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原子力施設の解体では、量は多いが放射能レベルの極めて低い金属と、量は少ないが放射能レベルの高い金属が発生します。放射能レベルの高い廃棄物のパッケージ化には、遮蔽効果を付加するために、厚手の金属容器を使わなければなりませんが、これを放射能レベルの低い金属で作れば、廃棄物の大きな有効利用になります。しかし、汚染金属で容器を鋳造するのにまた別の放射性廃棄物を作ってはならないし、容器は適切な強度を備えなければなりません。
金属の鋳造時に、汚染する恐れのある鋳砂の代わりに鉄球を用いて冷却熱伝導体にし、放射性ではない薄い金属型枠 −これは鋳物と一体ものになりますが− に汚染金属を鋳込むのがこの開発の着眼点です。熱伝導率が、鋳砂の4〜5倍(鋼の1/10以下)の大きさになる鉄球のサイズと充填率、溶湯の温度と鋳込み速度等を、実験結果と計算解析結果を対比しながら選択し、所要の強度と鋳込み欠陥の少ない容器の試作に成功しました。放射能レベルの高い廃棄物の場合、一般に容器の重量は収納物の数倍〜数十倍にもなりますので、この新しい鋳造法による技術効果の大きさが期待できます。
参考文献
H. Nakamura et al., Casting Test for Manufacturing Recycled Items from Slightly Radioactive Metallic Materials Arising from Decommissioning, Proc. 3rd European Technical Seminar on Melting and Recycling of Metallic Waste Materials from the Decommissioning of Nuclear Installations, Jun. 11-13, 1997, Nykoping, Sweden, 79 (1997).
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1998 copyright(c)日本原子力研究所 |