巻頭言

殿塚理事長

『未来を拓く原子力』の創刊に寄せて

 

昨年10月1日に日本原子力研究所と核燃料サイクル機構が統合し、独立行政法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)として新たな出発をいたしました。発足後は、皆さま方からの多大なるご支援、ご協力を賜りましてこのたび設立一周年を迎えることができました。誠に有難く、まずは、心より厚く御礼申し上げます。

原子力機構は、日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が原子力草創期から今日までに培ってきた約50年間の伝統と研究開発の実績を継承し、原子力に関する我が国唯一の総合的な研究開発機関として、「原子力の未来を切り拓き、人類社会の福祉に貢献する」ことを使命としております。

具体的には、次世代原子力システム研究開発、地層処分技術に関する研究開発、核融合研究開発、量子ビーム応用研究及び安全研究等、原子力にかかわる基礎・基盤から応用・実用化に至る幅広い研究開発を進めております。私どもは、将来に向けて、それぞれの研究分野で「世界一を目指す」という高い志を持ち、国民の皆さまの負託や社会の要請に応えて創造性あふれる研究開発成果を生み出し、世界の中核拠点(Center of Excellence)となることを目指して努力いたしたいと考えております。

さて、研究成果の普及のための情報発信につきましては、本年6月に開催しました「第1回原子力機構報告会」をはじめとする各種報告会やセミナー等を通じて実施して参りました。加えて、JAEAレポートとしてその詳細をとりまとめ、国内外の主要な大学や研究機関及び国立国会図書館等に紹介させていただくとともに原子力機構ホームページから全文を発信して成果の普及に努めております。

そして、今回、多岐にわたる原子力機構の研究開発成果をより広く紹介するために、最新の成果をわかりやすく解説した冊子『未来を拓く原子力』を新たに発行することといたしました。本誌が原子力機構の研究開発活動について皆さまのご理解の一助となりますことを願っております。

本誌の創刊にあたり、日頃からご支援を頂いております皆さま方に改めて感謝申し上げますとともに、引き続きのご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

平成18年10月1日

独立行政法人

日本原子力研究開発機構

理事長

理事長名:殿塚ゆう一