図3-1 コバルト60ガンマ線照射施設 |
図3-2 電子加速器(本体部分) |
図3-3 サイクロトロン本体 |
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放射線の利用は、原子力発電とともに、原子力平和利用の重要な柱であり、工業、医療、農業などの広範な分野で、国民生活の向上や経済の発展に貢献しています。 原研における放射線利用の研究開発は、放射線の照射利用については高崎研究所が、ラジオアイソトープ(RI)の製造・利用については東海研究所アイソトープ部が担当しています。放射線照射利用については、産業界のニーズや、社会的要請に応えることを目的に、新しい高分子材料の開発、排煙処理などの環境保全技術の開発などを、民間との協力を重視しつつ実施しています。また放射線利用の一層の進展を図るため、平成5年にイオン照射研究施設を完成しました。この施設のサイクロトロンなど4台の加速器から出る種々のイオンビームを用いて、宇宙環境材料、核融合炉材料、新機能材料などの開発、バイオ技術への放射線利用の研究、新しいRI製造・利用技術の開発など、先端科学技術分野での研究開発を拡大しています。 ラジオアイソトープは従来からの医療、工業などの分野ばかりでなく、環境科学や生命科学を含む広い分野で使用されるようになってきました。これに対応して、新しいラジオアイソトープの製造や利用技術の開発を行うとともに、大量トリチウムの製造・利用技術やトリチウムの化学的挙動の研究を進めています。 原子力分野では、国際協力の促進が強く要望されています。特に近隣諸国とは、民生向上に直接役立つ放射線利用の分野を中心に、二国間研究協力、国際原子力機関のアジア・太平洋地域協力協定に基づく計画への協力、原子力研究交流制度による協力などを進めています。また、イオンビームを用いる先端的分野でも、研究の効率的推進のため、欧米諸国などとの国際協力を積極的に進めて行きます。放射線利用の今後の発展のためには、このような国際協力とともに、学界、産業界、国公立試験研究機関との交流や情報交換を、より緊密に行うことが必要となります。 |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1995 copyright(c)日本原子力研究所 |