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様々な可能性を秘める窒化物燃料




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図2-9 高速増殖炉用新型燃料、マイナーアクチノイド核変換用燃料、Pu燃焼用高速炉燃料としての窒化物燃料

(写真左)「常陽」で照射した(U,Pu)N燃料ピン断面写真(サイクル機構との共同研究で実施)。(写真中)MA核変換用燃料を模擬した照射試験用(Pu,Zr)Nペレットの外観写真。(写真右)炭素熱還元法で製造した高純度かつ高密度PuNペレットの微細組織写真。このほか高Pu富化(U,Pu)Nも製造し、熱伝導度、Pu蒸気圧などの燃料主要特性を測定しています。




 窒化物燃料は高熱伝導度に代表される金属的性質と高融点に代表されるセラミックス的性質を兼備している物質として予てから新型高速炉用燃料として着目されていましたが、原研での基盤研究の成果などから近年になり再評価の機運が高まり、サイクル機構と電気事業者が実施中の高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究の中でも高性能燃料として高い評価を受けています。
 また、原研では高レベル放射性廃棄物の地層処分の負担を軽減化するため、加速器駆動未臨界システム(ADS)を用いた長寿命マイナーアクチノイド(MA)の分離核変換に係る技術開発を進めていますが、ADSの燃料にはMAを主成分とする炉心が構成できる窒化物が選択されています。このほかフランスから90年代に提案されたように窒化物燃料は組成に対する自由度が大きいので、例えば供給過剰となったPuを効率的に燃焼させるための高Pu富化燃料などとしても有望です。図2-9には様々な用途が考えられる窒化物燃料の開発事例を示しました。
 私たちは炭素熱還元法による高純度窒化物燃料の経済的な製造技術を確立したほか、窒化物燃料の特長である熱伝導度や多様な組成における安定性を実証する実験データを取得してきました。当初UおよびPuの窒化物から始まった研究は、近年Np、Am、CmなどのMAにまで対象が広がっています。またサイクル機構との共同研究で実施した「常陽」での照射試験では、高い出力下でも安定した組織が保たれることなどの優れた燃料挙動を確認しています。今年からはJMTRにおいてADS用燃料を模擬した窒化物の照射試験を開始したほか、使用済燃料の乾式再処理技術に関する研究も行っています。
 一方窒化物燃料には、天然窒素を用いる場合に14N(n,p)14C反応で生ずる長寿命の炭素-14の効率的な処分技術の確立あるいは天然窒素中には約0.4%のみ存在する窒素-15を用いる場合の経済的な濃縮技術の開発、酸化物燃料や金属燃料に比較して圧倒的に少ない照射データベースの拡充などの課題があります。私たちは、今後もこれらの課題解決に向けて研究開発を進めていきます。



参考文献
Y. Arai et al., Preparation and Characterization of PuN Pellets Containing ZrN and TiN, J. Nucl. Mater., 281, 244 (2000).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果2002
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