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原子力機構の研究開発体制と本誌の構成について

本誌は、研究開発分野ごとの最新の成果を各章にまとめて紹介しています。各章の成果は、おおむね担当する各研究開発部門の活動と対応しています。各研究開発部門は、研究開発の性格や利用する施設・装置によって、１ヶ所から数ヶ所に跨った研究開発拠点で実際の活動を行っており、研究開発拠点は、日本全国に所在しています。以下に、各研究開発部門の成果がどの研究開発拠点で生み出されているか、概略を紹介します。

 

1. 福島研究開発部門は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の原子力事故への対応として、廃止措置及び環境回復に向けた研究開発、並びに廃止措置の推進のために必要不可欠な研究開発基盤の構築を進めています。
2. 安全研究・防災支援部門　安全研究センター及び原子力緊急時支援・研修センターは、原子力科学研究所において原子力発電所をはじめとする原子力施設に関する国の安全規制を支援する研究を、また、ひたちなか市において緊急時のモニタリングと防護措置に関する研究開発を進めています。
3. 原子力科学研究部門　先端基礎研究センターは、原子力科学研究所において先端原子力科学における未踏分野の開拓を進め、新原理・新現象の発見、新物質の創製、新技術の創出を目指して、「アクチノイド先端基礎科学」、「原子力先端材料科学」と「先端理論物理」の３分野を設定し、７研究テーマを展開しています。
4. 原子力科学研究部門　原子力基礎工学研究センターは、原子力科学研究所において原子力利用を支える様々な基礎・基盤的な研究や技術開発を進めています。
5. 原子力科学研究部門　物質科学研究センター及びJ-PARCセンターは、原子力科学研究所及びJ-PARCにおいて中性子を利用する研究を進めています。また、物質科学研究センターは、播磨放射光RIラボラトリーにおいて放射光を用いた研究も進めています。
6. 高速炉・新型炉研究開発部門　炉設計部及び高温ガス炉研究開発センターは、大洗研究所において高温ガス炉の技術開発や高温熱を用いて水から水素を製造する技術、ヘリウムガスタービン技術等の多目的熱利用の研究開発を実施しています。
7. 高速炉・新型炉研究開発部門　炉設計部、燃料サイクル設計部、高速炉サイクル研究開発センター及び敦賀総合研究開発センターは、長期的エネルギー安全保障・地球環境問題に対応するため高速炉を中核とする核燃料サイクルの確立に向けた研究開発を行っています。大洗研究所において高速炉システムの安全性強化を目指した研究開発を、敦賀総合研究開発センターにおいて高速増殖原型炉もんじゅに係る成果の取りまとめや高速炉の検査・補修技術開発等を、核燃料サイクル工学研究所において核燃料・バックエンド研究開発部門と協力してプルトニウム燃料の製造、使用済燃料の再処理に係る研究開発などを進めています。
8. 核燃料・バックエンド研究開発部門は、青森研究開発センター、核燃料サイクル工学研究所及び人形峠環境技術センターにおいて安全かつ合理的な原子力施設の廃止措置及び放射性廃棄物の処理処分対策について技術開発を進めています。また、高レベル放射性廃棄物の地層処分については、東濃地科学センターにおいて地質環境の長期安定性評価解析技術等の整備を、幌延深地層研究センターと核燃料サイクル工学研究所において処分場の設計や安全評価を行う技術の高度化を、それぞれ進めています。このほか、核燃料サイクル工学研究所において核燃料サイクルに関する技術開発を行っています。
9. システム計算科学センターは、柏地区と原子力科学研究所を中心に先端的シミュレーション技術開発及び計算科学基盤技術開発、並びに計算機及びネットワークの運用・保守を行っています。
10. 核不拡散・核セキュリティ総合支援センターは、本部及び原子力科学研究所においてIAEA保障措置や核鑑識・検知技術開発、政策的な調査・分析、アジア地域を中心とした人材育成支援、CTBT国際監視施設等の暫定運用及び核物質輸送に係る支援等、国内外の核不拡散・核セキュリティ強化に資する活動を行っています。

 

組織体制図

組織体制図
拡大図（337KB）

 

研究開発拠点

研究開発拠点
拡大図（483KB）

 

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