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21世紀のクリーンエネルギー源となる核融合炉では、重陽子(D)と三重水素(T)の核融合反応により14MeVの中性子と3.5MeVのヘリウムを発生させ、この中性子とヘリウムのエネルギーを熱に変えることにより発電に利用します。しかし、人類はここで発生する14MeVのような高エネルギーの中性子を多量に扱った経験がありません。従来の材料で核融合炉を作ったのでは、この中性子照射による材料の著しい劣化と放射化が起こります。そのため、新しい材料を開発し、それを実際の核融合炉に近い中性子照射環境で試験することが欠かせません。そこで、国際エネルギー機関IEAの国際協力により、核融合炉における材料の設計寿命までの中性子照射試験を行うための国際核融合材料照射施設IFMIFの概念設計活動を1995年から2年間行いました。その結果、Dイオンを強力な加速器を使って最高40MeVに加速し、溶融したリチウムに打ち込むことによって、核融合材料の設計寿命までの照射試験に必要な14MeV付近の高エネルギー中性子を多量に発生させる照射施設の概念設計ができあがりました。この概念設計では、数年間の技術開発を経て建設可能な技術レベルの設計がなされており、現在、IFMIFの早期実現を目指して一層の努力を続けています。 |
参考文献
IFMIF-CDA Team, IFMIF-International Fusion Materials Irradiation Facility Conceptual Design Activity, Final Report (1997). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1997 Copyright(c) 日本原子力研究所 |