テクネチウムは、白金に似た銀白色の金属で、元素記号はTc、原子番号43の元素安定同位体を持たない元素である。β線を放出せずγ線のみを放つ99mTcの特性を活かし、各種リガンド(特定の受容体に特異的に結合する物質等)と標識して骨・腎臓・肺・甲状腺・肝臓・脾臓などの臓器を描出するシンチグラフィ(放射性同位元素を利用した画像検査)に用いられている。99mTcの半減期は6時間と短半減期だが、標識された放射性医薬品を投与した場合の体内動態などは十分解明されている上、検査目的に応じた多種の注射剤が供給されている。人工放射性元素だが、核医学という医療の一分野を支える重要な元素であり、一般市民の生活に大きく寄与するものである。(13-6 放射化法による99Mo国産化を目指して)
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