核スピンは磁気モーメントが微小であるためスピン偏極させることは容易ではない。一方で、電子スピンは核スピンのおよそ1000倍の磁気モーメントを持つため比較的容易に高いスピン偏極度を実現できる。予め、試料に電子スピン(安定ラジカルがよく用いられる)を導入した上で、強磁場、極低温下にて、まず電子スピンを大きく偏極させ、さらに、電子スピン・核スピンの同時反転に相当するエネルギーをもつマイクロ波を照射することで電子スピンから核スピンへと偏極移動を起こすことができる。結果として高い核スピン偏極度を実現できる。これを動的核スピン偏極という。(4-4 高分子複合材料の核スピン偏極を目指して)
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