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ITERのプラズマでは重水素と3重水素の反応で14MeVの中性子が発生します。中性子はブランケット内で減速させ熱とし、施設の外部では人体に影響のない程度に減衰させる必要があります。 中性子束の減衰の程度はブランケットの内外では5桁以上に及びます。このような場合、単一の衝突過程現象は精度良く解かっていても、5桁以上にわたる減衰の過程で、わずかの誤差や形状要因が累積し、大きな誤差となる場合があります。ITERの実際の遮蔽体構造の一部を模擬し、14MeVの中性子を用いて、中性子やガンマ線の広がりや減衰の程度を実測し、核データを使用した計算コードの妥当性を確認する必要があります。図6-5は中性子源とステンレス(SS316)構造体の構成図を示します。図6-6は中性子束の各種のエネルギー帯での減衰を示します。このようなデータから核データや計算コードの精度を確かめると、不確かさは40%以下であることが初めて判明しました。この実験以前には上記のような確認がなく、設計裕度として2〜3倍の不確かさを当然の事として考慮していました。この実験は14MeVの中性子源の広い範囲に及ぶ精度の高い測定技術の蓄積が従来の常識をくつがえした例といえます。 |
参考文献
C. Konno et al., ITER Bulk Shielding Experiment at FNS, JAERI-Conf 96-005, 102 (1996). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1997 Copyright(c) 日本原子力研究所 |