磁性と共存する超伝導

超伝導とは、物質の電気抵抗がその物質固有の温度以下でゼロになる現象である。超伝導の発現は、格子振動による電子対形成を基本メカニズムと考えるBCS理論で説明できるというのが定説だが、高温超伝導の発見以来、BCS理論では説明できない超伝導物質の探索が盛んに行われてきている。このような新しい超伝導体は、しばしば磁性が発現する領域の境界付近で見つかっていて、磁性と共存している可能性がある。超伝導発現機構の基礎である電子対形成は電子間に働く引力に由来し、磁性は逆に電子間に働く斥力に由来するので、磁性と超伝導は非常に不思議な現象であり、物性物理の最先端領域として注目を集めています。(4-3 「重い電子」が作るフェルミ面の直接観測に世界で初めて成功)


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