの揺らぎを調べる
中性子回折・散乱による物質の構造と磁性の解析
7-6 高温・高圧・高放射線環境下でも安定的に水素濃度の測定が可能
プロトン導電性セラミックスを用いた水素濃度計
7-7 化学的な前処理不要で同位体分析が可能
プラズマジェットと高感度レーザー分光を用いた同位体分析技術
7-8 非破壊で核物質を検知・計量
中性子を用いた核物質の非破壊測定手法
7-9 元素と硬度を非破壊で同時に知る
元素と硬度を非破壊で瞬時に計測可能なシステム
7-10 化合物や混合物の着目元素のみ抽出する2次元分布測定手法
画像処理アルゴリズムにより、着目元素のみ測定干渉を避けて分離、2次元分布として表示
8
JAEA知財の利用例
利用例 1 廃炉等放射線作業現場の放射線分布を見える化
放射線観測用ロボット
利用例 2 煩雑な操作に掛かる時間と労力を大幅に低減
研究室の自動化シリーズ (ろかすま・ぴぺすま)
利用例 3 自宅でラドン温泉を楽しむ タイルがつくる癒しの空間
温泉グッズ「ドールストーン」
利用例 4 高性能と簡便・低コストが両立する溶媒抽出技術
革新的なエマルションフロー法とその関連技術
利用例 5 消臭効果と抗菌作用が期待できる
福マスク(布マスクwith消臭和の紙)
利用例 6 降雪地域における道路交通の安全・安心を提供し、省エネ管理に寄与
路面センサー、車載式塩分濃度センサー
利用例 7 レーザー作業現場で容易に安全な作業環境を確保
レーザーバリアカーテン