はじめに

児玉理事長

 

はじめに

 

平素より、日本原子力研究開発機構(原子力機構)の研究開発に関し、多大なご理解とご支援を賜り誠にありがとうございます。

我が国唯一の総合的原子力研究開発機関としての原子力機構の使命は、原子力科学技術を通じて、人類社会の福祉と繁栄に貢献することです。その実現のため、原子力機構は、産業界や大学等との積極的な連携と協働を通じて、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所事故への対応、原子力の安全性向上研究、核燃料サイクルの研究開発、放射性廃棄物の処理・処分技術開発といった分野の研究開発を重点的に実施するとともに、これらを支え新たな原子力利用技術を創出する基礎基盤研究と人材育成にも取り組んでいます。

福島第一原子力発電所事故への対応では、福島県富岡町の廃炉国際共同研究センター国際共同研究棟を昨年から本格運用するなど、原子炉施設の廃止措置に係る課題解決と環境回復に向けた研究開発に、組織の総力を挙げて取り組んでいます。基礎基盤研究の分野においては、核変換による「放射性廃棄物の処理方法」に関する研究が21世紀発明賞を受賞するなど、顕著な成果が得られています。また、研究用原子炉については、原子力規制委員会の新規制基準への対応を進めており、本年6月には原子炉安全性研究炉(NSRR)の運転を再開いたしました。一方、「もんじゅ」及び東海再処理施設については、原子力規制委員会から廃止措置計画の認可を受け、本格的な廃止措置段階に入りました。今後、計画に従い、安全、着実な廃止措置に取り組んでまいります。

本誌では、原子力機構が日々取り組んでいる研究開発で得られた最新成果の代表的なものをご紹介いたします。

これらを通じて、原子力機構の研究開発に一層のご理解を賜りますとともに、引き続き、私どもの研究開発活動にご指導とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

 

 

2018年10月

国立研究開発法人

日本原子力研究開発機構

理事長

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