3.8 新しいアイソトープ、プラセオジム-125の発見
   

 
表3-2 同位元素中のプラセオジム125、127の位置

 

 
図3-16 新アイソトープ発見に用いた装置

 

 
図3-17 新アイソトープ発見に用いた装置

  


 元素と言えば周期律表が頭に浮かびそこには100種類に余る元素が並んでいます。同位元素(アイソトープ)と呼ばれる仲間も含めれば理論上数千種の元素の存在が考えられています。もし、これらの全容が判明すれば原子核構造の詳細や宇宙空間における元素生成過程の謎の解明にも役立つことでしょう。しかし、これまでに存在の明らかとなったのはおよそその半数であって未確認のものが多く、ここから得られる情報はまだ充分とはいえません。そのため、世界的にも新しいアイソトープの発見を目指す研究が盛んにすすめられています。当然のことながら検出困難なればこそ残されているのであって、新しいアイソトープの発見がこれからますます難しくなるでしょう。原研と名古屋大学工学部の研究グループは、最近高エネルギーの36Arビームとモリブデン−92を融合させ、その結果生じた多種類の生成物から、オンラインアイソトープ分離器を利用して新しいアイソトープであるプラセオジム−125(125Pr)の分離確認に成功しました。


参考文献

関根利明, 他, 新しいアイソトープ127Pr, 125Prの確認, Isotope News, No. 3, 10 (1995).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1995
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