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薄いフィルムでトリチウム分布を測る
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核融合炉の燃料にはトリチウムと重水素を用いますが、これら水素同位体の多くは真空容器内の壁に残留します。このため、壁中の水素同位体、特に放射性物質であるトリチウムの残留分布を測定することは、炉内保守の観点から重要です。これまで、壁に残留したトリチウムの測定には多くの時間を必要としていましたが、写真フィルムのように扱いが簡便なイメージングプレートの応用により、絶対量測定には問題がありますが、短時間で広範囲のトリチウムの相対分布測定が可能となりました。 このトリチウム検出器は、イメージングプレート(輝尽性蛍光体膜)とレーザービームを用いた画像読み取り装置からなっています。イメージングプレートに塗布された蛍光体膜に放射線が照射されると、蛍光体中に準安定な着色中心が形成されます。その後、蛍光体膜の表面をレーザービームで走査すると、より短波長の光が着色中心からその分布密度に比例した強度で放出されます。この強度の2次元分布から、入射した放射線の2次元的強度分布を知ることができます。 JT-60 では、重水素反応で生成されたトリチウムの挙動を調べるために、この検出器を用いて、第1壁黒鉛タイル表面(数μm以内に限られる)のトリチウム分布測定を行いました。図2-15 にトリチウム測定結果と、プラズマ中における高エネルギートリチウムイオンの軌道損失計算結果の比較を示します。このように測定結果と計算結果とがよく一致していることから、第1壁黒鉛タイルでのトリチウム残留分布が、プラズマから損失したトリチウムイオンの入射分布を反映していることがわかりました。 今後、更に広範囲なトリチウム分布を測定し、プラズマと第1壁間の相互作用を明らかにして行く予定です。 |
●参考文献 K. Masaki et al., Tritium Distribution in JT-60U W-Shaped Divertor, J. Nucl. Mater., 313, 514 (2003). |
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