8-9 地層処分場設計に関わる情報の一元管理を目指して

−地層処分のための設計支援システムの開発−

図8-23 設計支援システム及び外部システム等との相関の概念

図8-23 設計支援システム及び外部システム等との相関の概念

設計支援システムは、インターフェースで繋がる外部システム等(ISISやe-PAR等)との情報を含めて設計に関わる情報を一元的に管理します。また、処分場の設計の情報を三次元図上で示すことができます。

 

図8-24 設計支援システムの機能確認のための設計変更シナリオの例

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図8-24 設計支援システムの機能確認のための設計変更シナリオの例

(a)文献調査で想定された地層に対する(b)処分場の設計案に対して、(c)概要調査の結果更新された地層に対応するように、(d)処分パネルの配置を変更しています。

 

表8-1 機能確認における閲覧情報及び登録情報の一覧

設計支援システム(プロトタイプ)の機能確認のために、図8-24で示した設計変更シナリオで取り扱う情報の一覧を示しています。

表8-1 機能確認における閲覧情報及び登録情報の一覧

 


高レベル放射性廃棄物の地層処分事業では、文献調査段階から処分場の設計が行われ、概要調査段階、精密調査段階と、地層の状況等が段階的により詳しく把握されていく過程で設計が適宜見直されます。このような設計の見直しは、処分場の建設段階の間でも行われます。

地層処分事業期間は百年程度と想定され、世代を超えて技術者が携わることから、処分場の設計に関わる全ての情報(地質環境条件等の処分場設計の前提条件、設計のための解析、設計結果等)の変遷、処分場の建設段階においてはその施工情報の確実な継承が重要となります。

そこで、上記の多種多様な情報について、その変遷の一元管理や処分場の三次元図上への表示等を可能とする設計支援システム(図8-23)を検討しました。設計支援システムの主な役割は、ビューワ機能を備えたデータベース(DB)であり、処分場の設計、施工に関わる情報を6種類に分けて管理します。情報(データ)の書式は、長期の事業期間を考慮し、国際標準のIFCフォーマットとしました。

処分場の設計で利用する解析ツールや解析の前提となる地質環境についてのデータセット等は、本システムとはインターフェース(IF)を介して情報の受け渡しを行います。これにより、解析ツールやDBは、本システムとは独立して、適宜柔軟に最新・最適なものとしていくことができます。

図8-23の概念と機能を具現化したプロトタイプの試行により、その有効性を確認しました。試行の一例である図8-24に示す設計変更では、地形・地質DBから表8-1に示す文献調査結果に基づく設計用の地形・地質情報を読み込み、ISISからIFを介して閲覧した概要調査結果の地形・地質情報を参照して更新した概要調査結果に基づく設計用の地形・地質情報をDBに登録しました。そして、設計DBから読み込んだ文献調査結果に基づく処分場の設計を、更新された地形・地質情報に合わせて更新し、概要調査結果に基づく処分場の設計としてDBに登録しました。

このような設計支援システムのプロトタイプの開発と試行は、処分事業に用いる実用型の開発の基盤となると考えられます。また、本システムが可能とする地層処分事業での情報の見える化は、地層処分事業に対する社会の理解促進や受入れへの貢献が期待されます。

本研究は、経済産業省資源エネルギー庁からの受託事業「地層処分技術調査等事業(直接処分等代替処分技術開発)」及び「高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(直接処分等代替処分技術開発)」(平成25〜29年度)の成果の一部です。



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