4.6 新しい再処理プロセス
  


図4-8  群分離を考慮した新しい再処理プロセス(PARC)

このプロセスは抽出剤としてリン酸トリブチル(TBP)を用いるが、再処理廃棄物に係る環境負荷の低減、経済性向上の観点から、図中太字で示したような多くの新しい分離機能を持っていて、高純度のウラン及びプルトニウムの回収のみのために採用されてきたピュレックス法とは全く異なるプロセスです。

 


図4-9  NUCEF小型再処理実験装置

最大3kgの使用済燃料を取り扱うことができるα・γセル(α放射体の閉じ込め機能とγ線遮蔽機能の両方を有する密閉遮蔽設備)に設置された小型再処理実験設備の主要部です。まずウランだけの試験を開始しようとしています。

 


 ネプツニウムやテクネチウムのような長寿命のアクチノイドや核分裂生成物を分離して、新型燃料としてリサイクルしたり有害な放射性核種を消滅させることを目標に、図4-8のようなプロセス(PARCプロセス)の開発を進めています。その鍵は溶液中のイオンの状態(原子価)を正確に制御することにあり、分解性有機物による還元反応とともに光化学、電気化学的方法を適用することによって、ネプツニウムの場合、99.9%の回収率で単独に分離することに成功しました。
 分離条件の最適化のための基礎試験を進めるとともに、プロセスのフィジビリテイを確認するため、完成したばかりのNUCEFを活用して、使用済燃料を用いたホット試験の準備を始めました。


参考文献

M. Maeda et al., A Process Conception of an Advanced Reprocessing Based on PUREX Process Incorporating the Partitioning Function, Proc. of Intern. Conf. on Evaluation of Emerging Nuclear Fuel Cycle Systems, GLOBAL 95, Sep. 11-14, 1995, France, 556 (1995).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1995
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