応力腐食割れ

SCC: Stress Corrosion Cracking 金属材料が応力と腐食の複合作用によって割れる現象。原子炉構造材料の場合、応力の発生源としては溶接時の熱の影響による残留熱応力等が挙げられる。ステンレス鋼の高温水中での耐食性は表面のクロム酸化物の被膜によって保たれているが、溶接時の熱の影響による結晶粒界でのクロム炭化物の析出により、近傍のクロム濃度が減少し、腐食が起こりやすくなるため、これもSCC発生の一因となる。ステンレス鋼中の炭素濃度を抑えることでクロム炭化物生成を抑制する等して、SCC発生を減少させる事ができるが、近年、低炭素濃度のステンレス鋼でも構造材作製時の表面加工によって導入された微細組織が原因と考えられるSCCが報告されている。(7-7 原子炉材料の照射誘起応力腐食割れを予兆段階で検知する)


ブラウザの閉じるを実行するか、右の閉じるボタンをクリックしてください。≪閉じる