フィッション・トラック年代測定法(FT法)

放射年代測定法の一種である。ウラン238が自発核分裂を起こした際に生じる、長さ10 μm程度の線状損傷(Fission Track:FT)の計数に基づく。フィッション・トラックは、加熱を受けると短縮・消滅する性質を持つため、加熱を被った試料のFT年代は見かけ上、若い値を示す。加熱時間・加熱温度とFTの短縮率の関係は、加熱実験や天然試料の測定から求められているため、FT年代の若返りやFT長の分布から、試料が経験した温度の履歴を復元できるのが本手法の特徴である。主な対象鉱物は、アパタイト(燐灰石),ジルコン,スフェーンなどがある。(7-6 地下の高温地質環境で動いた破砕帯の活動年代の推定)


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