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次世代の放射線安全を支える正確な核種基礎データベースDECDCの開発




拡大図(55KB)

図1-1 ENSDFを用いたDECDCの開発の流れ及びデータの利用分野




 原子核の崩壊にともなって放出される放射線は核種ごとに異なり、人体への影響も異なります。そのため、被ばく線量の評価に用いられる種々の換算係数は、核種毎に定められています。この算定の基礎となっているのは、国際放射線防護委員会レポート38(ICRP38)です。しかし、ICRP38は公刊より20年を経て、データの再評価や核種の拡充が望まれていました。この研究では、核種の基礎データから線量計算等に直接使用できるデータベースを開発しました(図1-1)。
 核種の総合的な基礎データは、評価済み核構造・崩壊データファイル(ENSDF)に編集されています。ENSDFは日本を含む国際的ネットワークにより、全核種領域について核構造と崩壊に関する基本データを統一的基準で、実験データを定期的に調査し、ただ一つの数値を与えています。しかしながら、ENSDFでは実験値そのものが不足している核種もあり、その上被ばく線量の計算に直接利用される形でデータが与えられていません。そこで、それぞれの核種のENSDFについて、データの欠如等の問題点を詳細に分析し、これを補うために、原子核の崩壊理論に基づく計算、関連論文などを総合的に勘案し、妥当な数値を評価して補完しました。そして、EDISTRコードを用いて、ENSDFから放射線の種類、そのエネルギーと強度、半減期など必要な情報を引き出し、ベータ線(連続量)やX線、核分裂などの情報を追加しました。これにより、従来から被ばく評価の対象とされていたICRP38の820核種に加え、さらに次世代に必要性が高まる217核種を新たに追加し、合計1037核種を含む放射性核種崩壊データベースDECDCを開発しました。
 このDECDCは、わが国の放射線防護関連法令告示データの算定などに利用されるとともに、経済協力開発機構原子力機関データバンクなどから広く配布されています。さらにICRP38の改訂にも役立てられることになりました。



参考文献
A. Endo et al., Compilation of New Nuclear Decay Data Files used for Dose Calculation, J. Nucl. Sci. Technol., 38, 689 (2001).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果2002
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