8.1 原子炉燃料の開発と化学
    

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図8-1  アクチノイド化学等の基礎的研究から燃料サイクル技術の高度化への貢献

 


 原子炉燃料の開発は、次のような区別で進められています。
  1. ウラン/プルトニウム混合窒化物燃料や金属燃料のような新型燃料に重点を置いた高速炉用燃料および超ウラン元素(TRU)消滅炉用燃料の研究、
  2. 軽水炉利用の長期化等に対応した軽水炉用超高燃焼燃料の研究、
  3. プルトニウムをほぼ完全に燃焼させたあと、再処理せずそのまま廃棄物として処分できる燃料を目指した、安定な岩石型構造をもった軽水炉用プルトニウム酸化物燃料の研究、
  4. ウラン・シリサイド燃料に加えて、さらに高密度化を狙った研究試験炉用高ウラン密度燃料。

このほかに、溶融塩を利用した乾式の核燃料サイクルの研究およびレーザー法によるウラン同位体濃縮技術の開発を進めています。
 一方、化学研究は、化学的側面から核燃料サイクルの高度化に役立てることを目的として、

  1. 高温におけるアクチノイド固体化合物の相状態、構造等に関する研究、
  2. 核燃料、炉材料および環境物質を対象とした分析化学研究、レーザーおよび高速粒子によって誘起される化学反応を研究する光・粒子ビーム化学の研究、
  3. 揮発性放射性核種および化合物の化学反応性、分離・固定化等を研究する物理化学的研究

で構成されています。
 また、科学技術庁が主宰する高温超電導体に関するプロジェクトに参画して、新しい超電導体の探索を進めています。


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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1995
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