中性子結晶構造解析

X線は電子密度によって散乱されるため、その散乱能は原子番号に比例し、電子を1個しか持たない水素によってほとんど散乱されない。したがって、X線結晶構造解析で水素原子を同定することは難しい。中性子は核力によって散乱されるため、原子番号依存性はなく、水素も炭素も酸素もほぼ同じ散乱能を示す。さらに、水素と重水素の散乱能が大きく異なるために、水素原子の同定には中性子が向いている。中性子の実験のためには、原子炉や加速器が必要であり、どこでもできるわけではない。世界に誇る原子力機構のタンパク質用中性子回折装置BIXにより、今回の解析が可能になった。(4-11 蛋白質に見つかった低障壁水素結合)


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