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原子炉出力制御に関するキーパラメータβeff




図2-3 原研の高速炉臨界実験装置FCA



図2-4 実験体系におけるβeffへの核種別寄与割合

βeffは、原子炉出力の時間挙動を支配するパラメータとして、また原子炉出力を制御する反応度のスケールとして重要です。この図は、信頼性の高い測定データを得るためにFCAとMASURCAで構築した5つの実験体系におけるβeffへの核種別寄与割合を表したものです。



図2-5 今回の評価前後におけるβeffの誤差要因の比較

U-235、U-238、Pu-239の遅発中性子割合を評価し、5つの実験体系(図2-4)と軽水炉臨界実験装置(TCA)でのβeffの誤差を計算したものです。今回の再評価によって、βeffの信頼性が約2倍向上していることが分かります。




 核分裂中性子には、核分裂反応と同時(10−14秒以内)に放出される即発中性子と核分裂で生成された放射性核種の崩壊によって放出される遅発中性子とがあります。遅発中性子は核分裂反応からかなりの時間遅れをもって現れ、その割合は1%未満にしかすぎません。しかし、遅発中性子が存在することによって、核分裂連鎖反応の時間的変化は緩やかなものとなり、人類によって制御可能となりました。したがって、実効遅発中性子割合(βeff)は、原子炉出力の時間挙動を支配するパラメータとして、また原子炉出力を制御する反応度のスケールとして重要な役割を担っています。ウラン(U)とプルトニウム(Pu)を燃料とする新しい軽水炉や高速炉では核分裂を起こす核種がたくさん存在するので、βeffを精度良く知ることが、原子炉出力の時間挙動を精度よく予測するには不可欠です。
そこで、βeffの予測精度向上を目指して、高速炉臨界実験装置FCA(図2-3)とフランスにある同種の実験装置MASURCAにおいてU-235、U-238、Pu-239の割合が系統的に異なる炉心を構築し(図2-4)、5カ国6機関がβeffを測定する実験を行いました。参加機関がそれぞれ独自の手法で測定したβeffの相互比較から信頼性の高い実験データを確定し、その結果をもとにU-235、U-238、Pu-239各核種の遅発中性子割合を評価しました。その結果、遅発中性子の核データ精度およびこれを用いたβeffの予測精度が、これまでの3〜5%程度から2〜3%へと約2倍向上しました(図2-5)。ここで評価した遅発中性子の核データは、最新の評価済み核データファイルJENDL-3.3の作成に反映されています。



参考文献
T. Sakurai et al., Adjustment of Total Delayed Neutron Yields of 235U, 238U and 239Pu in JENDL-3.2 Using Benchmark Experiments on Effective Delayed Neutron Fraction βeff, J. Nucl. Sci. Technol., 39(1), 19 (2002).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果2002
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