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中性粒子は磁場に影響されず直進してプラズマを加熱します。負イオンビームから中性粒子ビームへの変換効率が高く、50%以上の変換効率で1MeV以上の中性粒子ビームが生成できます。この特長に加えて、ITERのようなエネルギー発生装置のプラズマ加熱のためには、加速領域での負イオン損失低減の観点からイオン源のアーク放電動作ガス圧力は0.3Pa以下が必要であり、大電力を所定の断面内で入射するのには、負イオン電流密度20mA/cm2以上が要求されます。 図2-8に試作のイオン源のガス圧力を変えたときの負イオン電流値と電流密度の実験値をプロットしました。図から、このイオン源はITERの要求を満たしていることがわかります。プラズマに接する電極表面にセシウムがあると表面電離で負イオンが多く作られることや、イオン源領域でのイオン損失を低減する容器や磁場形状の最適化(かまぼこ型イオン源)等が良好な結果をもたらしました。負イオンビームの他の特長として、ビームの発散が小さく長い距離にわたって平行ビームが走行するので大型装置への適応性が高いことがあります(図2-9)。ビームを構成する粒子の熱運動成分が小さい、引き出し孔での加速が安定している等がその理由としてあげられます。 |
参考文献
Y. Okumura et al., High Power Negative Ion Sources for Fusion at Japan Atomic Energy Research Institute, Rev. Sci. Instrum., 67(3), 1092(1996). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1997 Copyright(c) 日本原子力研究所 |