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1986年に起きたチェルノブイル事故により、現在でも原子炉周辺の環境は汚染されています。周辺に住む住民への放射線の影響を評価し、適切な復旧対策をとるために、汚染の状況を正確に知ることが大きな助けとなります。また、万が一日本で事故が起こった時でも、素早く正確に汚染の状況を測定するための技術を確立しておくことが必要です。 これらの視点から、原研ではウクライナ国チェルノブイル国際研究センター(CHECIR)との協力により、チェルノブイル周辺の汚染状況の調査を進めてきました。開発した放射線測定システムを自動車に積み込んで行った走行測定により、チェルノブイル周辺の詳細な線量率分布がわかってきました。図4-19に示すように、人々の立入が許されている30km圏外でも高い線量率の地域があること、逆に30km圏内であっても日本と同じ程度の低い線量率の地域があること、高い線量率の地域と低い線量率の地域がすぐ近接して存在すること等が実測により明らかになりました。また、原研が開発してきた広域を対象とした高精度測定技術の有用性も確かめられました。 |
参考文献
長岡鋭、他、チェルノブイルにおける環境放射線調査、第36回環境放射能調査研究成果論文抄録集、P42(1993), 科学技術庁. |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1995 copyright(c)日本原子力研究所 |