共鳴角度分解光電子分光

光電子分光は、物質に光を照射した時に固体から放出される電子(光電子)のエネルギーを分析することで物質の電子状態を調べる実験手法である。光電子の放出角度分布を計測することで、電子の運動量とエネルギーの関係(バンド構造、フェルミ面)を観測する手法を角度分解光電子分光と呼ぶ。一方、光のエネルギーを特定の内殻準位への吸収が起こる値に合わせると、一部の電子軌道からの光電子放出強度だけが選択的に増強される。この特定のエネルギーの光を使って角度分解光電子分光を測定する手法が共鳴角度分解光電子分光であり、ある電子軌道だけが強く関与するバンド構造やフェルミ面を選択的に観測することができる。(4-3 「重い電子」が作るフェルミ面の直接観測に世界で初めて成功)


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