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原子力船の運転は陸上の原子炉と比較すると波や風などの海洋条件下で行われるため、瞬時の判断と運転技術が要求されます。さらに運航中は外部からの人的支援は困難な状況で、運転の省力化すなわち少人数による運転が求められるため、原子力船の運航には高度な自動化が必要です。そこで、船舶用原子炉プラントの自動化に取り組み、原子力船「むつ」の運転知識データベースに基づきエキスパート技術を適用した高度自動化システムを開発しました。 「むつ」運転員の運転知識に基づいた自動運転システムは、通常時と緊急停止後の運転を自動的に行うもので、図9-3に原子炉起動を自動化した場合と運転実績との比較を示し、これから安定した運転を実現できることが分かります。このシステムと原子力船シミュレータを結合して、原子炉の起動から出力状態までの自動運転および緊急停止後の自動運転において、運転員の労力の軽減と円滑な運転が可能であることを確認しました。 高度自動化システムは自動運転システムの他に事故時における運転の対応、異常診断および状態監視を含めた運転支援システムを備えており、その充実を図っています。図9-4に示すこれらのシステムを活用して、改良舶用炉の研究開発を進めています。 |
参考文献
J. Shimazaki et al., Integral-type Small Reactor MRX and its Applications, 10th Pacific Basin Nucl. Conf., Oct. 20-25, 1996, Kobe, 828 (1996). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1997 Copyright(c) 日本原子力研究所 |