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並列計算機や分散計算システムは今後の「計算」の主役になるものと考えられています。しかし、今までの計算機と違い並列計算機を含む新しいネットワーク(分散)計算システム環境下ではプログラムの開発や修正・改良及び計算の実行のためのツールが標準化されておらず共通の手順も確立していないので、効率的にこれらを利用するためにはとても煩雑な作業が必要になります。この状況を克服するために、プログラム開発時や実行時の途切れのない思考を支援する「並列・分散計算助っ人システム」STAを開発しました(図11-1)
STAは二つの部分から成り立っています。第一の部分は、「並列・分散プログラム開発環境(PPDE)」で、いわば、「親切なプログラム開発システム」と言えるものです。この環境では、プログラム開発に際して必要な情報は全て自動的に管理されているので、利用者はパソコンを使うような手軽さで複雑な並列計算機用プログラムの開発が行えます。もう一つは、種々の計算機から構成されたシステム上で並列プログラムをなるべく自動的に効率よく実行させるための「並列・分散プログラム実行環境(PPExe)」です。これは、並列・分散計算を行う際にデータとプログラムの動きを管理する「司令塔」と言うことができます。この「司令塔」を活用することで、例えば、空気中を飛ぶ飛行機について、空気の動きは計算機Aで、飛行機構造体の動きは計算機Bで計算しながら相互の影響を組み入れて総合的な計算を効率よく実行することが可能になります(図11-2)。
参考文献
太田浩史他、途切れの無い思考を支援するプログラミング環境STAの構築、計算工学講演会論文集、2 (1), 97 (1997).
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1998 copyright(c)日本原子力研究所 |