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トカマク中心部に電流ホール(無電流域)の存在を確認
―JT-60で世界初、定常トカマク炉の合理化に期待―




図3-1 自発電流による凹状の電流分布と電流ホールのある場合の電流分布の概念図

従来は、自発電流が流れないプラズマ中心部のプラズマ電流を補うために、プラズマ中心部での電流発生が必要と考えられていました。今回の発見で、プラズマ中心部にプラズマ電流を流さなくても、高性能のプラズマを保持できることが実証されました。



図3-2 トカマク中心部の安定な電流ホール

電流ホールが生じたときのプラズマ電流分布とイオン温度分布を示します。プラズマ断面直径の約40%に及ぶ広い中心部分で全くプラズマ電流の流れない電流分布が安定に存在して閉じ込め性能も良好なことが示されました。




 JT-60ではプラズマ電流分布の精密な測定から、プラズマの中心部に全く電流の流れていない「電流ホール」が安定に存在し、この状態で温度1億度以上の核融合プラズマを安定に保持できることを世界で初めて実証しました。
 トカマク装置ではプラズマ中に電流を流して、捻れた磁力線が幾層にも重なった籠状の構造をつくりプラズマを閉じ込めています。このため一般にトカマク中心部に電流が必要だとされています。JT-60では、トカマクの有力な定常運転方式として、高温プラズマ中に自然に発生する自発電流を利用したプラズマ閉じ込めの研究をしていますが、自発電流は中心部には流れないので外部から電磁波や粒子ビームを入射して電流を発生させています(図3-1)。
 最近JT-60ではプラズマ電流密度計測の精度をさらに高めて、プラズマ中心部の電流密度を詳しく調べました。結果を図3-2に示します。「電流ホール」は約5秒間安定に存在し、閉じ込め性能も良好なことを確認しました。「電流ホール」は自発電流のある種の自己組織化により形成される安定な構造であると考えられます。この結果、中心部でのプラズマ電流の発生・維持を行わなくても高性能のプラズマの保持が可能と考えられ、将来の定常トカマク炉の運転電力の低減などの合理化が図れるものと期待できます。



参考文献
T. Fujita et al., Plasma Equilibrium and Confinement in a Tokamak with Nearly Zero Central Current Density in JT-60U, Phys. Rev. Lett., 87(24), 245001 (2001).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果2002
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