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ITERのような核融合実験炉では、容器内で放射化された部品の保守点検整備のため、各種の遠隔操作機器が必要となります。その一つが炉内機器の観察のためのペリスコープ(潜望鏡)です。高い放射線環境下で、温度も200℃以上と高い場合に、15mの長さの屈折式光学ペリスコープを実用化するためにはいくつかの新しい技術が必要となります。 強い放射線に耐えるレンズ用ガラスとして酸化セリウム含有の鉛ガラス、水酸基含有石英ガラスを開発しました。このような特殊なガラスでレンズを製作し、これらを組み合わせて、ペリスコープの試作、試験を行いました。 温度変化による延びや縮みを自動的に吸収する特殊なレンズ支持機構を考案しました。 標準型のペリスコープでは1時間程度で観察不能となるような放射線環境下(10kGy/h)で、試作したペリスコープは4,000時間の使用でも明瞭な観察ができました(図2-12)。250℃に加熱しても、光軸や焦点のずれは生じませんでした。 このような技術はITERに使用されるのみでなく、幅広い応用が可能と考えられます。 |
参考文献
小原建治郎他,炉内計測・観察システムの開発,プラズマ・核融合学会誌73(1), 42(1997). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1997 Copyright(c) 日本原子力研究所 |