図4-14 クライオスタットの製作状況
図4-15 フィーダシステムの設計
図4-16 中心ソレノイドの製作状況
サテライト・トカマク計画では、各機器の設計・製作を含む建設活動が日欧協力により実施されています。日本分担であるクライオスタットベースの組立及び遠隔保守用溶接切断装置、欧州分担である超伝導トロイダル磁場コイル試験の調達取決めが新たに締結され、2012年2月までに日欧実施機関間の調達取決めは、合わせて18件となりました。
欧州が分担するクライオスタットベースについては、下部構造体(120度セクター)3体の溶接作業が完了し、寸法確認(図4- 14)を経て、±0.5 mm以内の高い精度で仕上げる機械加工が開始されました。超伝導トロイダル磁場コイルについては、2010年のNbTi導体に引き続き、2011年にコイル製作の契約が締結されました。超伝導コイルのクエンチ保護回路については契約が締結され、詳細設計が完了しました。
日本が分担する真空容器については、40度セクターの3体目が那珂核融合研究所(那珂研)で完成しました。超伝導ポロイダル磁場コイルについては、トカマクの最下部に設置される平衡磁場コイル(EF4)が那珂研に搬入されました。電流導入端子ボックス(CTB),高温超伝導電流導入端子(HTS-CL)及び超伝導コイル(TFC,CS,EF4)の詳細設計に基づき、それらを結ぶフィーダシステムが設計されました(図4- 15)。また、Nb3Sn導体を使用する中心ソレノイドについては、銅のダミー導体を用いた巻線試験を開始しました(図4- 16)。
一方、那珂研におけるJT-60の解体作業も予定通り進捗し、2013年1月から本格的に始まるJT-60SAトカマクの組立に向け、建設活動が順調に進展しました。