自己照射損傷

物質にα崩壊核種が含まれていると、α崩壊の際に主に反跳原子によって、結晶格子中の周囲の原子が次々とはじき飛ばされ、原子空孔と格子関原子からなるフレンケル欠陥が蓄積する。これをα線自己照射損傷という。その結果、結晶格子は次第に膨張するが、欠陥濃度が高くなると欠陥生成速度と消滅速度がつり合うようになり、格子膨張は一定値に飽和する。蛍石型構造を有するアクチノイド二酸化物では、飽和値は0.2〜0.3%程度であり、およそ1000℃以上に焼鈍加熱することで未損傷状態の格子定数に回復する。(7-4 ヘリウム蓄積・放出による燃料ミクロ組織の変化)


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