2.5 国際協力で進む「国際熱核融合実験炉」の計画
    

(1994年1月現在の設計値)
主 半 径
小 半 径
非円形度
プラズマ電流
トロイダル磁場
燃焼時間
核融合出力
7.7m
3.0m
1.6
24MA
6T
1000秒
150万kW

図2-11 ITERの概念図と主要諸元

  

期 間 1992年7月より6年間
設計活動規模 全体で 1,340人・年
共同中央チーム:約 840人・年
国内チーム  :約 500人・年
R&D活動規模
・工 学

総額約7億5千万ドルのR&D(4極均等分担)
超電導磁石、炉構造・遠隔保守、電流駆動・
加熱、ブランケット・遮蔽、第一壁・ダイバータ、
燃料循環、計測技術のR&Dを実施
・物 理 各極の計画からの自主的貢献特に
JT-60からの貢献が期待されている。

表2-2 ITER工学設計活動(EDA)計画の概要

 


 国際熱核融合実験炉ITERの計画は、JT-60などの現在の臨界プラズマ実験装置と核融合発電を本格的に実証する原型炉との間に位置づけられた(図2-3)、トカマク型実験炉の国際協力による開発計画です。現在、国際原子力機関IAEAのもとで、ヨーロッパ連合、日本、ロシア、米国の協力のもとに、工学設計活動EDAとして進展中です(表2-2)。
 ITER計画の目標は、DT反応の自己点火とその長時間維持を実現すること、そのために必要なプラズマの制御技術や核融合炉の実用化を図る上で必須となる重要な工学技術(ブランケット、超電導コイル、プラズマ対向壁などの主要機器や炉の遠隔運転操作・保守など)を総合的に開発し、試験・実証することです。EDAは、装置の工学設計、主要な工学的課題の研究開発(工学R&D)及びプラズマ物理の研究開発(物理R&D)にわたって大きな規模で進められており、那珂(日本)、ガルヒンク(ドイツ)、サンディエゴ(米国)の三つのサイトに国際共同チームが分かれて活動を行っています。図2-11はITERの概念図と主要諸元です。現在これをベースに詳細な設計が進行中です。EDAは、1998年半ばに完了の予定です。


参考文献

狐崎晶雄、国際熱核融合実験炉「ITER」、OHM、1994年11月号、P76-81.

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1995
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