2.3 JT-60、臨界プラズマ条件を達成
   


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図2-3  大型トカマク研究の進展(ローソン図)

臨界プラズマ条件を達成したデータとともに、これまでの進展の様子及びJET(EU)、TFTR(米)の代表的なデータを示します。プラズマの密度分布などにより各条件とも若干の幅を生じます。

 


 1996年秋、私たちはJT-60の一連の重水素プラズマ実験において、目標の“臨界プラズマ条件”の実現にこぎつけました。もし重水素(D)の半分を三重水素(T)で置き換えたDTプラズマであれば、核融合反応による出力がプラズマの加熱に要した入力とちょうど等しくなる状態(QDT=1)を実現したことになります。
 閉じ込め磁場は負磁気シアをもった磁場です(図2-2)。一連の実験結果を検討すると、負磁気シアの磁場に閉じ込められたプラズマは、将来の定常トカマク炉のプラズマとして好都合な、いくつかの性質を備えていることがわかりました。実験のベストデータは、プラズマ電流2.8MA、加熱入力17MW(比較的低い値です)において、閉じ込め時間約1秒、プラズマ・エネルギー約11MJ、QDT=1.05でした。図2-3に新しい成果とこれまでの研究の進展状況をまとめて示します。


参考文献

Y. Koide et al., Progress in Confinement and Stability with Plasma Shape and Profile Control for Steady-state Operation in JT-60, Phys. Plasmas, 4(5), 1623 (1997).

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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1997
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