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イオンセンサーは、刻々変化するイオンの濃度をモニターするプローブであり、プラントの制御、環境の動態把握、医療診断などで重要な役割を果たしているものです。その代表例は、イオン選択性電極(ion-selective electrode, ISE)と呼ばれるものですが、溶液中に浸した電極と溶液との界面で発生する電圧が溶液中の目的イオンのみに選択的に応答し、その濃度の対数に比例することを原理としています。 私たちは、ISEの原理を基礎的に解明するとともに、その基盤に立って、10−7 M〜10−2 Mという広濃度範囲のプルトニウム3価イオン(Pu3+)を、極めて簡単な操作で、精度良く、連続的に測定できるISEを開発しました。プルトニウムのISEは世界に例がないものです。このISEはグローブボックス、遮蔽セル、プラント配管の中に容易に設置でき、遠隔で操作できる特徴を持ちます。また、多量のウランや水素イオンの共存にも影響されない高い選択性を有していますので、再処理工程や混合燃料の製造工程の高度制御に有用であるのみならず、プルトニウムの高精度で正確な定量や溶液化学、電気化学的挙動の研究の進展に大きく寄与すると期待されま。 このISEに上記の性能を発揮させえたのは、プルトニウムの錯生成に関する知見をもとに選んだ特殊な錯生成剤ビスジフェニルフォスフォリルメタンを電極膜に添加したためです。 |
参考文献
Y. Kitatsuji et al., Plutonium(III)-Ion Selective Electrode of Liquid Membrane Type Using Multidentate Phosphine Oxide Ionophore, Anal. Chim. Acta, 387, 181 (1999). |
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たゆまざる探究の軌跡−研究活動と成果1999 copyright(c)日本原子力研究所 |