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放射性廃液処理設備として、β線やγ線を出す排出量の多い核種のみを対象とした設備を持つ研究所が多いのですが、プルトニウム等を扱う原研などの研究所では、α線を出す核種だけを選択的に除去する必要があります。プルトニウム廃液の処理を担う現場のニーズから、この研究成果は生まれました。 使用後の始末のやり易さを考えて、安定な無機物質である繊維状活性炭をプルトニウム廃液処理へ適用しようとしたのが開発のきっかけでした。なかなか期待したような成果が得られず、挫折しかけた折に、適度の細孔サイズで親水性を高めた繊維状炭素にプルトニウムの選択的吸着効果が高いことを見いだし、この技術が日の目をみることになりました。吸着素材は、その特性を損なわないように、また吸着後の素材が焼却できるように、さらに現場で実際に使い易いようにカートリッジに成形しました。これを実廃液の処理に適用し、プルトニウムの98%を除去し、2次廃棄物量を最小限に抑えることに成功しました。 古い原子力施設を持つ国や事故炉の後始末を進めている諸外国でもこのような技術を渇望しています。プルトニウムの回収を含めて広く活用されることが期待されます。 |
参考文献
三森武男他,プルトニウム吸着材の開発,デコミッショニング技報,14,73 (1996). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1997 Copyright(c) 日本原子力研究所 |