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12 核不拡散科学技術開発

原子力平和利用を支える核不拡散・核セキュリティに関する技術開発・人材育成

図12-1 核不拡散科学技術開発分野

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図12-1 核不拡散科学技術開発分野

国の核不拡散政策立案を支援するための政策調査研究と、国及び国際機関を支援するための核不拡散技術開発を二つの柱として、これに加えて国際貢献,自らの核物質管理の着実な実施と関連技術の開発,この分野の人材育成・人的貢献を行っています。

日本のための、そして世界のための核不拡散技術開発

米国エネルギー省(DOE)等と協力し、核拡散抵抗性技術及びその評価手法,先進的保障措置技術の開発等を実施しています。保障措置環境試料分析の分野では、国際原子力機関(IAEA)のネットワークラボとして技術支援をしています。

 

東京電力株式会社福島第一原子力発電所( 1F)事故に対応する計量管理方策の構築

1Fの炉内燃料に対しては、通常の計量管理手法を適用できないため、合理的に計量管理を実施する手法を構築するための検討を開始しました。

 

技術的知見・経験をベースとした国際貢献

包括的核実験禁止条約(CTBT)に係る活動として、放射性核種監視観測施設の運用を行うとともに、各国にある観測所データを収集し解析評価を行う国内データセンターを整備して、国際的な核実験監視体制の確立に貢献しています。また、観測所のネットワークにより、1F事故由来の地球規模での放射能の拡散状況を明らかにする役割も果たしました。

 

技術的知見に基づいた政策立案支援

我が国における本分野のシンクタンクとして、日米原子力協力協定を改定する場合の論点の検討等の政策研究を実施しています。

 

原子力機構が保有する核物質の的確な管理とその管理経験を利用した国内外への貢献

自らの核物質を厳格に管理するとともに、国及びIAEAを技術的に支援するなど、査察の効率化に貢献しています。また、核物質防護に係るIAEAへの支援や国内法令改正への的確な対応を実施しています。

 

核セキュリティに係る新たな取組みの実施

2010年4月の核セキュリティ・サミットでの日本政府の表明に基づき、核セキュリティ強化のためにアジア地域を中心にした人材育成支援,基盤整備支援を行う核不拡散・核セキュリティ総合支援センターを2010年12月に原子力機構内に設置して事業を開始しました。本事業の下で、核セキュリティや保障措置に関して実施したトレーニング等には、2011年度は国内外から約600名(内アジア諸国等からの参加者は約280名)が参加し、アジアを中心とした地域での本分野での人材育成に貢献しています。

また、日米協力も活用し、核物質計量管理の高度化に資する測定技術や核検知・核鑑識技術の開発を開始しました。2013年までを目途により正確で厳格な技術を確立し、これを国際社会と共有することにより、政府による国際貢献を支援していきます。