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セルロース廃棄物は世界各地で大量に発生し、焼却した際に煙害などの環境汚染問題の原因となります。資源のリサイクル及び公害防止を目的に、原研ではマレーシア原子力研究所と協力して、放射線殺菌と発酵の組合せ処理によるオイルパーム廃棄物飼料化の研究を進めています。 世界最大のパーム油生産国であるマレーシアでは、パーム果実を分離した後に残る房や果肉繊維などのセルロース廃棄物が各々年間300万トン以上排出されますが、繊維が堅く、反すう動物でも消化できないため、飼料として利用するためには発酵処理が必要です。これら廃棄物の発酵処理を行う場合、発酵の妨げとなる微生物を殺菌することが必要ですが、電子線やγ線による放射線殺菌は、連続的に、確実に殺菌できる方法で、大量の廃棄物を処理するのに適しています。現在、原研とマレーシア原子力研究所との間で、オイルパーム飼料化の実用性評価のため、10トン/月の生産規模でパイロット試験を行っています。 |
参考文献
久米民和, 放射線による農林水産廃棄物の有効利用, 放射線と産業 67, 17(1995). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1996 copyright(c)日本原子力研究所 |