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再処理工程からの廃棄物を適切に管理するためには、それに含まれるアルファ放射能量を正しく把握することが必要です。アルファ放射線は、直接、固体表面には出てこないので、透過力の強い中性子を使って間接的に測定されます。 そのうちの1つがパッシブ中性子法と呼ばれる方法です。アルファ線は酸素などとの核反応によって中性子を放出します((α,n)反応)。また、アルファ放射性核種のいくつかは244Cm、240Puなどのようにひとりでに核分裂を起こし(自発核分裂)、中性子を放出します。これらの中性子を検出してアルファ放射能を導くためには、そのうちどれだけが(α,n)反応によるものか、またどれだけが自発核分裂によるものかを測り分けることが重要です。 このためには、(α,n)反応では中性子が1個1個バラバラに放出されますが、核分裂では多くの場合複数個の中性子が同時に放出されることを利用します。原研では、すべての中性子検出信号の時間間隔を測り分けるという新しい方式を考案し、実験装置を製作して研究をすすめています。また、得られた測定データからアルファ放射能量および自発核分裂性物質量を迅速に算出できるソフトウェア類の開発も行っています。 |
参考文献
H. Gotoh et al., An Analytical Expression for the Distribution of Time Intervals Between Succesive Detection Pulses of Neutrons from Spontaneous Fissions, JAERI-M 91-138, P.130. |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1995 copyright(c)日本原子力研究所 |