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プラズマの電子密度は、レーザー干渉計によって測定します。JT-60では、プラズマ中の透過性と位相感度の点から、波長10.6μmと9.27μm(1μm=百万分の1m)の2台の炭酸ガス(CO2)レーザーを組み合わせたシステムを新しく開発しました。大型トカマク装置では運転に伴い、電子密度変化の信号にその100倍近くもの光学系の振動が重畳してくるので、これを正確に補正するため二つの異なった波長のレーザー光による同時測定が必要だからです(図2-6(a))。近接した波長を用いることにより、多くの光学部品の共通化,簡素化ができましたが、波長が近接するほど測定精度が悪くなるので、位相測定の精度を向上させるため、1波長の1万分の1以上の位相分解能をもつ弁別器を開発しました。これらの開発により従来困難であった、ディスラプション時の電子密度の挙動を精度良く測定できるようになりました(図2-6(b))。 このシステムは国際熱核融合実験炉ITERなどにも十分適用できるものです。 |
参考文献
Y. Kawano et al., Dual CO2 Laser Interferometer with a Wavelength Combination of 10.6 and 9.27 mm for Electron Density Measurement on Large Tokamaks, Rev. Sci. Instrum., 67, 1520 (1996). |
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