図6-3 大型船舶用原子炉 MRX(100MWt) |
MRX主要諸元
原子炉出力(MWt)
原子炉型式
一次冷却系
運転圧力(MPa)
炉心出口温度(℃)
炉 心
等価直径(m)
有効高さ(m)
燃料集合体数
燃料装荷量(t)
燃料濃縮度(%)
制御棒駆動装置
型 式
装備数(体)
蒸気発生器
型 式
蒸気温度(℃)
蒸気圧力(MPa)
格納容器
型 式
最大許容圧力(MPa)100
一体型加圧水炉
12
297.5
1.49
1.4
19
6.3
4.3/2.5 (Gd無/入)
原子炉容器内装式
13
貫流式ヘリカルコイル型
289
4
原子炉容器水漬式
4.0
図6-4 DRX搭載深海科学調査船(6,500m用) |
図6-5 深海用原子炉DRX |
原子力船の実用化に備えて「むつ」計画を通して得られた成果を踏まえ、次世代の改良舶用炉の研究開発を進めています。原子力船を商船として実用化するためには、経済性と信頼性の一層の向上が必要であり、軽量・小型で、故障しにくく、運転・保守や安全確保に人手のかからない舶用炉の開発が必要です。これまでに「むつ」と同形式のループ型PWRや、蒸気発生器を原子炉容器に内蔵した形式の一体型PWR等について、幅広く設計研究を行って評価しました。その結果、将来有望な炉として一体型PWRを選定し、MRX(Marine Reactor X)と名づけました。 現在、概念設計ならびに重要機器(制御棒駆動装置等)や安全システムについて研究開発を進めています。この炉は近未来の高速貨物船(コンテナ船など)や砕氷船用として熱出力100MWtで設計していますが、従来型の同規模の炉と比較して大幅な小型軽量化が図られています。50ノットで太平洋を横断するような将来の超高速貨物船の炉としての発展も期待できるものです。さらに、深海船用原子炉DRX(Deep-sea Reactor X)の概念設計を進めています。この炉は熱出力750kW(電気出力150kW)の超小型炉で、MRXと同じく一体型PWRですが、さらにシステムを簡素化しています。 |
参考文献
A. Yamaji et al., Core Design and Safety System of Advenced Marine Reactor MRX, ICONE-3. The Third International Conference on Nuclear Engineering, Apr. 23-27, 1995, Kyoto, Japan. T. Ishida et al. DRX (Deep-Sea Reactor X) Design Study, ICENES '93 Seventh International Conference on Emerging Nuclear Energy Systems, Sep. 20-24, 1993, Makuhari, Japan, 339. |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1995 copyright(c)日本原子力研究所 |