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ペレットによる燃料補給のモデル解析で
ITERの性能を予測




図3-4 ペレットによる密度分布の変化



図3-5 内側入射ペレット実験との比較



図3-6 ペレット浸透の機構

ペレットが蒸発しイオン化したプラズマ雲は反磁性です。
トーラスの外側は内側より磁場が弱い。反磁性のプラズマ雲は磁場の弱い方向(トーラス外側)に加速されます。



 核融合炉の出力を上昇させるためには、燃焼する高温部分の燃料密度(プラズマ密度)を増大させる必要があります。通常のガス供給法は簡便ですが、大型のプラズマではガスは表面付近でイオン化し、密度分布は平坦になります。周辺プラズマ密度に上限があるため、この方法では、密度を高くできません。したがってより高い密度を得るためには、内部に燃料を補給することが必要です(図3-4)。その目的のため、高速のペレット(数mm径の重水素または三重水素の氷粒)の入射法が開発されてきました。今回この燃料補給をモデル化して解析を行ない実験結果と良い一致を得て、さらにITERの性能がどの程度向上できるかの予測を行うことができました。
 ペレットを外側から入射するよりも内側から入射した方がより内部にペレットが浸透し、より中心にピークした分布を得ることができることが実験から明らかになっています。その例を図3-5に示します。その機構は次のように説明できます(図3-6)。高速のペレットを入射した場合でも、ペレットはただちに溶解・蒸発・イオン化され高密度のプラズマ雲になります。この高密度プラズマ雲は強い反磁性を持っているので、磁場の低い方に加速されるという性質を持っています。そのため、ペレットを磁場の低いトーラスの外側から入射するよりも磁場の高いトーラスの内側から入射した方がプラズマ中心により近く粒子を供給できます。ペレット入射後、ペレットが溶解・蒸発・イオン化して発生するプラズマの輸送解析には、本来3次元の複雑な輸送方程式を解く必要がありますが、これは大規模な計算であるためまだ手法は確立していません。今回、簡略化したペレットの溶発とプラズマ雲の輸送のモデルをプラズマ輸送コードASTRA に組み込み、燃料補給の解析を行ない、最近の実験結果と比較して良い一致を得ました(図3-5)(実験ではプラズマ密度測定の空間および時間分解能の関係で分布がより平坦になっています)。ITER のパラメータを用いた計算では、高磁場側から入射すると、入射速度が0.5 km/s 以下であっても半径の60〜70%までの燃料補給が可能であるという結果を得ました。また、エネルギー増倍率を2倍に改善できることも明らかになりました。



参考文献
A. Polevoi et al., "Simplified mass ablation and relocation treatment for pellet injection optimization", Plasma Phys. Control. Fusion, 43, 152 (2001).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果2002
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