照射誘起応力腐食割れ

IASCC: Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking 原子炉構造材料のSCCが中性子照射の影響によって加速される現象。照射誘起偏析による材料中の合金元素濃度の不均一化、特に結晶粒界でのクロム濃度の減少がステンレス鋼の耐食性劣化をもたらすため、IASCCのメカニズムのひとつと考えられてきたが、近年では結晶粒界で顕著なクロム濃度の現象がない場合にも結晶粒界での割れが報告されており、メカニズムはまだ明らかになっていない。照射による材料中の微細組織発達に基づく結晶粒の硬化が結晶粒界での応力集中、局所変形を引き起こすこと、それに関連したき裂先端部分での酸化の促進、水の放射線分解による腐食性の上昇等もIASCC発生の原因のひとつと考えられている。(7-7 原子炉材料の照射誘起応力腐食割れを予兆段階で検知する)


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