14.2 コンピュータでロボットを動かす
  

 


図14-2a  人間型ロボットの階段歩行シミュレーション

HASPでは、二足歩行ロボットの動きが動力学的に計算されます。

 


図14-2b  可視化されたJRR-3M一次区画

モンテカルロ装置上で光線追跡法により得られた3次元画像

  


 従来の人工知能技術は、円筒や直方体等の簡単な幾何形状で構成される環境において研究されてきました。しかし、このような「積木の世界」で開発された技術あるいは手法を一般環境へ適用することは、使用する世界モデルの差異が大きいために困難を伴います。「積木の世界」を脱却したシステム開発を目指している本研究では、ロボットの動作環境として実規模の原子力プラント、JRR-3Mを想定した世界モデルを用いてシミュレーションを行っています(図14-2)。
 開発したシミュレーション・システムを用いて、知能ロボットの設計ばかりでなく、原子力プラントにおける人的作業の定性的かつ定量的評価が可能です。現在、このシステムを用いて、人間型ロボットの動力学シミュレーションや開発した知的ソフトウェアの性能評価を進めています。


参考文献

E. Kume et al., Numerical Simulation for Design of Biped Locomotion Robots, Proc. of Joint Internat. Conf. on Mathematical Methods and Supercomputing in Nucl. Applications, Karlsruhe, Germany (1993).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1995
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