|
|
||
|
核融合実験炉で固体増殖材料として使用する焼結した酸化リチウムLi2Oペレットを、高速試験施設FFTFを利用して、ペレットを構成するLi原子の4%以上がトリチウムT(およびヘリウムHe)に変換するまで中性子照射をした後、断面を光学顕微鏡で観察しました(図9-3)。その結果、ペレットは中性子照射によって破損することなく、設計仕様どおりの性能を維持していることが確かめられました。 中性子照射後のペレットの中心部にはボイドが生じ、その周辺には温度勾配にしたがって成長した柱状の結晶粒、またそれらの境界には大きなレンズ状の気孔がみられます。しかし、ペレットの断面を貫通する気孔はなく、ペレットの破損およびペレットと被覆材料との反応も認められませんでした。なお、研究炉JRR-2を利用した中性子照射試験によって、Li2Oペレット中に生じたTは、効率よく回収できることが確かめられています。 |
参考文献
T.Takahashi, et al., Changes in the Microstructure and Density of Li2O during Irradiation in BEATRIX-II. Phase I, Fusion Eng. Des., 28, 271 (1995). |
ご覧になりたいトピックは左側の目次よりお選び下さい。 | ![]() |
たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1995 copyright(c)日本原子力研究所 |