原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について | ||
1 | 高温ガス炉水素・熱利用研究 | |
高温ガス炉とこれによる水素製造・熱利用技術の研究開発 | ||
1-1 | 耐熱性能を向上した中性子検出器の開発 −高温ガス炉特有の熱サイクル負荷に対する考慮− 小澤 太教 | |
1-2 | 高温ガス炉を利用した水素製造技術の確証に向けて −HTTR−熱利用試験施設の安全設計方針を策定− 青木 健 | |
1-3 | 高温ガス炉の燃料健全性を合理的に評価するには? −高温ガス炉用TRISO燃料の損傷評価法の合理化− 沖田 将一朗 | |
1-4 | 高温ガス炉使用済燃料の再処理技術の成立性検討 −既存のPUREX技術を用いた再処理の経済性向上− 深谷 裕司 | |
1-5 | IS法による水素製造の安定性向上に向けて −ヨウ素析出による配管閉塞を防止する溶液組成制御法の開発− 上地 優 | |
1-6 | IS水素製造法の消費エネルギーを低減 −架橋により膨潤を抑制したヨウ化水素濃縮用カチオン交換膜を開発− 田中 伸幸 | |
1-7 | IS法で用いる金属部材の耐食性向上を目指して −沸騰硫酸環境下に耐えられるコーティング材を発見− 広田 憲亮 | |
2 | 高速炉研究開発 | |
高速炉サイクルの研究開発基盤の整備 | ||
2-1 | 炉心損傷事故対策による発生頻度低減効果の評価 −高速炉の出力運転時における確率論的リスク評価の適用− 西野 裕之 | |
2-2 | 溶融炉心物質を原子炉容器内で冷やし閉じ込める −ナトリウム中を落下する溶融炉心物質の振る舞いを可視化する試験− 松葉 賢一 | |
2-3 | 高速炉プラント全体の熱流動挙動を精度良く予測する −1次元プラント挙動解析と3次元詳細解析の連成− 吉村 一夫 | |
2-4 | 高速炉用ラッパ管への異材溶接の適用を目指して −運転中に想定される高温での適用性を微細構造解析から解明する− 丹野 敬嗣 | |
2-5 | 高速炉の遮蔽設計の合理化に向けて −最新の知見に基づいた「もんじゅ」ナトリウム放射化量の評価− 毛利 哲也 | |
3 | 先端原子力科学研究 | |
新原子力の実現に向けた基礎研究 | ||
3-1 | アクチノイド原子核のγ線核分光技術を確立 −超重元素の原子核構造研究に前進− Riccardo Orlandi | |
3-2 | クォークが生み出す核力の斥力芯の起源に迫る −J-PARCにおけるΣ+粒子と陽子の散乱実験− 七村 拓野 | |
3-3 | ウラン化合物超伝導体の純良化に成功 −ウラン系超伝導の機構解明に寄与する− 酒井 宏典 | |
3-4 | 音波の高感度な測定を目指して −音波が結晶の電流−電圧特性を変える− 森 道康 | |
3-5 | なぜ1原子層のグラフェンで水素と重水素を分離できるのか? −量子トンネル効果で重水素を大量生産− 保田 諭 | |
3-6 | 高性能・高機能トンネル磁気抵抗素子を実現する積層電極構造の開発に成功 −新磁性材料を用いたトンネル磁気抵抗素子の産業応用へ大きく前進− 鈴木 和也 | |
3-7 | 薄型磁石に潜む不思議なエネルギー −極小の空間で初めて起こるエネルギー生成機構の理論的解明− 鈴木 渓 | |
4 | 原子力基礎工学研究 | |
原子力科学の共通基盤技術を維持・強化して原子力利用技術を創出 | ||
4-1 | アクティブ法による核物質非破壊測定装置の開発 −3つの非破壊分析測定を実施できる世界初の装置Active-N− 土屋 晴文 | |
4-2 | 多様化するニーズに応える基盤データベースを提供 −最新の核データライブラリ「JENDL-5」を開発− 岩本 修 | |
4-3 | MA核変換用窒化物燃料再処理におけるMA回収率の向上に向けて −腐食性ガスを使わずに白金族化合物中のネプツニウムを塩化物にすることに成功− 林 博和 | |
4-4 | キレート法を応用した新規腐食抑制手法を開発 −EDTAを利用した金属イオン導入によりすき間腐食を抑制− 青山 高士 | |
4-5 | 計算科学を用いて合金の強度を評価する −元素戦略による電子状態計算に基づく合金設計− 都留 智仁 | |
4-6 | アクチノイド重元素が水と油の間を移動するメカニズム −振動和周波発生分光法による溶媒抽出界面の分子構造研究− 日下 良二 | |
4-7 | 重粒子線治療の全身被ばく線量評価システムが完成 −過去の重粒子線治療の症例から学び、未来の放射線治療に活かす− 古田 琢哉 | |
4-8 | 核破砕反応で放出する中性子を測る −核反応モデルによる予測精度向上に向けて− 岩元 大樹 | |
5 | 中性子及び放射光利用研究 | |
幅広い科学技術・学術分野における革新的成果の創出を目指して | ||
5-1 | 大強度負水素イオンビームの損失原因を探る −残留ガスとの衝突で電荷を失った中性ビームを観測− 田村 潤 | |
5-2 | 世界最高圧力下での中性子非弾性散乱実験に成功 −21万気圧での金属水素化物の水素振動励起を観測− 服部 高典 | |
5-3 | パルス超強磁場下での中性子回折実験の実現 −30テスラ以上の強磁場パルスマグネットシステムの開発− 渡辺 真朗 | |
5-4 | 原子の磁気を原子核の磁気と比べて測る −強い磁石の開発や磁気構造の解明に役立つ新中性子散乱法− 目時 直人 | |
5-5 | 全固体電池内のリチウムイオンの動きを捉えることに成功 −中性子深さ分析によりイオンのリアルタイム計測を実現− 大澤 崇人 | |
5-6 | アクチノイドのレーザーアシスト分離法の原理実証 −f電子を光で操作し、抽出剤で分離・回収する− 横山 啓一 | |
5-7 | 高輝度放射光で解き明かすシリコン酸化膜の成長過程 −ナノデバイスの世界を支配する界面欠陥とキャリア捕獲− 津田 泰孝 | |
6 | システム計算科学研究 | |
原子力研究開発を支える計算科学技術 | ||
6-1 | 機械学習なら核燃料物質内の原子の動きを予測できるかも? −機械学習分子動力学法の核燃料物質への適用に向けて− 小林 恵太 | |
6-2 | 液体金属脆化の元素選択性の解明 −脆化発生のエネルギー基準:原子論的弱い相互作用− 山口 正剛 | |
6-3 | 水に溶けたラジウムの姿を世界で初めて分子レベルで究明 −キュリー夫妻による発見から125年、ラジウムの分子レベル研究の幕開け− 山口 瑛子 | |
6-4 | 仮想空間で大規模なシミュレーション結果を探索 −対話的な遠隔VR可視化を可能に− 河村 拓馬 | |
6-5 | 原子力シミュレーションを加速するデータ変換手法の開発 −16bit演算を用いた行列解法で64bit演算と同等の収束特性を達成− 伊奈 拓也 | |
7 | 核不拡散・核セキュリティ技術開発 | |
原子力平和利用を支える核不拡散・核セキュリティに関する技術開発・人材育成 | ||
7-1 | 大規模イベントを核・放射線テロから守る −高速中性子線がどの方向から飛来しているかを特定する検出装置の開発− 高橋 時音 | |
8 | 福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発 | |
●廃止措置に向けた研究開発/●環境回復に係る研究開発 | ||
8-1 | ●チョルノービリ原子力発電所から学ぶ −1Fの燃料デブリの経年変化を抑える条件とは− 北垣 徹 | |
8-2 | ●燃料デブリから放出される放射線を明らかにする −多様な燃料デブリの制動放射X線の特性と線量率影響の解明− 松村 太伊知 | |
8-3 | ●チェレンコフ放射の指向性を利用して90Sr/90Yと137Csの弁別を実現 −90Sr/90Yと137Csの線源位置を同時検出− 寺阪 祐太 | |
8-4 | ●作業空間内構造物種別の自動識別 −深層学習による点群データからの構造物識別手法の開発− 今渕 貴志 | |
8-5 | ●1F原子炉内のセシウム分布予測に向けて −事故時におけるセシウムの原子炉内ふるまい解析コードを改良− 三輪 周平 | |
8-6 | ●1F原子炉建屋内に残存するセシウムの性状予測に向けて −セシウムの非鉄構造材料への吸着挙動を解明− 中島 邦久 | |
8-7 | ●燃料デブリ等の安全な保管管理を目指して −水素漏えい・拡散挙動解析に関する研究開発− 寺田 敦彦 | |
8-8 | ●水素の燃焼挙動を数値解析により解明する −火炎の不安定性に及ぼす温度や圧力の影響− Thwe Thwe Aung | |
8-9 | ●冷却水を止めた場合の2号機の温度分布を推測する −空冷状態での燃料デブリ熱伝達数値シミュレーション− 山下 晋 | |
8-10 | ●河川水系での放射性セシウムの動きに森林が影響 −森林内移行と流域規模の動態を結び付けたモデル開発− 佐久間 一幸 | |
8-11 | ●陸域に沈着した放射性セシウムは将来どう動くのか? −陸域における放射性セシウムの1F事故後30年間の挙動予測− 池之上 翼 | |
8-12 | ●貯水池底質からの放射性物質の再溶出メカニズム −底質中の水の水質分析結果から得られた知見− 舟木 泰智 | |
8-13 | ●河口域での放射性セシウムの挙動を観測 −海底付近の濁った層を形成する粒子の起源推定− 御園生 敏治 | |
8-14 | ●地衣類は放射性セシウムのレコーダーだった −分析装置を組み合わせ生体組織中のセシウム分布を明らかに− 土肥 輝美 | |
8-15 | ●プルトニウム同位体の迅速分析を目指して −前処理操作を必要としない分析技術へ− 松枝 誠 | |
8-16 | ●事故後の住民の被ばく管理手法をレビュー −住民が安心できる帰還困難区域の解除に向けて− 吉村 和也 | |
9 | 地層処分技術に関する研究開発 | |
地層処分の技術と信頼を支える基盤的な研究開発を推進 | ||
9-1 | 割れ目を直接観察して将来の透水性を予測 −樹脂注入による割れ目可視化技術の応用− 青柳 和平 | |
9-2 | 地下でのアクチニド核種移行への影響物質の把握 −花崗岩及び泥岩中地下水への微量元素添加試験− 宮川 和也 | |
9-3 | 地層処分深度の侵食履歴を推定 −光ルミネッセンス熱年代法をボーリングコアに適用し熱履歴を復元− 小形 学 | |
9-4 | 加速器質量分析装置 超小型化への挑戦 −結晶表面を用いて原子・分子をふるい分ける− 神野 智史 | |
9-5 | 緩衝材の膨潤と層間陽イオンの振る舞い −緩衝材に含まれるモンモリロナイトの膨潤性はK+とNH4+でどうして変わるのか− 川喜田 竜平 | |
9-6 | 拡散モデルによる核種移行予測の精度向上を目指して −圧縮Ca型ベントナイトを対象とした拡散実験及びモデル開発− 深津 勇太 | |
10 | 安全を最優先としたバックエンド対策の着実な推進 | |
原子力施設の廃止措置及び廃棄物の処理処分に向けて | ||
10-1 | 研究施設等廃棄物の埋設処分に係る効率的な設計に向けて −埋設施設から発生するスカイシャイン線量の評価− 中村 美月 | |
10-2 | 難燃性廃棄物処理試験装置の実用化に向けて −主反応器耐火材の補修材の選定− 木島 惇 | |
10-3 | ジオポリマーを放射性廃棄物固化に用いるために −ジオポリマー内に生成するゼオライトの生成経路の解明− 佐藤 淳也 | |
10-4 | プルトニウムの安全な長期保管に向けて −プルトニウムの集約とPVCフリー貯蔵への転換− 廣岡 瞬 | |
11 | 安全研究・防災支援 | |
原子力安全と原子力災害対応の継続的改善に向けて | ||
11-1 | 原子力災害時の汚染検査迅速化を目指せ −避難車両の汚染検査に用いる車両用ゲート型測定器の性能調査− 平岡 大和 | |
11-2 | 飛翔体衝突を受ける構造物の損傷を明らかにする −建屋外壁を模擬した鉄筋コンクリート板構造の損傷状態の分析− 奥田 幸彦 | |
11-3 | 事故時の原子炉圧力容器の健全性評価手法の精度向上に向けて −破損挙動に及ぼすステンレスオーバーレイクラッドの効果− 下平 昌樹 | |
11-4 | 軽水炉燃料の設計や安全評価をより合理的に −ジルコニウム基合金被覆管の照射成長挙動予測手法の構築− 垣内 一雄 | |
11-5 | 火災時における施設内の閉じ込め性能を維持する −グローブボックス材料火災時のHEPAフィルタの目詰まり特性の評価− 田代 信介 | |
11-6 | 地下に広がる汚染分布を3次元で高精度に評価 −廃炉に向けた地下の汚染状況把握への貢献に期待− 高井 静霞 | |
11-7 | 重大事故時の放射性物質をプールで濾し取るには? −プールスクラビングにおける二相流挙動を数値流体力学解析で評価− 岡垣 百合亜 | |
11-8 | 最新の核データライブラリの妥当性を確認 −JENDL-5を用いたPWR燃料照射後試験データの解析− 渡邉 友章 |