14-11 ウラン濃縮プラントの合理的な廃止措置に向けて

−フッ化ガスによる系統除染技術開発−

図14-24 IF7ガスによる系統除染技術概要
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図14-24 IF7ガスによる系統除染技術概要

 

図14-25 ウラン化合物の除染効果
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図14-25 ウラン化合物の除染効果


人形峠環境技術センターでは、六フッ化ウラン(UF6)ガスを、カスケード(遠心分離機の集合体)に供給することによって、濃縮ウランを製造する「ウラン濃縮技術開発」を行ってきました。そのため、およそ10年間の連続運転をした遠心分離機などのプラント機器内部には、ウラン化合物が付着しています。

現在、人形峠環境技術センターでは、技術開発に使用したプラントの廃止措置段階を迎えており、運転が終了したウラン濃縮プラントでは、フッ化ガス(七フッ化ヨウ素:IF7)を用いたプロセス系統の乾式除染と、遠心分離機などの機器を系統から取り外し希硫酸処理する湿式除染を組み合わせ、遠心分離機などの機材・部品をクリアランスレベル(想定目標値0.1Bq/g)まで除染することを基本方針とし、技術開発を進めてきました。このIF7ガスを用いた乾式除染法は新技術であり、除染性能などに関する知見は報告されていません。そのため、ここでの成果が最初のものとなり、現在、民間の濃縮施設へ適用されることが決まっています。

プラント機器内部に真空保持されたウラン化合物は、固体の中間フッ化物UFX(4≦X≦5)が主であることから、乾式除染法の原理として、この中間フッ化物は、IF7ガスと(1)式の反応により、再フッ化され、常温では気体のUF6と五フッ化ヨウ素(IF5)が生成されます。本技術では、この化学反応を利用し、配管がつながった状態でカスケード内に付着しているウラン化合物の系統除染を行います(図14-24)。

 

UFX(s)+IF7(g) → UF6(g)+IF5(g)+IF5(g)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)

 

これまでの開発成果として、基礎試験などを経て、実際のウラン濃縮プラントを対象としたカスケード処理を行ってきました。その結果、除染期間は60日間程度、カスケード全体のウラン回収率は、除染前のウラン付着量と比較しておよそ99%(図14-25(c))、遠心分離機などの主要部材はばらつきがあるもののおよそ1.0Bq/gまで除染でき(図14-25(d))、本技術は系統除染にもかかわらず、非常に高い除染性能を有していることが確認できました。これより、希硫酸による湿式除染と組み合わせて、クリアランスレベルまで除染するという基本方針に対し、本技術が非常に有効であることが実証できました。