微小核

細胞中に正常な細胞核とは別に存在する小型の細胞核様構造体で、染色体異常の一種。正常な細胞には存在せず、何らかの外的・内的要因により染色体に損傷を受けた細胞で生じることがある。放射線や酸化ストレスにより染色体が切断されると、その大部分は修復酵素の働きにより再結合されるが、一部は切断部が未修復のまま細胞分裂が行われる。細胞分裂に際して、染色体は、各染色体に通常1箇所ある動原体に付着する紡錘糸に引かれて、細胞の両端に移動する。そのため、染色体断片のうち動原体を持たない側は取り残され、細胞分裂後に微小核が出現する。微小核は子孫細胞に遺伝せず、細胞は遺伝情報の一部を喪失する。(4-13 放射線は照射後も持続的に染色体を傷つける)


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