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1 次世代原子力システム研究開発

FBRサイクルの実用化に向けて
−実用化研究開発における革新的な技術の開発への取組み−

図1-1 FaCTプロジェクトの革新的な技術開発課題
拡大図(247KB)

図1-1 FaCTプロジェクトの革新的な技術開発課題

(a)原子炉システムに関して取り組むべき革新的技術は、経済性,安全性,信頼性の観点から、建屋容積・物量の削減,炉心燃料開発,ナトリウム取扱技術,炉心安全性,耐震性の向上といった分野で13の新たな技術が挙げられています。
(b)燃料サイクルシステムに関して取り組むべき革新的技術は、経済性,安全性に加え、持続可能性や核不拡散性といった観点も加わり、使用済燃料の再処理技術と燃料製造技術の分野で12の新たな技術が挙げられています。

私たちは、高速増殖炉(FBR)サイクルの実用化に向け、「2025年頃の実証炉の実現,2050年よりも前の商業炉の開発」を目指し、電気事業者,メーカなどと連携して「高速増殖炉サイクル実用化研究開発(FaCTプロジェクト)」を推進しています。

FaCTプロジェクトでは、酸化物燃料を用いたナトリウム冷却FBR,先進湿式法再処理及び簡素化ペレット法燃料製造を組み合せた概念を中心に進めており、2010年には革新的な技術の判断(図1-1に示す革新技術の成立性見極め)を行い、2015年には実証炉及び実用炉の概念設計と実用化に向けた研究開発計画案の提示を行う計画です。2008年度はFaCTプロジェクト開始から三年目に当たり、2010年の技術判断に向け、これまでの成果と今後の計画についての中間取りまとめを実施しました。本章で紹介する各トピックスのテーマは以下のとおりです。

FBRシステムの技術開発では、実証炉や実用炉のシステム設計研究を進め、原子炉プラントの概念を構築しています(トピックス1-1)。炉心燃料に係る技術開発では、環境負荷低減性を向上させるため、炉心燃料にマイナーアクチニド(MA)を含有する燃料設計(トピックス1-2)や照射試験による健全性の確認(トピックス1-3)を実施しています。原子炉容器をコンパクト化して建設コストを低減するため、炉内構造物の温度ゆらぎ現象を解明する三次元解析を可能とし(トピックス1-4)、機器・構造物の設計基準を高度化して設計を合理化する提案をしました(トピックス1-5)。信頼性向上に係る技術開発では、運転中の高温配管の減肉をモニタリングできるセンサを開発し(トピックス1-6)、また、Na漏えい対策などに反映する基盤技術としてNaの燃焼機構を解明しています(トピックス1-7)。安全性向上に係る技術開発では、巨大地震に耐えうる合理的な設計を目指し、免震装置の破断に至る貴重なデータを取得しました(トピックス1-8)。

燃料サイクルシステムの技術開発では、再処理プロセスの高効率を目指した連続溶解槽の開発を進め(トピックス1-9)、抽出プロセスではU-Pu-Npの一括回収が可能となりました (トピックス1-10)。燃料製造プロセスでは、マイクロ波脱硝におけるメカニズム解明を進めました(トピックス1-11)。