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燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)では、再処理施設でプルトニウムやウランを安全に取り扱うため、定常臨界実験装置(STACY)と過度臨界実験装置(TRACY)を用いて溶液燃料の臨界安全研究を行っています。 STACYでは、再処理施設の工程機器を模擬した炉心で種々の臨界実験を行います。STACYは1995年2月の初臨界以来、10%濃縮度の硝酸ウラン溶液を燃料として、直径60cmの円筒炉心で臨界実験を進めています。図4-6は、炉心タンク周囲に十分な厚さの水反射体がある体系と反射体のない裸の体系について、ウラン濃度を変えて系統的に測定した臨界液位です。水反射体のある炉心で得られた実験データに対する解析例を図4-7に示します。STACYの臨界体系に対する中性子実効増倍率の計算値は臨界安全ハンドブックに記載されている均質低濃縮ウラン体系でのJACSコードシステムの推定下限臨界値を上回っており、臨界安全ハンドブックに記載されている制限値の妥当性を示しています。 もう一方のTRACYでは、臨界を超えた時の溶液燃料の挙動の把握と放出放射性物質の閉じ込めに関する実証試験を行います。TRACYは1995年12月に硝酸ウラン溶液燃料により初臨界を達成し、過渡出力運転による性能検査を経て本格的な臨界実験が始まります。 |
参考文献
Proceedings of the First NUCEF International Symposium, NUCEF95, JAERI-Conf 96-003 (1996). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1996 copyright(c)日本原子力研究所 |