共鳴非弾性X線散乱

物質に照射したX線が試料によって散乱される際に、試料との間にエネルギーの授受があるものをX線非弾性散乱と呼ぶ。X線は物質中の電子と同程度の運動量を持っているため、X線非弾性散乱ではエネルギーに加えて運動量の授受も可能であり、そこから電子の運動状態を調べることができる。また、試料中の構成元素の電子準位間に対応するエネルギーを持つX線を利用した場合は散乱強度に共鳴増大効果が生じるため、特に、共鳴非弾性X線散乱と呼ばれている。今回の研究では、銅の電子準位間に相当するX線を利用することで、銅のd電子の軌道状態を選択的に観測することができた。(4-5 電子の隠された世界を解明する放射光技術を実証)


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